HELLO WORLD の商品レビュー
映画が面白そうだと思って買ってみた。『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』みたいな話を期待していたけど、全然違っていた。話が難しかった。残念ながら共感できず。
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人は、自分がいる次元よりも高次元の世界を、認識することができない。 だから、アルタラ内の記録世界の人間は、記録世界と現実世界を区別することができない。それを使った、入れ子構造の物語。 確かに、ナオミは、よく考えるとヤバいやり方で一行瑠璃を取り戻そうとしている。それに対して、エピローグの一行瑠璃は、もっと現実的で穏やかに堅書直美を取り戻そうとしていたように見える。 彼女は何も知らないはずなのに、という箇所を、少しの引っ掛かりを感じつつもスルーしてしまったけれど、つまり、そういうことだったのだ。 映画は見ていないけれども、この物語は映画の方が分かりやすかったのだろうか? どうだろうか。 正直、一読しただけでは、よく理解できていない部分もあると思う。 現実世界では、明日のことは分からない。アルタラの記録世界においても、千古教授が自動修復システムを停止させたことによって、現実世界と同じように、先が読めなくなる。これがつまり、パラレルワールドの「開闢」ということであり、決められなかった直美が決められるようになる世界の始まり、ということなのだろう。明日のことが分からないということは、どんな自分にでも変わっていける可能性があるということで。そういう意味で、これはまさに青春小説だった。
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映画の宣伝で気になったので小説の方を。 映像で見たほうがわかりやすそうだなという場面もありますが、読みやすかったです。 何が現実で何が虚構か。 その境目、在り方。 ハローワールドというタイトルからもっとデジタルなお話かと思いきや、文学少年と少女の恋愛物語でしたね。 皆幸せにな...
映画の宣伝で気になったので小説の方を。 映像で見たほうがわかりやすそうだなという場面もありますが、読みやすかったです。 何が現実で何が虚構か。 その境目、在り方。 ハローワールドというタイトルからもっとデジタルなお話かと思いきや、文学少年と少女の恋愛物語でしたね。 皆幸せになってほしい。
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映画を見る前に読もうと思って買ったけど、忙しくて順番逆になってしまった。 順番はどちらでも楽しめると思うけど、映画だけだと一回観ただけでは全部を理解しきれない気がするので、映画と本と、両方あると良いと思った。 量子理論を用いて無限の記憶領域を持つアルタラ。それによって全ての事象を記録する京都クロニクルプロジェクト。量子記録による精神の修復。 どこまでが直実の「現実」で、どこからが記録の上で改変された世界だったのか?「現実」で直実が意識を失っていた理由は?
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映画とは違って、最後のどんでん返しへの伏線がモロに書かれてしまっているので小説から入ると面白さが半減な気はする ツッコミどころはまあ多いけど、それもSFと割り切ってしまえば青春要素とサイエンス要素がいい塩梅で込められていてなかなか楽しめた。 以下ツッコミどころと感じた点 アルタラは現実世界の単なる複写でしかあり得ない(現実世界から分岐=自動修復システムを停止してしまえば、もはや制御も観測も不可能)のであれば、なぜアルタラ内に「堅書直美ではなく一条瑠璃が脳死になった世界」が存在し得たのか? もしアルタラ内の世界が無限の可能性の一つの顕現でしかないのであれば、結局この物語に意味は無くなってしまうのではないのか?
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2019年公開の伊藤智彦監督のアニメ映画「HELLO WORLD」の脚本を担当した野崎まど氏がノベライズ化したもの。新しい自分になりたいと思っている主人公と同級生の女の子のボーイ・ミーツ・ガール的な展開というのが根底にありつつ、SF的な要素を盛り込んだ作品です。あくまで映像化が先...
