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日本の異国 の商品レビュー

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19件のお客様レビュー

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2024/11/05

母国を離れ、日本でたくましく頑張って根を張り、そして同郷人の拠り所となる人たち。拠り所(お寺、カフェ、レストラン)を作る人たち。 一方で、国との関係上、忖度が必要で難民認定せず、中途半端な状態『仮放免』に留め置かれ続ける人たち。何かわからないまま説明もなく収攬される恐怖にいる人た...

母国を離れ、日本でたくましく頑張って根を張り、そして同郷人の拠り所となる人たち。拠り所(お寺、カフェ、レストラン)を作る人たち。 一方で、国との関係上、忖度が必要で難民認定せず、中途半端な状態『仮放免』に留め置かれ続ける人たち。何かわからないまま説明もなく収攬される恐怖にいる人たち。 なぜその街に多くいるのか、コミュニティができたのか外交政策含めた歴史的経緯とともに説明されててわかりやすい。 それにしても、まだまだ外国人、いわゆる白人以外に慣れていない住人の多さ、偏ったメディア、移民難民、外国人労働者への理解のない日本人のなんと多いことか。 日本人でも、大学を卒業してきちんとした文章を書けるのは少ないのに、外国人にはより完璧な日本語や文章力を求め、そして彼らの専門性や能力の高さを理解せずに就職させない民間企業の偏狭さ。 人それぞれ文化は違う。 近所に昔から外国人留学生を専門としているアパートがある。今度、挨拶をしよう。まずは、そこから。 そして、この中に出てくる色んな街、お店に行って見たい。そう強く思わせる熱い本だった。

Posted byブクログ

2024/11/03

いろんな国から来た外国人のコミュニティの様子を紹介している。思いつくものというと、新大久保は韓国人のニューカマーたち、南千住や鶴橋は古くからの在日韓国・朝鮮人の人たち街。高田馬場はミャンマーの人たちが、群馬県太田には日系ブラジル人を含むブラジル人が多く住むといったところ。この本で...

いろんな国から来た外国人のコミュニティの様子を紹介している。思いつくものというと、新大久保は韓国人のニューカマーたち、南千住や鶴橋は古くからの在日韓国・朝鮮人の人たち街。高田馬場はミャンマーの人たちが、群馬県太田には日系ブラジル人を含むブラジル人が多く住むといったところ。この本ではどちらかといえば最近になって集住するようになった街を取り上げている感じ。 自分が韓国に興味があって、在日韓国・朝鮮人のことは少し知っているつもりなもんで、「在日」といえば朝鮮半島にルーツをもつ人たちを思い浮かべるけど、いまやそんな時代ではなくいろんな「在日外国人」がいることがエッセイ調の読みやすい文章からもわかる。 特に、自分も住む埼玉県の川口あたりにはクルド人が多く住む地域があり、彼ら・彼女らのせいで無法地帯になっているかのようなことが言われていてそんなものかと思っていたけど、この本を読むかぎり彼らが日本で暮らすしかない背景などに思いを寄せれば、どこからそんな非難めいた噂が出てくるんだろうと思った。自分がこれまで知らなった分も、あらためてクルドの人々のことを知りたいと思った。 この本を読むかぎり、埼玉ってけっこう在日外国人のコミュニティが多い地域でもあるようで、そんなことも特に意識せずにいたことにちょっとびっくり。どれだけ接点をもたずに過ごせるかということでもあると思う。 川口には中国人も多く、そのようななかで川口市日本中国友好協会の事務局長・林芳男さんは「完全な共生はできないでしょうね。どうしても壁はある。それは文化も言葉も違う以上、仕方のないことだと思います。でも、共存はできる」(p.303)と言っている。ここで「共生」と「共存」の厳密な定義に照らすのはナンセンスで、要は日本にいて同じ街で、同じ国で共に暮らしていく以上、どこか落としどころを見つけて共に暮らしていくしかないってことだと思う。そのためには、日本人がもう少し譲歩したり柔軟な視点をもったり器が大きくならなければならないと思う。もう「在日外国人」の力を借りなければこの国は成り立たないのだから。その点、終盤の商店街にかかわる多国籍の人々での会を設けている新大久保の章はどことなく希望がもてた。商店街のエピソードに限らず、そういう点では新大久保は一歩先を行っている感じ。それは驚きとあきらめや思い切りの末のものかもしれないけど、その先でそれなりにいい関係性ができつつあるのだからそういうお落としどころを見つけたということなんだと思う。 一方、何様のつもりでヘイトや排斥まがいの言動をしているのか、そういう「日本人」気取りの輩の見苦しさは理解に苦しむ……なんて言ってはいけないのかな。理解はできなくても、そういう「日本人」と共存を図っていかないといかんのだろうなあ。

Posted byブクログ

2024/08/18

ゴンザレスさんのチャンネルで著者を知って、図書館にあった本著を借りて読みました。インネパは買って読もうと思います。

Posted byブクログ

2023/04/14

写真も掲載されていたのでとても読み易かった。在日外国人の日常も興味深かったが、折しも入管で病死したアジア女性のニュースがあって、知るべき事なのにまだまだ無知な自分を恥じた。特にクルド人の問題は胸が痛んだ。

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2022/11/08

・日本にある外国人コミュニティの中の人に取材して書かれた本。 ・日本は外国人の手を借りなければ社会が回らなくなってきているので、外国人がどんな人なのか知ることが大事。

