千歳くんはラムネ瓶のなか(1) の商品レビュー
スクールカーストトップに君臨するイケメンリア充の千歳朔。そんな千歳は、担任からの以来で引きこもりの山崎を学校に連れ戻すことになる。山崎は失恋をきっかけに引きこもりになった非リアだったが、千歳は山崎をリア充にすべく、「非リア成り上がり計画」を企てる。 面白いと感じたところ ・地の...
スクールカーストトップに君臨するイケメンリア充の千歳朔。そんな千歳は、担任からの以来で引きこもりの山崎を学校に連れ戻すことになる。山崎は失恋をきっかけに引きこもりになった非リアだったが、千歳は山崎をリア充にすべく、「非リア成り上がり計画」を企てる。 面白いと感じたところ ・地の文が魅力的。随所に出てくる比喩や情景描写が素敵。良い意味でラノベっぽくない。 ・盛り上がる展開がちゃんとあり、読者が飽きないための工夫がされている。 イマイチに感じたところ ・そもそも世界観が面倒くさい 自分の通っていた学校が比較的少人数の中高一貫校だったために特殊だっただけかもしれないが、当時は周りにリア充や陽キャ、スクールカーストといったことを日頃から意識して過ごしている人なんていなかった(クラスをまとめる存在はいたが、それに対抗する派閥だとか、それを僻むような人はいなかったと思う)ため、そういうのをいちいち気にしてる千歳も山崎も面倒くさいなと思ってしまった。くどい。 ・千歳のポリシーが矛盾しているように感じる 千歳は序盤で、リア充と非リアという分類に対して「俺は心底しょうもないと思う」「(その分類が)定着してしまった以上、できれば前者に、最低でも後者にならないよう泳いでいくしかない」と言っている一方で、自身のことを「カーストトップのリア充」と公言している。また、千歳たちに対抗してくるリア充派閥に対してはリア充に絶対評価と相対評価の二つのタイプがあるとした上で、「亜十夢たちは相対評価だ。他の人間と比べて自分のカーストはどの位置にあるのかを常に気にしている」 と評価し、「俺たちは前者(絶対評価)」「他人が自分をどう思うかよりも、自分が自分を誇れるかどうかを指針に生きている」と言う。 しかし、物語全体を通して見てみると、上記のセリフと千歳の(とりやけ山崎や亜十夢、山崎の元オタク仲間に対する)言動が矛盾しているように思える。本当の絶対評価なら、カーストだとか学校の裏サイトだとか気にしないだろうに。マウントタイプのリア充を批判するわりには、山崎に対してリア充とはかくあるべきといった説教を垂れている。もうよくわからない。 というわけで、面白い点もあるが、それ以上に自分は納得できずにモヤモヤしたまま読み終えてしまった。要するに自分には合わなかった。カーストとか派閥争いが実際に存在する学校にいたらもっと面白く思えたのかな。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
著者初読。KU。リア充の千歳朔が担任の先生からのミッションを受け、リア充仲間と共にオタクな引き篭もりの山崎健太の意識を変え、学校に来られる様にする物語。ちょっと鼻につくと言いますか・・・なんだか自分の高校生時代と比べてキラキラし過ぎでなんだかなぁと思って読んでたけど、それにしても文章から目が離せない。少し不思議な読書体験でした。多分凄く面白かったんだけど、自分の心の奥底ではその気持ちを認めたくないんだと思うw。私も非リア充精神なのかも。続編がどうなるのか気になってしまうから続きも読もうと思います。
Posted by
ラノベ界隈ではかなり評価が高いので購入。 事前にみたレビューでは「けっこう人を選ぶ作品かも」とあり、読んでみてなるほどなと感じた。予想以上にラノベ濃度が高く、作品の雰囲気というかテンションも高い。いわゆる「リア充」の主人公グループのノリに着いていけない人が一定数出てくるかも。か...
