フィンランド語は猫の言葉 の商品レビュー
2024年32冊目 稲垣美晴さん/フィンランド語は猫の言葉 1970年代のお話とは思えない、楽しい留学体験記エッセイ。 フィンランド語の複雑さ/難しさに悪戦苦闘する様子だけでなく、日常生活の描写もほのぼのしていて好きです。 #読了
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表題への?と北欧への興味から読み始めた。 筆者の留学生活について、言語に重きを置いて書かれていた。 外国での生活は、彼女の圧倒的な努力によって色づいたものなのだと感じた。 現地の人との関わりや、寒さに対しての言及があった章が特に印象深かった。 私は、恥ずかしながら留学について抽象...
表題への?と北欧への興味から読み始めた。 筆者の留学生活について、言語に重きを置いて書かれていた。 外国での生活は、彼女の圧倒的な努力によって色づいたものなのだと感じた。 現地の人との関わりや、寒さに対しての言及があった章が特に印象深かった。 私は、恥ずかしながら留学について抽象的なイメージしか持っていないが、やはり楽しさと共に、些細な所で感じる言語の壁や望郷の念など様々な苦悩があるのだと思う。 フィンランドに関して特に何も知識はなかったが、さほど専門的な内容はなく、楽しく読めた。
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フィンランドはトランジットで一度降り立ったきりだが、外が真っ暗だったにも拘らず何故かほっこりしたのを覚えている。「乗り換えと言わず、いつかこの国でガッツリ過ごしてみたい」と思ったのも。 その後もSNSでフィンランドの幻影を追い続けていた中で、akikobbさんに本書をご紹介いただ...
フィンランドはトランジットで一度降り立ったきりだが、外が真っ暗だったにも拘らず何故かほっこりしたのを覚えている。「乗り換えと言わず、いつかこの国でガッツリ過ごしてみたい」と思ったのも。 その後もSNSでフィンランドの幻影を追い続けていた中で、akikobbさんに本書をご紹介いただいた。(有難うございます^ ^♪) 留学のため1970年代後半に渡芬(漢字表記にすると「芬蘭土(フィンランド)」)した著者の、フィンランド語奮闘記。…だけでなく、現地での生活模様や文化の違いが赤裸々に明かされている。 それなりに厳しい面もあっただろうなーと感じることもあったが、ますます彼の国への憧れを募らせる運びとなった。 「三年近く住んでいたが、いやなことは何もなかった。ただ、脳ミソの中に少しバターが混ざったかな、という感じだけだ」 こんな感じの程々にユルくて、(自分が冒頭で感じたような)ほっこりする留学生活を目の当たりにすれば、誰だって憧れを募らせるだろう。ついでに自分は著者のどっしり構える精神にも惚れました。 本書の解説を担当された言語学者の黒田龍之介氏は、やはりフィンランドの言語システムに興味津々だった。氏は氏でフィンランド語への憧れが増大しているようだ。 母音音素が8つあって日本人には発音しやすいが、Rの発音は巻き舌が必須。(著者同様、巻き舌が苦手な自分は終始涙目になると思う…) 三人称単数系がたった一つしかないため「彼」か「彼女」か性別が分からないことがある。 あの文体からかそこまでがむしゃらな感じはしなかったけど、翻訳アプリもなかった時代にこうしたハンデを乗り切るには、絶対本には書ききれないほどの勉強量があったはず…。 フィンランドの方言や古代語の学習に取り組むなど、チャレンジの幅も凄い。更には趣味とはいえ、フィンランド語でモダンバレエやピアノを習おうとしてみたりと、外国に住むとここまでアクティブになれるものなのか…と感嘆する。 何もかも熱心に吸収するこの姿勢こそが、真の留学と呼べるのかしらん。 姿勢といえば、厳寒をマスターしていくところも面白かったし勉強になったな。 例えばサウナ。学生寮やアパートにある共同サウナでのエピソードは読んでいるこっちも温まってきた。お隣のおばさんと退室後に食事を共にしたりと、充実したサウナーライフも満喫していたようだ。(アクシデントで退室できなくなった話には冷や汗をかいたが…) 他にも寒暖計を確認せずに零下何度かを当てる「マイナスごっこ」をしてみたりと、寒さをマスターするどころか手懐けているように見えた。 「もし今誰かに、フィンランド語は難しいかときかれたら、『いいえ、ゲームのように楽しいわ。だって文法が十分に複雑なんですもの』と答えるだろう」 ふと思う。フィンランドには刺激が少ないと仰っていたけど、生きていく上で必要な分の刺激は語学学習で摂取されていたんじゃないかと。それも無意識のうちに。
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渡芬という言葉初めて聞いた、、 フィンランド語はとてもとても難しそう それを著者は必死に勉強してフィンランド語で論文も書けるようになってすごいなと、、 フィンランド語で相槌をニーンニーンとうつから 猫みたいだということ
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作者さん、感受性が豊かで想像力が豊かで、何より真面目な人なんだなあという印象。こうやって知らない国に打ち解けてゆけるのはとてもスゴいと思う。 「フィンランド語は猫の言葉」という同タイトルのフィンランド語で書いたという作文、どんな内容なのか読んでみたい。フィンランド語が読めたらなあ...