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2021/11/16

在日外国人の生活に興味を惹かれて手に取った本。関東圏の状況を中心に書かれており、予想できていた内容から新たな気付きまであり概ね満足。所々、著者の意見による現状認識であったり、文体がフランク過ぎると感じることはあったが、ルポルタージュというジャンルの範囲内だと思う。

Posted byブクログ

2021/01/28

コロナの、ほんとにちょっと前。ここからどう変わっているのだろうか。自分に近しい土地の記載から見ると、結構正確だろうなと思いながら読む。

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2021/01/16

川口の芝園団地の情報を集めていたときに知ったのが本書である。 しばらく本棚に飾ってあったものを一気に読んだ。 日本にある外国人コミュニティを紹介している。 竹ノ塚にはフィリピン人 八潮にはパキスタン人 西葛西にはインド人 高田馬場にはミャンマー人 大和市には東南アジア人 蕨市には...

川口の芝園団地の情報を集めていたときに知ったのが本書である。 しばらく本棚に飾ってあったものを一気に読んだ。 日本にある外国人コミュニティを紹介している。 竹ノ塚にはフィリピン人 八潮にはパキスタン人 西葛西にはインド人 高田馬場にはミャンマー人 大和市には東南アジア人 蕨市にはクルド人 がコミュニティを形成している。 理由や経緯は様々だが、異国で力強く生きていこうとする人たちがコミュニティの核になっている。 しかし、異文化との交流が苦手な島国日本の方に彼らを受け入れる準備ができていない。 様々な問題を乗り越えながらゆっくりと異文化との接し方やコツを掴んでいくに違いない。多くの人が経験的にコツを掴み、それが伝承されていくに違いない。 本書で最も印象的だったのは、新大久保でベトナム語のフリーペーパーを発行している韓国人の話である。彼が会社員の頃、ベトナムでの工場建設のリーダーに抜擢された。その時の失敗談である。 東南アジアの人はプライドが高い。失敗したときバツの悪さから笑うことがある。それを見て、怒鳴りつけてしまったのだ。 当時を振り返り、「ベトナム人が失敗したときに笑うことがあることを知らなかった」と反省する。 そうなのだ。文化が違うということはそういうことなのだ。文化の違いは一挙手一投足に出る。 その振る舞いが理解できないことがある。 それこそが文化の違いである。 それは日本人同士にも言える。世代が違えば、考え方や感じ方が違ってくるし、振る舞いも違ってくる。 それに対して、自分の価値観で相手を否定していては、コミュニケーションが成り立たない。 相手の振る舞いには理由がある。いや、理由などないかもしれないが、あるかもしれない。 それを理解せずして、コミュニケーションは成り立たないのだ。それを理解しようとするところからしか、コミュニケーションは成り立たないのだ。 そう思えば、異文化交流のための要諦は日常生活のいたるところにある。 その他、この本を読んで考えたこと。 ①東南アジアの人はプライドが高い。であれば、太平洋戦争のときに日本人に蹂躙されたことを忘れるはずがない。 ②言語の重要性。クルド人は宗教はまちまちだがクルド語という言語を持つ。ゆえに迫害された。バングラデシュはベンガル語である。ゆえにパキスタンからの独立の戦いを起こした。

Posted byブクログ

2020/12/15

日本の各地に広がる外国人コミュニティを取材。 国、民族、歴史が入り混ざる。 関東中心の取材だが、昔から住み着いている外国人、ニューカマー、それぞれの歴史や現在の暮らしなど、ただ住んでいるだけではなかなか知り得ない情報もあり、楽しく読めた。 海外に行けない中、せっかく関東に住んで...

日本の各地に広がる外国人コミュニティを取材。 国、民族、歴史が入り混ざる。 関東中心の取材だが、昔から住み着いている外国人、ニューカマー、それぞれの歴史や現在の暮らしなど、ただ住んでいるだけではなかなか知り得ない情報もあり、楽しく読めた。 海外に行けない中、せっかく関東に住んでいるんだから、海外の雰囲気を味わいに訪れてみたいな。本格派の現地料理食べたい。

Posted byブクログ

2020/12/05

日本には今、数十年前には考えられな買ったほどの多くの外国人が住んでいる。それらの人々は様々事情があったり、または夢を実現するために日本に来て就労している。就労している外国人が多いということは、日本の社会がすでに外肛人の力に依存して成り立っているということである。この本は関東の様々...

日本には今、数十年前には考えられな買ったほどの多くの外国人が住んでいる。それらの人々は様々事情があったり、または夢を実現するために日本に来て就労している。就労している外国人が多いということは、日本の社会がすでに外肛人の力に依存して成り立っているということである。この本は関東の様々な街にスポットをあて、その土地になぜ特定の国外国人が多く、そこで住むあるいは働く外国人がどのような人たちなのかを綿密に足で取材した本である。パキスタンの八潮、茗荷谷にシーク教徒、高田馬場のミャンマーなど有名なところも含めて14箇所の街における特定国籍の人たちの生き方を紹介してくれる。  特に意識せずに日本で生活していると、コンビニに「何人かわからない人が働いているな」程度の感想ですましてしまいがちだが、彼らには彼らの人生がある。 異口同音に日本はいい国という。もちろん不満も心配もある。この本の中でもっともシビアな状況なのが蕨市のクルド人のようだ。日本のそこかしこに見られる見えにくいガイジンの様子を伝えてくれる時宜を得た良書だった。

Posted byブクログ