ラノベ界隈ではかなり評価が高いので購入。 事前にみたレビューでは「けっこう人を選ぶ作品かも」とあり、読んでみてなるほどなと感じた。予想以上にラノベ濃度が高く、作品の雰囲気というかテンションも高い。いわゆる「リア充」の主人公グループのノリに着いていけない人が一定数出てくるかも。かくいう自分はけっこう苦手なノリだった。笑 とりあえず一巻しか読んでいないが、主人公はカーストトップのイケメンで、同じくカースト上位の女の子たちから好意を向けられながら学園生活を満喫している。そんななか、主人公のクラス内には不登校の生徒がおり、その生徒に対してリア充指南をして再び学校に来られるようにする、というのが一巻の展開。 主人公が不登校の子に施すリア充指南はかなり上から目線で、個人的にはあまり好きではなかった。登場人物たちの会話はテンポがよくとっても読みやすい。が、やっぱり個人的には「合わんなあ」と感じた。 というわけで⭐︎2つ。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
友達のおすすめで普段あまり読まないラノベを読んでみました。最初は主人公のすかした態度が嫌で惰性で読み続けていたが、窓ガラス割った場面辺り(読めばわかる)からなんか面白くなって気づいたら完読していました。最初は主人公の性格に抵抗を示すかも知れないが、風景描写は美しいし、読みやすい文体なのでラノベ初心者の方にもおすすめです!
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
リア充と非リア充。スクールカースト。学校のいざこざ……青春の澱みがこれでもかと詰まった物語でした。 他人と比べて自分の方が優れている気になったり、他人を何かに当てはめてわかった気になったりする人が多い中で、主人公の朔は自分の信じたいものを信じ、自分の信念を持ってい生きようとしていたので、とてもかっこよかったです。彼が周囲から男女の垣根を越えて信頼されていることに、とても説得力があるキャラ設定でした。 途中に挟まれるギャグも面白かったですし、地の文も読みやすく、とても満足して読める一冊でした。
Posted by
夏の勉強合宿や花火大会やら夏休みの楽しいイベントが目白押しの今回は、千歳のまわりの女性陣も様々な想いを抱えていて、迸る青春に身悶える……が、ついにこの時がきたという展開に全てを持っていかれる。楽しいだけではない、どうしても変化はおとずれる。 なんて面白いんだ、これが現代のラノベな...
夏の勉強合宿や花火大会やら夏休みの楽しいイベントが目白押しの今回は、千歳のまわりの女性陣も様々な想いを抱えていて、迸る青春に身悶える……が、ついにこの時がきたという展開に全てを持っていかれる。楽しいだけではない、どうしても変化はおとずれる。 なんて面白いんだ、これが現代のラノベなのか。 イギリスでもラノベ作家が急激に評価されて、あの現代最強作家のアンソニー・ホロヴィッツもラノベ出身だ。(イギリスではラノベとは言わんか)面白いものは、面白い。 文学における分類なんてどうでもいいかもしれない。
Posted by
オタク主人公・リア充が悪役というパターンが多いラノベには珍しく、イケメン超絶リア充を主人公にしたラノベ。 ラノベ系譜的には俺ガイル→弱崎くん→なろう的な俺tueee要素も合わさって生まれたのかな。人気なシリーズなだけあって、スクールカーストを冷ややかな視点で描くところとか、口八...
