アンソロジー 嘘と約束 の商品レビュー
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やっぱりアミの会 はいい。 今回も粒ぞろいの作品たち。 好みから言えば、最後の大崎さんのいつかのみらいが一番好き。 謎の女性に失踪した老女。 不気味な雰囲気がきれいにまとまってよかった。 最初の自転車坂も、思いがけない展開ににっこり。 最初のあの話がそう繋がるとは。 青は赤、金は緑も可愛くて微笑ましい。 効き目の遅い薬、真実はいかに。 人の心はわからない。 苦しいね。
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アミの会(仮)による、六編の物語。 今回のテーマは、タイトル通り、嘘と約束なので、これまたワクワクする。 「パスタ君」は、蓮田君と「ぼく」の物語。 転校生の蓮田くんは、パスタが好きだから、おじいちゃんがハスダって名前にしちゃったんだ、と自己紹介した。 幾ら何でも、の嘘だ。 でも...
アミの会(仮)による、六編の物語。 今回のテーマは、タイトル通り、嘘と約束なので、これまたワクワクする。 「パスタ君」は、蓮田君と「ぼく」の物語。 転校生の蓮田くんは、パスタが好きだから、おじいちゃんがハスダって名前にしちゃったんだ、と自己紹介した。 幾ら何でも、の嘘だ。 でも、彼はなぜそんな嘘をついたのだろう? 遊びにおいでよ、なんて言うから同じ方向だし、と家の前に行ったのに、結局入れてくれなかったのはなぜだろう? もしや、と「ぼく」はある考えに至る。 想像は、想像だからこそどこまでも恐ろしい方向に転がる。 そして「ぼく」の家にも、事件が起きる。 切なさと、苦さの混じる物語だった。 最後の一文は、そんな中で、成長を感じさせるものであった。 近藤史恵も、大崎梢もよく読む作家だ。 それぞれ、「ホテル・カイザリン」「自転車坂」が収められており、持ち味が出ているように思った。 次はどうなる、どっちの方向に物語が進む、いろいろ行き先を考えるのも楽しいが、ただ物語の流れに身を任せ、没頭するのも悪くない。 次はどんなアンソロジーになるかな。 ゲストは来るかな。 次回もあるようなので、またその日を待つことにしよう。
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破られない約束はない。ばれなければ嘘ではない──。これは、人生のスパイス。様々なアレンジで、お目に掛けます。実力派女性作家集団による書下ろしテーマ・アンソロジー。毒が含まれています。少しずつ、お読みください。
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