ロシアを知る。 の商品レビュー
佐藤優は本当にすごい人だと思う。 ただ、2019年発行のこの本では 「ウクライナ侵攻はないだろう」としている。 確かに国境を「面」で考えるロシア人にとって、侵攻は「合理的」ではない。 ウクライナ反攻が功を奏しても、ウクライナとロシア双方の不幸はかなり続くだろうなあ。 それにしても...
佐藤優は本当にすごい人だと思う。 ただ、2019年発行のこの本では 「ウクライナ侵攻はないだろう」としている。 確かに国境を「面」で考えるロシア人にとって、侵攻は「合理的」ではない。 ウクライナ反攻が功を奏しても、ウクライナとロシア双方の不幸はかなり続くだろうなあ。 それにしても、ロシアについて、我々は本当に何も知らないんだなあと痛感した。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2019.6発行の書。外交官としてモスクワで勤務した佐藤優氏:プーチンの目標は大統領の座にいることで、ウクライナを取り戻す発想はないと思う、とのこと。彼の予想通りだったら良かったのですが。池上彰&佐藤優「ロシアを知る。」一読しましたが、ロシアはわからなかったです。「芸術」の顔と「軍事的脅威」の顔。ソ連時代の社会が書かれてましたが、本当かと思う話が多かったです。1日3時間労働、交通警察官は大佐でもみ消しがお金の源泉、現場の役人の裁量権大、庶民は4本のキュウリを2500円で、共産党幹部は750円でフルコース
Posted by
佐藤優・池上彰の両氏は現代日本の知の巨人と同時に貴重な時代の批判者。特に後者について学ぶこと多い。 佐藤優氏の知識・知見は圧倒的。Globalの力を見せつける 1.ソ連は資本主義を善導していた→修正資本主義 社会福祉・教育・格差など アンチ新自由主義 ソ連崩壊の後、西側体制も...
佐藤優・池上彰の両氏は現代日本の知の巨人と同時に貴重な時代の批判者。特に後者について学ぶこと多い。 佐藤優氏の知識・知見は圧倒的。Globalの力を見せつける 1.ソ連は資本主義を善導していた→修正資本主義 社会福祉・教育・格差など アンチ新自由主義 ソ連崩壊の後、西側体制も放任・劣化した 2.需給調整 長期的に生産的なのは? 「価格」 「行列」=「時間」のコストor配給・割り当て →必然的に国家独占体制へ 停滞・非効率温存・競争力低下 3.安倍政権の迷走 新自由主義と国家独占主義 アクセルとブレーキを同時に押す愚かな国家運営 安倍政権は積極的にウソをつく 縁故主義 近親者以外を排除 4.ソ連の短命 しかし大日本帝国も短命 「短命国家」の原因は何か? 5.政治への諦め・絶望 →専制君主を望む ⇒ファシズム体制へ・排外主義
Posted by
”身になる読書術”から。ロシア絡みってことで、まさに今、読んだ方が良い本かな、ということで。本書の頃、コロナもウクライナ進行もなかったし、当然、書かれた内容とは全く違う”その後”を知っている訳だけど、かの国、ひいてはプーチンの何たるかは、垣間見えてくる気がする。日本とロシアは近い...
”身になる読書術”から。ロシア絡みってことで、まさに今、読んだ方が良い本かな、ということで。本書の頃、コロナもウクライナ進行もなかったし、当然、書かれた内容とは全く違う”その後”を知っている訳だけど、かの国、ひいてはプーチンの何たるかは、垣間見えてくる気がする。日本とロシアは近い、っていう言及があるけど、なるほど、言い得て妙。流されるままだと辿る先はあそこ、ってのが可視化された以上、黙っているのは実に危うい。戦争反対、現政権にNO。
Posted by
ロシアのイメージは、テレビを通して見えるプーチンだったり、読書をする人の多くは、この佐藤優が語るロシア観、あるいは米原万里、ドストエフスキーだろうか。中でも最近は佐藤優の、しかも外交官時代の昔話が印象作っている感じがあり、日本人のロシア観の主流がそれならば、まさにアネクドート的で...
