「読まなくてもいい本」の読書案内 の商品レビュー
面白かった。脳科学やゲーム理論など、単語は知ってはいるけど、どんなものなのかを説明した本。きっと大学1年生の授業レベルの知識はつくのではないか。ただ、読み終えて、さあ何に生かせるのかと思うと、あれっと思う。飲み会の話題で話すには長すぎるし、そしてそこまで会得してないぞ気づく。分か...
面白かった。脳科学やゲーム理論など、単語は知ってはいるけど、どんなものなのかを説明した本。きっと大学1年生の授業レベルの知識はつくのではないか。ただ、読み終えて、さあ何に生かせるのかと思うと、あれっと思う。飲み会の話題で話すには長すぎるし、そしてそこまで会得してないぞ気づく。分かった気になるには良いかと思う。
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読まなくていい本というよりは、オススメの本を噛み砕いて教えてくれる本。 全部面白そうに感じた。オススメされた本をこれから読んでいこうと思う。
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本書は、読書案内といいながら、筆者の考える重要概念を、筆者の言葉で一通り解説している本。読まなくてもよい本が実際に書いてあるわけではない。 初めて橘氏の著作を読んだが、1959年生まれということで、自分より7年年上の先輩にあたるといえる。重要概念の説明の仕方が非常にうまく、例え...
本書は、読書案内といいながら、筆者の考える重要概念を、筆者の言葉で一通り解説している本。読まなくてもよい本が実際に書いてあるわけではない。 初めて橘氏の著作を読んだが、1959年生まれということで、自分より7年年上の先輩にあたるといえる。重要概念の説明の仕方が非常にうまく、例えば、PC(Politically Correct)のあたりの話はうまい。PCにひっかからないように、イデオロギー化する危険を指摘しているバランス感覚がある。 1複雑系 ・フラクタルをマンデルブロが考えた後で、カオス理論が出てきた。 2進化論 ・グールドの進化論批判は道義的な動機で行われたので、アカデミックには今一つ ・竹内久美子は、動物行動学者としては、まったくもって不適格の烙印 3ゲーム理論 ・ベスト&ブライテストの動きとしてのキューバ危機 ・経済学より国際政治にあてはまる 4脳科学 ・ここ(意識)がニューロンの電気的・化学的反応、すなわち物理的現象にしかすぎないことを明らかにしつつある ・行動は7秒前に予測されている ・意識に現れる「自由な心」はよくできた幻覚にすぎない ・社会科学は自然科学に統合されていく 5功利主義 ・トレードオフがある以上、すべてのひとが満足することはありえない ・正義はエンターテインメントである ・自由、平等、友愛が政治的党派のオリジン ・功利主義には進化論的基礎がない
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進路を考える前の若い世代の必読書。私自身、残念な法学部卒だ。この本を高一までに読んでいたら「理系」(この分類も時代に遅れているけれど。)を選択していたはず。
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進化論、遺伝の影響、行動経済学など新しい科学の知恵を取り込んでいない本は、世界の実情を移していないので読まなくて良い、と断言する。
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絶望とともに、希望をもたらす一書。複雑系・進化論・ゲーム理論・脳科学・功利主義という「知のビッグバン」は、諸学をそれ「以前」と「以後」とに明確に分けてしまう程のインパクトを持っていた。それ「以前」に拘泥している私は、これからどうすればいいのだろうかw
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借りたもの。 「読まなくていい本」を選別するために、知の最前線……知識や論争を挙げ、「複雑系」「進化論」「ゲーム理論」「脳科学」「功利主義」の5つの分野を取り上げ解説したもの。 昨今のグローバリズムで求められる分野についてを解説。 現代版リベラルアーツみたいなもの?だった。そうい...
