江戸の子どもの絵本 の商品レビュー
江戸時代の子どもたちはどんな絵本を読んでいたのか? 江戸時代中期の「草双紙」、中でも子ども向けの御伽物の赤本から 4作品を選び、読み易く翻刻したものを紹介している。 「桃太郎昔語」「きんときおさなだち」「兎大手柄」「寺子短歌」 資料として「桃太郎」「キンタラウ」(巌谷小波) 「か...
江戸時代の子どもたちはどんな絵本を読んでいたのか? 江戸時代中期の「草双紙」、中でも子ども向けの御伽物の赤本から 4作品を選び、読み易く翻刻したものを紹介している。 「桃太郎昔語」「きんときおさなだち」「兎大手柄」「寺子短歌」 資料として「桃太郎」「キンタラウ」(巌谷小波) 「かちかち山」(浜田広介)「浮世風呂」二巻巻之上より(式亭三馬) 「小野篁歌字尽」 資料編解説、参考文献一覧、詳しい凡例、変体仮名一覧表有り。 回春譚の「桃太郎昔語」 動物たちを手下にし、雷の太鼓まで奪う「きんときおさなだち」 殺されたお婆さんの骨が流しの下に!「兎大手柄」 そして寺小屋の様子といろはの教訓尽くしの「寺子短歌」 江戸時代中期の絵本は、絵が中心で言葉は仮名書きの話言葉。 なんかマンガのような既視感。 これが明治へ時が移る頃には物語に。 「浮世風呂」では、当時の寺小屋や子どもたちの様子。 「小野篁歌字尽」は「寺子短歌」に登場する当時の往来物(教科書)。 「草双紙」と資料を比較して読むのも面白いし、 当時の風俗や生活を垣間見るのも楽しい。なかなかの良書です。
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