アンソロジー 嘘と約束 の商品レビュー
色んな嘘と色んな約束があるなぁ…いつもより少しも長めの物語が六篇。どの物語もその後の受信側たちの人生にぼーっと想いを馳せてしまうような、もどかしさと幸せを願う気持ちがない交ぜになるようなものだった。福田和代さん、長編読んでみようかな。
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特に「ホテル・カイザリン」の話が好きだった 同じホテルで日常を忘れる女性同士として知り合う鶴子と愁子。ホテルの部屋の名前にもされているシェイクスピアの戯曲、マクベス。鶴子の過去、現在。月に一度ホテルで愁子に会うことを楽しみにしていた鶴子。夫や父親のせいで罪を被せられてきた鶴子が最後、ホテルを燃やす罪を自ら犯すところが好き
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アミの会(仮) のアンソロジー第六弾にして七冊目の本作。 「自転車坂 松村 比呂美」「パスタ君 松尾 由美」「ホテル・カイザリン 近藤 史恵」「青は赤、金は緑 矢崎 存美」「効き目の遅い薬 福田 和代」「いつかのみらい 大崎 梢」 全6話収録。 ゲストを招いての回もあったが、...
アミの会(仮) のアンソロジー第六弾にして七冊目の本作。 「自転車坂 松村 比呂美」「パスタ君 松尾 由美」「ホテル・カイザリン 近藤 史恵」「青は赤、金は緑 矢崎 存美」「効き目の遅い薬 福田 和代」「いつかのみらい 大崎 梢」 全6話収録。 ゲストを招いての回もあったが、やはり女性作家のみの今回の方がまとまりがあって読みやすかった。 お気に入りは近藤さんの「ホテル・カイザリン 」 短編ならではのキレがある。 松村さん、松尾さんの作品も面白く、矢崎さんの話では少ししんみり。 「嘘」と「約束」から広がる物語を堪能出来た。
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後書きのパフェを食べた純喫茶はどこですか。。 松村比呂美「自転車坂」 時系列が変わる作品を読むと思い出す作品があるのだが、タイトル思い出せない。。 眠ると記憶を失う殺し屋男性と、ロングヘアの若い女性で風俗店でミルクという名で働く女性と、誤った判断をして、結果若い女性の代わりに男性と同居するショートカットの女性。なんだっけなぁ。。 松尾由美「パスタ君」 それこそコロナ禍で生活が一変した家庭も多いのだろう。二人の夢が実現しないところもまた、今回のテーマにかかる。 小学生時代、今から思うと先生や親、大人からしたらバレバレの嘘をついていたのだろうな。恥ずかしい。。 近藤史恵「ホテル・カイザリン」 自転車レースやフランス料理店のお話が好きなので、アミの会での作者の作風の違いに驚く。 読み終えて、 声をかけてきたクラスメイトは主人公の諸々を知っていたわけだから、「人違い」だとしてくれた女性には ひょっとしたら無自覚だけれど、深く、刺さったのかもしれない。。 矢崎存美「青は赤、金は緑」 そうなのか。知らなかった。 主人公の正直さがちょっと面白い。 婚活や自己紹介で記憶に残らない質問と回答をするくらいなら その人の興味ある事とか、人となりが分かる質問をすればいいのに、といつも思う。 福田和代「効き目の遅い薬」 コナン君の整形したマネージャーとバンドマンの話を思い出した。素直って難しいけど、でもここぞというタイミングでは必要。。問題はそのタイミングに気づけるかだが。。 大崎梢「いつかのみらい」 これまたタイトルが思い出せないが、 ある女性が散歩していたら「見つけた!!」と運転してる老男性に叫ばれたが、その瞬間同乗した妻と事故で夫婦揃って死亡され 何だったのか、別の女性と間違えたのでは、特徴的な髪型=美容院で聞きこんだりして真相がわかる、という小説を思い出した。 多分自分が関わっても謎は解けず、最悪謎とすら気づかずに終わるのだろうなぁ。。
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アミの会(仮)さんの短編集、やはりおもしろい…! いくつかある作品の中でも、 『迷』『惑』に引き続き、タイトルが気になり購入。 どのお話も、嘘と約束が静かに、ふんだんに、広がっていました。 嘘って必ずしも悪いものではないし、 約束って必ずしも良いものではない、と漠然と思って...