借りたもの。 「読まなくていい本」を選別するために、知の最前線……知識や論争を挙げ、「複雑系」「進化論」「ゲーム理論」「脳科学」「功利主義」の5つの分野を取り上げ解説したもの。 昨今のグローバリズムで求められる分野についてを解説。 現代版リベラルアーツみたいなもの?だった。そういう点では、池上彰『おとなの教養』( https://booklog.jp/item/1/4140884312 )に通じるものがあった。 章の最後にその分野に関するブックリストがある。 世界が二元論ではない。 哲学的な内容が科学で説明される、線引きが曖昧になっていることが伝わってくる。 中には近現代で発表当時は革新的だったが失敗?に終わった?今となっては疑似科学になってしまったような古典からの言及まで。まるで施川ユウキ『バーナード嬢曰く』( https://booklog.jp/item/1/4758063710 )的な? ポストモダンの限界。ドゥールズ、ガタリ『リゾーム』(『千のプラトー』https://booklog.jp/item/1/4309463428 )からのアラン・ソーカル、ジャン・ブリクモン『「知」の欺瞞』( https://booklog.jp/item/1/4006002610 )の件は、まぁ、確かに言葉遊び(知的曲芸)か。哲学はゴミという話か…… 複雑な世界が小世界の相似系の組織化(フラクタル)からカオス理論 ダーウィンの進化論をより発展させ、ヒトが進化の頂点ではなく、多様な可能性の1つに過ぎない。当時のヨーロッパにおいて衝撃的な発見。 社会生物学という分野の発展。男女の愛の違い、生殖戦略が異なり“利害関係”が一致しないこと。 …この辺りもよく分かっていない事が多いなとしみじみ思う。 ゲーム理論の話は、ビジネス、マーケティングにも関わる話なので興味深かったのだが、人間の判断は非合理であること、統計学とビッグデータの的確な解析の必要性を理解するにとどまる。 脳科学分野に関しては、意識の問題に取り組める哲学という分野が死んだ(神は死んだ?)とする潮流を取り上げる。 脳自体のブラックボックスぶり…脳の錯覚(勝手に情報を補う)、トラウマ理論で巻き起こった災厄――記憶の改ざん――についての紹介や、フロイトのエディプスコンプレックスはデタラメである(本質ではな)なぜなら近親相姦を避けるウェスターマーク効果なるものがあること。 人間には認知的不協和があり、新しい理論を受け容れる事への抵抗がある。 自由意思の幻… どの分野も大まかな流れを掴めるが、いささか専門性に欠けるのと、全体的に批判精神(それまでの流れをひっくり返すこと)に終始している印象も受けた。
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2019年の5月に出た本。 書き方が良かったのか、とても面白くてすぐに読めてしまった。 現在の知識社会を知るには何を知ればいいのかを、 複雑系、進化論、ゲーム理論、脳科学、功利主義について簡潔にわかりやすく書いてある。 それだけだったら、☆3だけで普通の本だけど、これらが一個...
2019年の5月に出た本。 書き方が良かったのか、とても面白くてすぐに読めてしまった。 現在の知識社会を知るには何を知ればいいのかを、 複雑系、進化論、ゲーム理論、脳科学、功利主義について簡潔にわかりやすく書いてある。 それだけだったら、☆3だけで普通の本だけど、これらが一個バラバラでなく、見事に点と点を繋いで線になって統合されておて、思わずおお!となった。 まさに知のガイドブックって感じ
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読まないといけない(=読みたい)本があまりにも多すぎるこの頃。どうしたらいいのだろうと思っていたら図書館でたまたま見つけました。「なるほど!読まなくていい本を決めればいいのか!」目から鱗です。 これまでの知識の集積によって,世界の捉え方は格段に変化してきています。たとえば,...
読まないといけない(=読みたい)本があまりにも多すぎるこの頃。どうしたらいいのだろうと思っていたら図書館でたまたま見つけました。「なるほど!読まなくていい本を決めればいいのか!」目から鱗です。 これまでの知識の集積によって,世界の捉え方は格段に変化してきています。たとえば,天動説の時代に書かれた知識は,現代(地動説の時代)を適切に捉えられないわけで,現代を捉えるにはそれを捉えるために適切な知識が必要なわけです。 そういった「最先端な」知識を紹介しようと試みたのが本書です。「なるほど,ここにアクセスすればいいのだな」と唸らせられました。「読まなくてもいい本」を通して「読むべき本」を教えてくれる面白い本でした。解説の吉川浩満氏が書いていますが,「読まなくてもいい本」をさんざん読んできたからこそ,著者は「読まなくてもいい本」を選別できており,著者の優しさ溢れる一冊です。 しかし,「読むべき本」にもっとアクセスしなければと思わせられた一方,ひねくれ者の私は「読まなくてもいい本」もしっかりおさえながら「読むべき本」をおさえなければと思ってしまい...結局は読まないといけない本がただ多くなるという...。悲しいやら嬉しいやら。
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橘さんの本は好きで、よく読んでます。その博識ぶりから察するに、橘さん自身もものすごい読書家なのではないかと思います。そんな橘さんが、『現代の知を語るならこれくらいは知ってなきゃダメ』という内容を整理し、それらを学ぶために最良の書籍のリストを作ってくれました。内容は完全に『読むべき...
橘さんの本は好きで、よく読んでます。その博識ぶりから察するに、橘さん自身もものすごい読書家なのではないかと思います。そんな橘さんが、『現代の知を語るならこれくらいは知ってなきゃダメ』という内容を整理し、それらを学ぶために最良の書籍のリストを作ってくれました。内容は完全に『読むべき本』の読書案内です。タイトル後半部分の、『知の最前線を5日間で探検する』の方が内容をよく表しており、まさにこの書籍は知的探検のための最良の指南書です。本文中に、『古いパラダイムでできている知識をどれほど学んでも、なんの意味もない』と書いてあり、古い知識のいくつかが紹介されていますが、それらも歴史として学べばさらに自分の教養の引き出しが多くなると思います。ただ、膨大な知識体系を300ページの本1冊でまとめようという野心的な書ですので、やはり説明は簡素ですし、橘さんの私見も多分に入っていますので、やはりこの本を読んで終わりにするのではなく、紹介されている多くの本にチャレンジしてみるべきだと思います。 何にしても、おススメの本です。
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