2019年公開の伊藤智彦監督のアニメ映画「HELLO WORLD」の脚本を担当した野崎まど氏がノベライズ化したもの。新しい自分になりたいと思っている主人公と同級生の女の子のボーイ・ミーツ・ガール的な展開というのが根底にありつつ、SF的な要素を盛り込んだ作品です。あくまで映像化が先にあったと思われるため、小説だけだと分かりにくい描写がちらほらというか、最後のどんでん返しをするためだけに物語が進んでいるという印象を受けました。この辺は映像の派手さに頼らざるを得ないというか…。
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さすが野崎まどという他ない面白さ。恋人になってからのことがもうちょっとあってもいいかなと思ったけど。ラストの一連の流れは全てが理解できたわけじゃないけれどそれでもなかなかのスッキリ感。
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とにかく物語としての完成度が高いです。 読者の共感を誘う導入部から始まり、異物の介入により物語が転がりだし、修行と成長、挫折と挑戦の青春パート、そしてどんでん返しからの大スケールなクライマックス。 ご都合主義と言われようとハッピーエンドで終わらせる。しかし整合性は可能な限りつ...
とにかく物語としての完成度が高いです。 読者の共感を誘う導入部から始まり、異物の介入により物語が転がりだし、修行と成長、挫折と挑戦の青春パート、そしてどんでん返しからの大スケールなクライマックス。 ご都合主義と言われようとハッピーエンドで終わらせる。しかし整合性は可能な限りつける。 青春SFが好きなら読んで損はないと思います!
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映画原作は観てから読むか、読んでから観るか、いつも悩みます。今回は観てから読みました。 映像と小説ではたいがい小説のほうが情報量が多く感じるものですが、今作は割とイコールに感じました。そういう意味では映画版はよくまとまってますね。深読みすると色々深い作品です。現実の中にクロニクル...
映画原作は観てから読むか、読んでから観るか、いつも悩みます。今回は観てから読みました。 映像と小説ではたいがい小説のほうが情報量が多く感じるものですが、今作は割とイコールに感じました。そういう意味では映画版はよくまとまってますね。深読みすると色々深い作品です。現実の中にクロニクル京都があって、その中にまたクロニクル京都があって・・・みたいになるしね。 ただ、映画も小説もラストがちょっとわかりづらい。
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アニメ化されるということで購入。 作者の野﨑まどさんを最初に知ったきっかけは、ラジオドラマの「know」でした。独特な世界観だったなということは記憶に残っていました。 この作品も映画「インセプション」のような、アニメ「サマーウォーズ」のような異次元の世界に誘われたような感覚でした...
アニメ化されるということで購入。 作者の野﨑まどさんを最初に知ったきっかけは、ラジオドラマの「know」でした。独特な世界観だったなということは記憶に残っていました。 この作品も映画「インセプション」のような、アニメ「サマーウォーズ」のような異次元の世界に誘われたような感覚でした。 この作品の舞台は京都で、地名がふんだんに散りばめられていました。「京都」や「不思議な世界観」というと、森見登美彦さんが思いつくのですが、それとはまったく違った世界観で新鮮味がありました。表現しにくいのですが、森見さんは曲線が多い柔らかい世界に対し、野﨑さんは直線の多いきちっとした固い世界のようなイメージを受けました。 内容としては、最後の最後まで飽きさせませんでした。一番最後のエピローグが、意外な真実が待っています。ただ、後半になるにつれて、状況について受けず、置いてけぼりになった感じがしました。特に格闘のシーンを文字にすると、イメージしづらいなという印象を受けました。この辺はアニメで見たほうが伝わりやすいかなと思いました。ただ、心理描写は繊細に描かれていて、フッと入り込めました。特に叫ぶシーンは、丁寧に描かれていて、心に響くものがありました。 個人的ですが、一人の女を助けるのにこんな壮大なことにまで発展するんだとツッコミを入れてしまいました。 小説だけだとわかりにくいところもあったので、アニメとセットで楽しんだほうが良いかと思います。 アニメは見てないので、答え合わせをしに見てみようかなと思いました。
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