アミの会(仮)さんの短編集、やはりおもしろい…! いくつかある作品の中でも、 『迷』『惑』に引き続き、タイトルが気になり購入。 どのお話も、嘘と約束が静かに、ふんだんに、広がっていました。 嘘って必ずしも悪いものではないし、 約束って必ずしも良いものではない、と漠然と思っていたけど、 その2つが絶妙な匙加減で交ぜられていて、 読後は不思議と穏やかな気持ちになりました。 特に「自転車坂」がパラレルワールドのような展開の仕方で、引き込まれました〜。
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どの話も面白かった。 最後の話、解決まで至らなかったのが少し残念。余白がある良さはあるけど… 前回読んだ「隠す」には裏テーマがあったから、こんかいもあるかなぁと思って意識して読んだけれど、あとがきを見るに無かったらしい。個人的に「赤」だと思った。
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2つがテーマの作品です。 ちゃんと2つとも入っています。 で、飛び切りおっかないというか意味が分かった瞬間に ぞっとする作品が1つ含まれています。 それが一人の嘘つき少年(?)のお話。 これは一見すると普通のお話のように流してくる部分は これから来る結末を示唆しています。 伏線も実はあったような… あとは最初の作品。 これは嘘の部分が強烈。 こういうことをする人たちによって傷ついた人が 出てくるけど、その職業がまた面白いんだよね…
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破られない約束はない。ばれなければ嘘ではない──。これは、人生のスパイス。様々なアレンジで、お目に掛けます。実力派女性作家集団による書下ろしテーマ・アンソロジー。毒が含まれています。少しずつ、お読みください。 パスタ君が一番好みでした。誰が聞いても嘘とわかる嘘を真顔で語るパスタ...
破られない約束はない。ばれなければ嘘ではない──。これは、人生のスパイス。様々なアレンジで、お目に掛けます。実力派女性作家集団による書下ろしテーマ・アンソロジー。毒が含まれています。少しずつ、お読みください。 パスタ君が一番好みでした。誰が聞いても嘘とわかる嘘を真顔で語るパスタ君の心情を考えると胸がザワザワしました。
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アミの会(仮)によるアンソロジー第6弾。 「自転車坂」松村比呂美、「パスタ君」松尾由美、「ホテル・カイザリン」近藤史恵、「青は赤、金は緑」矢島存美、「効き目の遅い薬」福田和代、「いつかのみらい」大崎梢 全体的に良い話系。 「効き目の遅い薬」惚れ薬の話。登場人物それざれのとぼけた...
アミの会(仮)によるアンソロジー第6弾。 「自転車坂」松村比呂美、「パスタ君」松尾由美、「ホテル・カイザリン」近藤史恵、「青は赤、金は緑」矢島存美、「効き目の遅い薬」福田和代、「いつかのみらい」大崎梢 全体的に良い話系。 「効き目の遅い薬」惚れ薬の話。登場人物それざれのとぼけたような語り口と皮肉な結末、一番面白かった。 (図書館)
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+++ 破られない約束はない。ばれなければ嘘ではない──。これは、人生のスパイス。様々なアレンジで、お目に掛けます。実力派女性作家集団による書下ろしテーマ・アンソロジー。毒が含まれています。少しずつ、お読みください。 +++ 「自転車坂」松村比呂美 「パスタ君」松尾由美 「ホテ...
+++ 破られない約束はない。ばれなければ嘘ではない──。これは、人生のスパイス。様々なアレンジで、お目に掛けます。実力派女性作家集団による書下ろしテーマ・アンソロジー。毒が含まれています。少しずつ、お読みください。 +++ 「自転車坂」松村比呂美 「パスタ君」松尾由美 「ホテル・カイザリン」近藤史恵 「青は赤、金は緑」矢島存美 「効き目の遅い薬」福田和代 「いつかのみらい」大崎梢 どの物語もとてもよかった。誰もが持ち得るうしろめたさや、負の感情が、さりげなく練り込まれ、表面からはうかがい知れない深いところへ直に届くような心地がする。ひとつ物語を読み終えるたびに、悪だくみを共有した気分で「ふふっ」と笑みがこぼれたりもする一冊である。
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