正義の教室 の商品レビュー
正義とはなんなのか答えろと言われても言葉につまる。 あまりに漠然としていて、考えれば考えるほど、迷走していく。 本書のおかげでその正義というもののぼんやりとしていた輪郭が、なんとなく掴めるようになってきた気がする。 物語としても楽しめる、優しい哲学の入門書。 1人の娘の命か、数...
正義とはなんなのか答えろと言われても言葉につまる。 あまりに漠然としていて、考えれば考えるほど、迷走していく。 本書のおかげでその正義というもののぼんやりとしていた輪郭が、なんとなく掴めるようになってきた気がする。 物語としても楽しめる、優しい哲学の入門書。 1人の娘の命か、数十人の子どもの命か、重々しい決断に迫られる場面から始まり、引き込まれた。 自分だったらどうするのか考えながら読んだ。 胸を張ってこれが正義だと言えるものなんてないけど、だからといって敬遠せず、話し合って行くことが大事だと感じた。
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誰もが、それぞれ自分の正義を持っている。 そして私にも当然、私の正義があった。しかし正義って一体何?改めて問われると明確な言葉に困る。 国家間、宗教、果ては隣人とのトラブル。どこにでもある諍いに、個々の正義がある。もう、頭の中が混乱してしまう状況に陥る読書であった。 全て読み終え...
誰もが、それぞれ自分の正義を持っている。 そして私にも当然、私の正義があった。しかし正義って一体何?改めて問われると明確な言葉に困る。 国家間、宗教、果ては隣人とのトラブル。どこにでもある諍いに、個々の正義がある。もう、頭の中が混乱してしまう状況に陥る読書であった。 全て読み終えて、良い読書であったのは間違いなかった。
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とても面白く、難しい哲学の思考がポップに書かれており、読みやすい本でした。読みながら、自分は誰派?という考えを真剣に考えたし、これまでの自分の考え方についても客観的に問い直すことができました。 ラストも意外性があって面白かったです。
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いい本には間違いないし、「正義の判断基準は平等・自由・正義の3つ」など覚えておきたい部分がたくさんあるものの...... めんどくせぇ問いを考える人しかいなさすぎてお近づきになりたくねぇという感想しかない。 ラストは好き。
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マイケル サンデルの講義をさらにわかりやすく、実生活に落とし込んでくれた。ストーリー展開も面白く、哲学導入の名著
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第75回ビブリオバトルinいこま「on」で紹介された本です。チャンプ本。 コロナ禍のためYouTube liveにて配信。 https://www.youtube.com/watch?v=EuYZv_4Fz9M 2020.6.28
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倫理ちゃんと正義くん他、学園ドラマのラノベ風の仕立てもそれなりに抑揚のあるストーリーで楽しめた。その娯楽性のある初心者向け目線で、哲学を学べるという内容。例えば、学校をパノプティコンのように監視できるようにした方が良いか、などのテーマをベンサムの功利主義的視点で考えてみようという...
倫理ちゃんと正義くん他、学園ドラマのラノベ風の仕立てもそれなりに抑揚のあるストーリーで楽しめた。その娯楽性のある初心者向け目線で、哲学を学べるという内容。例えば、学校をパノプティコンのように監視できるようにした方が良いか、などのテーマをベンサムの功利主義的視点で考えてみようというような。 ー ソ連以外の共産主義国家もそうですが、共産主義、つまり、平等の正義を旨とし全体の幸福度の最大化を目指す国家は、だいたい強権的で抑圧的な政治体制になる傾向があります。これはなにも、共産主義者が悪い人だからという短絡的な話ではなく、「平等の正義』を実現するには、どうしても強権と抑圧が必要になってしまうからなのです。彼ら共産主義者は主張します。人間なんて自由に活動させていたら、必ず勝ち組と負け組が生まれ、富裕層と貧困層が生まれ、他方が一方を奴隷にするような不平等な状況が生まれてしまう。 ー 功利主義が、その性質上、つまり恵まれた人の権利を抑圧して最大多数の最大幸福を達成するという目的を持っている以上は、強い権力を持つ必要があり、共産主義国家と同様、パターナリズムの問題が生じることは避けがたい。 ー ミルが「危害原理』を導き出した論理はこうです。 (1) 民主主義は、多数派の好みで法律が決まるため、少数派の好みが制限されがちである。これを『多数派の暴虐』と呼ぶ。 (2)『多数派の暴虐』が行われると、個人が自由に自分の好み(幸福)を追求できない社会になってしまう。そこで、『危害原理』を提唱する。 (3)『危害原理』とは、「他人に危害をくわえないかぎり、好きにせよ』または「他人に危害をくわえていないのに、人の自由を制限するような法律を作るのは不当だ』という国家運営の原理原則のことである」 ー 絶対的に正しい、絶対的に善い、といったものが、ちゃんとこの世には存在するんだよ」という考え方のことである。この主義を唱えたのが、かの有名なソクラテスだ。 ー とにかく、イデア論は「人間が存在するよりも前に、善という概念が宇宙に存在していた』という立場だということ。賛否はともかく、プラトンは、そう主張をしたということだ。 ー 「さて、今の話で見過ごさないでほしい大事なポイントは、ポスト構造主義が『構造主義から抜け出せなかった』という部分である。つまり、人間が構造(システム)に支配されているという部分については、ポスト構造主義も変わらず同意なのだ」え、そうなんだ。構造主義の身も蓋もない人間観は、次の時代で否定されてるわけじゃなく、現在も継続中なんだ。「では、ポスト構造主義は、構造主義と何が違うのか。それは、『構造主義がわずかに持っていた希望を打ち砕いたこと』だと言ってもいいかもしれない」構造主義が持っていた希望?「構造主義は一見すると、人間の主体的な意志を軽視した非人間的な思想に思えるかもしれないが、実は、こんな希望を見出すことができる。『自分たちが生きている社会の構造をきちんと把握しよう。そして、その構造上の欠陥を見つけ出し、それを修復してもっと豊かで幸せな未来を作り出そう。 上記は抜粋だが、こんな感じで勉強になるし、考えさせられもする。やはり気になるのは、構造主義であった。
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正義の3つの体系 平等=功利主義 自由=自由主義 宗教=直観主義 【功利主義】:ベンサム ミル 最大多数の最大幸福 【自由主義】:幸福よりも自由優先 ●やってはいけない愚行=総ては自由でなく、将来の自分を縛ってしまう現在における行動 ●無知のヴェール=ジョン・ロールズ...
正義の3つの体系 平等=功利主義 自由=自由主義 宗教=直観主義 【功利主義】:ベンサム ミル 最大多数の最大幸福 【自由主義】:幸福よりも自由優先 ●やってはいけない愚行=総ては自由でなく、将来の自分を縛ってしまう現在における行動 ●無知のヴェール=ジョン・ロールズ「正義論」、自分の全ての特質を忘れ真っ白な状態でどのような世界を作るか、という思考実験 その結果「自由原理」「格差原理」が万人共通の正しさと浮かび上がるだろう←功利主義と自由主義の二つが浮き彫りになってくる 【直観主義】: ●ヒュームのギロチン=「である」論をいくら展開しても「べき」論は導出されない よって「直観主義」により、「絶対」、「宗教」、「正義」等を認める ●哲学の歴史 ○絶対主義(ソクラテス 絶対的に正しい、善いと言えるものは存在する) 対 ○相対主義(すべて相対的なものに過ぎない) ○イデア論(プラトン 絶対的で完璧な善の概念が世界に存在している) 対 ○原子論(世界なんて小さな粒(原子)の集まりに過ぎない) ○実在論(絶対的で普遍的な善は世界に実在している) 対 ○唯名論(社会にとって都合が良い行為に「善」という名前を付けただけ) ○合理主義(デカルト 合理的に考えれば絶対的な善の存在が証明できる) 対 ○経験主義(善なんて経験から作られた人それぞれのものに過ぎない) 以降は下側のみ(ニーチェが終止符を打った 「善」などは民衆を大人しくするために作られた概念) ○実存主義(ニーチェ キルケゴール ‥‥) ○構造主義 ○ポスト構造主義
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
あわわわ。。。最後はすごいオチになっていた!!! 超越オチ。 語りを通して、正義を伝えるのは、うまくいかないのでは?と思い、読み進めていたが、今作は大成功だ。「正義」を伝えるための物語という手法は成功だ。「正義」をネタとした物語は成功だ。 *メモ ・正義の基準は、平等(=功利主義)、自由、宗教。 ・ロールズの正義論。無知のヴェール。自由原理と格差原理がでてくる。 ・宗教。相対主義と絶対主義。 ・『監獄の誕生』フーコー
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大好きな飲茶先生、個人的6冊目。これまで読んできた作品と異なり小説テイストで進む、正義とは何かについての講義。漠然としていた"正義"という言葉が自分の中で鮮明になった気がします。ストーリーの方もラストはまさかの展開すぎて驚いた一方、それまで語られてきた内容に矛...
大好きな飲茶先生、個人的6冊目。これまで読んできた作品と異なり小説テイストで進む、正義とは何かについての講義。漠然としていた"正義"という言葉が自分の中で鮮明になった気がします。ストーリーの方もラストはまさかの展開すぎて驚いた一方、それまで語られてきた内容に矛盾のないオチだったので納得したし爽快でした。 メモ…平等の正義(功利主義)、自由の正義(自由>平等、愚行権)、宗教の正義(直感主義、イデア)
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