ロシアのイメージは、テレビを通して見えるプーチンだったり、読書をする人の多くは、この佐藤優が語るロシア観、あるいは米原万里、ドストエフスキーだろうか。中でも最近は佐藤優の、しかも外交官時代の昔話が印象作っている感じがあり、日本人のロシア観の主流がそれならば、まさにアネクドート的で大丈夫だろうかと思う事がある。 ウクライナ戦争よりも前に出版されたものであり、クリミア併合以上の干渉は無いだろうとしていながら、その言説とは異なる実態を私たちは見ている。予想が外れたではないか、と言いたい訳ではなく、そんな事は、土台難しいのは分かる。差し引いても、小噺として面白いのが本著だ。
Posted by
この二人がタッグを組めば鬼に金棒。ロシアのことが表から裏からよく分かる。自分の判断基準で相手を非難することはたぶん簡単なことで、相手のことをよく知り、どういう考えでそういう行動を取るのかを理解するように努めることが、問題の解決の第一歩になるのではないかと思う。
Posted by
ロシアとウクライナを見ていて、両方の立場を知りたいなと思っていたところ家の本棚で発見。 ロシアにとって干渉国がないということはやはりすごく恐怖なんだなと改めて感じた。出版から3年経っているけれど、すごく参考になる本だと思う。 3年前には西側諸国とロシアの関係は悪くなっていく事...
ロシアとウクライナを見ていて、両方の立場を知りたいなと思っていたところ家の本棚で発見。 ロシアにとって干渉国がないということはやはりすごく恐怖なんだなと改めて感じた。出版から3年経っているけれど、すごく参考になる本だと思う。 3年前には西側諸国とロシアの関係は悪くなっていく事件はいろいろあって今に至ってるんだろうな。 ロシアという国が今やっていることは抜きにして考えて、ロシア人面白いなと思った。日本人と全然考え方違うんだね。ロシアいつか行ける日が来るといいな。 個人的に面白いと思ったのが、逃げ恥とタラレバは中産階級の下の方から転落したくない気持ちがあるから流行ったという佐藤さんの発言。何も考えずに楽しんでいたけど、流行りにも社会情勢表われているんだと実感した。 ソ連は規制があったがゆえに文化的で生活水準が高かったというのも面白かった。自由は自己責任が伴うとはこういうことだなと思った。バレエをそいう目で観てるのはちょっとショックだったけど。 自分の無知ゆえについていけない話が多くて、いかに歴史を学ぶことや政治に興味を持つことを避けてきたかを痛感させられた。 色んな種類の本をいっぱい読んでいこうと思った。
Posted by
一読して更にロシアが分からなくなったというのが正直なところ。 それにしてもあの国家体制、国民性はやはり異質で独特だな。 一度行ってみたい。
Posted by
池上さんより 佐藤さんの方がロシアに詳しいのは当然だと。ただ良き話し相手がいるから 話の質も上がるのではないかと思います。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ソ連・ロシア入門書として、楽しく読める好著。 対談としているが、95%が佐藤優によるソ連・ロシア解説だ。 あの池上をして、ほとんど「なるほどねえ」「そうなんですか」としか言わせない佐藤の圧倒的知識量に感服。ただ、論が高尚になりすぎないよう、話が専門分野に深入りしないよう、池上彰がほどよく、「というと?」と解説を求める合いの手を入れていて読みやすい。 佐藤優の過去の著作や、近年であれば『十五の夏』(幻冬舎)などでも触れられていることも散見されるが、改めてソ連・ロシアを俯瞰的に理解することが出来る。 「ロシア人は、線の国境を信用していない」「ロシア人は屁理屈上手」など、体感的にも理解している事柄に対しても、その理由、原因を分析し伝えてくれる明晰さが素晴らしい。 そんなソ連・ロシアに対する理解から入り、長期化・独裁下の進む国家主席の立ち位置をロシアを軸にした国際社会の視点で読み解き、日本の国体や現政権に対する批判を繰り広げ、世界的に拡がる格差社会や子供の貧困問題を、遠く「ソ連の崩壊」に因があったとする論の展開に舌を巻かずにいられない。 最終章の「6章 帝国の攻防 ―諜報と外交の舞台裏」。お得意の諜報の分野にまで手を広げるのは予想されたが、それは手嶋龍一あたりとまた、もっとガッツリやってくれたのでいいかな。本書では、やや蛇足感があったか。 いずれにせよ、ロシア理解に資する読みやすい入門書だ。
Posted by
- 1
- 2