作者さん、感受性が豊かで想像力が豊かで、何より真面目な人なんだなあという印象。こうやって知らない国に打ち解けてゆけるのはとてもスゴいと思う。 「フィンランド語は猫の言葉」という同タイトルのフィンランド語で書いたという作文、どんな内容なのか読んでみたい。フィンランド語が読めたらなあ。 あ、フィンランド語の会話を聞いてみたら良いのかな?聞いてみようかな。森と湖の国のお話。
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読んでいるうちにすごく古い本なのかな、と思ったらなんと1981年に最初の版が出たものみたい。 1970年代にフィンランドの大学に留学して孤軍奮闘する著者のエッセイ。 今日本では北欧ブームで、フィンランドなども何となく馴染みのある国となっているけれど、当時はインターネットもなければ...
読んでいるうちにすごく古い本なのかな、と思ったらなんと1981年に最初の版が出たものみたい。 1970年代にフィンランドの大学に留学して孤軍奮闘する著者のエッセイ。 今日本では北欧ブームで、フィンランドなども何となく馴染みのある国となっているけれど、当時はインターネットもなければフィンランド語学習書が日本で一冊しかなかった時代のよう。そのような時代の留学は大変苦労されただろうなと想像できる。 このエッセイでは軽い内容だけでなく、フィンランド語の言語学的なものにも少し触れているので、結構重厚感ある内容。ただ著者のユーモアで楽しく読むことができた。 フィンランド語、少し興味があったけどこの本を読むと物凄く難しそう…
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このごろフィンランドのエッセイを立て続けに読んだので、もやもやと一緒くたになっていた北欧の中から、フィンランドがぬっと立ち上がってイメージができました。 家具やインテリアのイメージしかなかったけれど、言葉や生活の話を読むと突然身近な存在に感じます。 稲垣さんの言葉はリズムが良く...
このごろフィンランドのエッセイを立て続けに読んだので、もやもやと一緒くたになっていた北欧の中から、フィンランドがぬっと立ち上がってイメージができました。 家具やインテリアのイメージしかなかったけれど、言葉や生活の話を読むと突然身近な存在に感じます。 稲垣さんの言葉はリズムが良くってとても読みやすかったです。 フィンランドへの愛がひしひしと伝わってきて、ものすごくいいところなのでは、と思えて、とっても渡芬したくなります。 それに、きっと稲垣さん、謙遜されてますが、すごく勉強家だし、頭が良い方なのだろうという、人柄の良さに惹かれる本でした。 いまでは割と留学が普通で、留学していた友達も何人もいるのですが、ここまで一生懸命勉強してきた学生は見たことがありません。 懸命に打ち込んだことで見られる景色を見せてもらえた気がして、妙な達成感を味わえます。 子どもが海外に興味を持ったら勧めたい本になりました。
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1970年代に単身でフィンランドに留学(渡芬)したエッセー。 フィンランドに行くことを、渡芬って言うらしい。 フィンランド語の学習を通して出会った、現地の文化・風習が詳しく描かれている。冬になると海の上を歩く話や、コーヒーの受け皿の使い方の話、お城のようなホールで一人暮らしをし...
1970年代に単身でフィンランドに留学(渡芬)したエッセー。 フィンランドに行くことを、渡芬って言うらしい。 フィンランド語の学習を通して出会った、現地の文化・風習が詳しく描かれている。冬になると海の上を歩く話や、コーヒーの受け皿の使い方の話、お城のようなホールで一人暮らしをした話など、刺激的だった。なかなかバイタリティーに溢れる人だと思う。 また、筆者が自分だけ授業についていけず泣いた話や、英和辞典と英芬辞典の2冊を駆使しながら日々勉強していた話、フィンランド各地の方言やエストニア語まで同時に学んでいた話を読んで、英語だけで何年も苦労している自分が恥ずかしくなった。 母語以外の言語を、現地滞在の経験無しで継続して学習するためは、モチベーションが必要。私の場合、隙間時間を見つけて英語を学習しているが、趣味のレベルにすぎない。残念ながら、海外赴任の希望は叶わなかったし、英語を使う機会も無い。怠けようと思えば怠けられるので、つかず離れずの中途半端な学習を続けてしまい、何年たっても上達しない。時々「どうせ自分は仕事で海外には行けない。語学学習は意味が無い。」と投げ出したくなる。 この本の最後に、筆者は「語学を勉強するために苦しかった経験が、すべて優しさに還元されればそれでいい。生きるってそういうことだと思う。」と述べている。本気で学べば苦しさが伴うもの。私は筆者のような環境に居るわけでもなく、趣味での語学学習にすぎないが、この本を励みに、コツコツ続けていきたいと思う。語学学習を通して、他者を受け容れる、広い心を持てるようになりたい。
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著者のフィンランドでの学生生活をかかれた作品です。ただただ、著者の勤勉さに感心していました。フィンランド語は猫の言葉も読み進めていくとわかります。寝る前にkindleで本書を読むのがここ最近の楽しみでした。楽しく読めました。
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大変軽妙文章で、しかも細かく区切られていることもあって、非常に読みやすかったです。 もっとエッセイ寄りかと思っていたのですが、フィンランド語そのものについてかなり詳しい分析があり、文芸書としての読み応えもあったように思います。 北へ行きたい人は死に対する思いがあるというのはなる...
大変軽妙文章で、しかも細かく区切られていることもあって、非常に読みやすかったです。 もっとエッセイ寄りかと思っていたのですが、フィンランド語そのものについてかなり詳しい分析があり、文芸書としての読み応えもあったように思います。 北へ行きたい人は死に対する思いがあるというのはなるほど、と思った点。思えば私も北に惹かれる気がします。笑
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