オタク主人公・リア充が悪役というパターンが多いラノベには珍しく、イケメン超絶リア充を主人公にしたラノベ。 ラノベ系譜的には俺ガイル→弱崎くん→なろう的な俺tueee要素も合わさって生まれたのかな。人気なシリーズなだけあって、スクールカーストを冷ややかな視点で描くところとか、口八丁で周囲を手玉に取る展開とか、本質を見極めてそうなダメ教師キャラと、主人公全肯定ヒロインとかとか、人気が出そうな要素押さえてる〜って感じ。 途中で登場する捻くれた引きこもりオタクくんに向けて人生の説教をぶちかますイケメンリア充主人公。当初は妬みや偏見で主人公に反感を持っていたオタクくんだったが、あまりの主人公の完璧っぷりに、好感を超えて尊敬の感情を抱いていき、最終的には完璧すぎるが故の"歪さ"に気付き同情さえするようになる。このオタクくんはこのラノベを読んでいるメインの読者層であり(偏見)、オタクくんへの説教は読者への説教で、オタクくんの心情の変化は、作者が読者に感じて欲しい変化であるような気がした。その作者の狙いにハマれば楽しめるだろうし、ハマらなければ楽しめない、自分は無理だった。 一見してメイン読者層が好きじゃないようなキャラクターを主人公にしてしかも説教までかますという読者に喧嘩を売るような作品だけど、「普段君が嫌っているリア充はリア充界の雑魚で本物のリア充は違うよ」っていう主張をすることで、上手く読者層の反感を買わないようにしてる。 この「"本物"のリア充はそんなことしない」みたいな主張は、ネットに蔓延る「本物の金持ちはそんなことしない」「本物の天才はそんなことしない」みたいな、過度に"本物"を幻想化しすぎるオタクっぽくて好きじゃないかな。 それにリア充を過剰な悪役にする昨今のラノベ・なろうのテンプレ展開を批判をしていたのに、クライマックスで同じようなことをしていたのもどうかと。それで余計に冷めた。 オタク全肯定な作品よりは健全かもしれないけど、ちょっと中盤からの自己啓発セミナーみたいな展開は気持ち悪かった。これは弱崎くんでも感じたけれど。 主人公の友達としてキャラが無駄に大勢登場するものの、1巻ではそれを置いて全く無関係なオタクくんがメインの話になるので、特に女キャラは最後まで誰が誰だか分からないまま読み終わる。 あとリア充同士の寒い会話シーンがなんのオチもなく続くのもキツい。今はこういうのがウケるのか。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
こういう悩む青春ラノベ(?)みたいなのを久々に読んだが、久々にプリキュア見たような感覚だなあ 私自身が当事者性を持って読むことは難しかったが、中高生には楽しく読めるものになっているのでしょう 最近は普通にしていたつもりだが、やれコロナウイルスだとかやれウクライナだとかやれ円安だとか、新聞の一面を飾るようなことばかり眺めて生きている気になっていたなあと反省 高校生が世界を認識するような、ローカルで閉じた世界で幸せを追求しなければと思わされた あと、女の子の名前と見た目がほとんど一致しないまま読み終えてしまった 1巻にしてはキャラが多かったというのもあるし、単に私がKindleでささっと読んでしまったのもあると思う すまん
Posted by
主人公の人生論、美学てきなものに好感を持てたり、驚き、新しい発見があったりして、とてもよかった。ライトノベルというより、小説に近い感じでとても好き。
Posted by
地元でコラボキャンペーンが始まったので、大人がラノベってどんなもんだろう?と興味本位で読んでみました。ライトノベルってどういう定義だっけと分からなくなるくらいちゃんとした小説でした。 リア充とか非リアとか陽キャとか陰キャとか、昔はなかった言葉が溢れていて、それに惑わされて自分を...
地元でコラボキャンペーンが始まったので、大人がラノベってどんなもんだろう?と興味本位で読んでみました。ライトノベルってどういう定義だっけと分からなくなるくらいちゃんとした小説でした。 リア充とか非リアとか陽キャとか陰キャとか、昔はなかった言葉が溢れていて、それに惑わされて自分をどこかの枠にはめなきゃいけない。しかも仮にどの枠にはまったとしても、周りの目を気にしながら自分の立場を演じていかなきゃいけないのですね。最近の子は大変だな〜。 若い読者を励ます素敵な言葉がたくさんあったので、学生さんはぜひ読んでください。
Posted by