1,800円以上の注文で送料無料

戦後最大の偽書事件「東日流外三郡誌」 の商品レビュー

3.9

22件のお客様レビュー

  1. 5つ

    5

  2. 4つ

    8

  3. 3つ

    6

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2019/03/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『戦後最大』と言われる偽書事件『東日流外三郡誌』を、最初期から取材を続けていた記者が総括したノンフィクション。 『東日流外三郡誌』については、オカルトブームの中でたびたび取り上げられていたので、オカルトやトンデモ好きの人間の中では割と知られたタイトルだった。恐らくは『発見者』の手によるであろうこの『東日流外三郡誌』が、如何にして『資料』という地位を獲得していったか、そしてアッサリと転落していったか……というストーリーは予想以上にスリリングだった。 ところでこの『東日流外三郡誌』、まぁ、トンデモの類なのは間違いなく、出来上がった『古文書』のクォリティもどうよ……ではあるのだが、変な愛嬌があってどうにも憎めない。同じ詐欺をするにしたって、『偽書作成』ってそこまでオイシイか? 手段を『詐欺』に限定しても、もっと手っ取り早く稼げる方法は少なからずあるだろう。それを敢えて『偽書』という手段を選び、出土品ゴロみたいなことをしつつ、コツコツと『それっぽいもの』を作り続けた和田喜八郎という人物、相当面白いと思うのだけど。何も語らずに亡くなってしまったのは残念だ(詐欺師がタネ明かしをしてしまったらオシマイだけれど)。

Posted byブクログ

2019/03/28

旧版を久々に読み返していたら、加筆修正版が出ているとのことで早速買い直し。 昨今SNSなどで「少数派信仰」が散見される。相撲や体操やアニメ監督やプロ格闘ゲーマー等々枚挙に暇がないこれらも、外三郡誌同様、真偽を見極める材料など持たない人たちの「少数で多数と闘うのはカッコイイ」とい...

旧版を久々に読み返していたら、加筆修正版が出ているとのことで早速買い直し。 昨今SNSなどで「少数派信仰」が散見される。相撲や体操やアニメ監督やプロ格闘ゲーマー等々枚挙に暇がないこれらも、外三郡誌同様、真偽を見極める材料など持たない人たちの「少数で多数と闘うのはカッコイイ」というイメージ先行の賛美に過ぎない。 物事の是非を印象で決めてはいけない。じゃあどうすればいいのか、信じるに足るものはどこにあるのか…言ってしまえば、この本だって偽書の可能性が全くないとは言えないんじゃないか?…というのは冗談としても、そうした考えは常に念頭においておきたい。 追加された章については、Wikipediaの引用というジャーナリストらしからぬ内容になっており残念。裏は取ってるのか知らん。

Posted byブクログ