往復書簡 無目的な思索の応答 の商品レビュー
又吉さんの『火花』の書評を武田さんが書いたことをきっかけに交流が始まったけれど そこまで急速に仲が良くなったわけでもない距離感の二人が 相手の文章から想像したり、思い出したり、ときに質問したりと あまりがっつり組まずに往復したエッセイ。 分量もさほどないのに、いろいろ考えがめぐる...
又吉さんの『火花』の書評を武田さんが書いたことをきっかけに交流が始まったけれど そこまで急速に仲が良くなったわけでもない距離感の二人が 相手の文章から想像したり、思い出したり、ときに質問したりと あまりがっつり組まずに往復したエッセイ。 分量もさほどないのに、いろいろ考えがめぐるような内容で、 二人の淡々とした文体が丁度よく、気持ちよく読んだ。 又吉さんが武田さんにメールを送ったのが、 ちゃんと書評されていたからという理由なのに驚く。 読まずに批判されることが多いらしく、それほど空しいことってない。
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各書簡、必ず見開き2ページ(36字✕28行)に収まっているので読んでいて心地よい。なぜかと思ったら元は新聞連載なんですね。この濃度のやり取りを2週間に1回続けていたのか、という事実にも驚く。 ぱっと無作為にページを開いて読むと、砂鉄さんが書いたのか又吉さんが書いたのかわからない。...
各書簡、必ず見開き2ページ(36字✕28行)に収まっているので読んでいて心地よい。なぜかと思ったら元は新聞連載なんですね。この濃度のやり取りを2週間に1回続けていたのか、という事実にも驚く。 ぱっと無作為にページを開いて読むと、砂鉄さんが書いたのか又吉さんが書いたのかわからない。それくらい文体も思考の流れも似ているおふたり。でも面識はなかったそうだし、往復書簡を交わすことで《友達になるとか、そういうことにもならなさそうだ。:武田》らしい。そんなふたりだからこそ、ぬるま湯に浸かって交わす会話のような、そのお湯から出てなんとなく始めるピンポンのような馴れ合いではなくて、もっと火傷しそうなやり取りもしてほしかったな。砂鉄さんの『劇場』に性描写を一切入れなかったのはなぜかとの問いに、又吉さんが少しムキになって(と私には思えた)返答し、その返答を読んで砂鉄さんが反省する(と私には読めた)という流れには痺れました。こういうやり取りって、お友だち同士の往復書簡では発生しないと思うので。
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期待に反してあまり響かず 一便が短すぎるためやり取りが深まらず、往復書簡の良さを活かせていないと感じた 2016-2018に交わされた書簡 本になるのが時間かかったのも、さもありなん もちろんさすがはこの2人で、輝く一文があったりはするのだが。
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無目的とタイトルにある通り、大きな命題がないともすれば曖昧なやり取りなんですが、印象的なことばだったり考えだったりが所々にあってメモしながら読みました。日頃ふと考えることも、もっと覚えておけるようにしたいなとなんとなく思いました。あと日頃、何も考えずに受け入れてしまっている色々な...
無目的とタイトルにある通り、大きな命題がないともすれば曖昧なやり取りなんですが、印象的なことばだったり考えだったりが所々にあってメモしながら読みました。日頃ふと考えることも、もっと覚えておけるようにしたいなとなんとなく思いました。あと日頃、何も考えずに受け入れてしまっている色々なことも、それでいいのか?みたいな視点はもっていたい。 ふわっとしてる感じが心地よくて面白かった。 武田さんの本は何冊か読んだけど、又吉さんの本もちゃんと読んでみたいなと思った。
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これは面白い組み合わせ。そして、期待に違わぬ興味深いやり取りが繰り返される。往復書簡ってそういうものなのかもしれないけど、真正面から返し合うのでなく、受けた文面から自分の思索があちこち飛び交い、場合によってはだいぶ距離のある観点からの返書となる。その過程をあれやこれや考えるだけで...
これは面白い組み合わせ。そして、期待に違わぬ興味深いやり取りが繰り返される。往復書簡ってそういうものなのかもしれないけど、真正面から返し合うのでなく、受けた文面から自分の思索があちこち飛び交い、場合によってはだいぶ距離のある観点からの返書となる。その過程をあれやこれや考えるだけでも楽しい。求・続編。
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二人の頭の中を少し覗けたようで面白かった。同じような出来事でも、こういう捉え方をするんだと新鮮に感じたり、確かにそうだなとハッとさせられたりする文章が多くて良かった。特に又吉さんの感性は優しく時に独特で、本を読んで面白くないと感じてもそれは自分が面白さをわからなかっただけじゃない...
二人の頭の中を少し覗けたようで面白かった。同じような出来事でも、こういう捉え方をするんだと新鮮に感じたり、確かにそうだなとハッとさせられたりする文章が多くて良かった。特に又吉さんの感性は優しく時に独特で、本を読んで面白くないと感じてもそれは自分が面白さをわからなかっただけじゃないかと思うと言っていたのが印象的だった。
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もう本当に、わたしは又吉さんの文章が好きすぎる。 砂鉄さんも気になっていたのでこれは読まねば…!と手にとった。 最後のやりとりで砂鉄さんがこの往復書簡を「違和感を嗜むやりとり」と表現されていたのが、とってもしっくりきた。 こういう感覚って私にもあるけど、こんなに解像度高く文章...
もう本当に、わたしは又吉さんの文章が好きすぎる。 砂鉄さんも気になっていたのでこれは読まねば…!と手にとった。 最後のやりとりで砂鉄さんがこの往復書簡を「違和感を嗜むやりとり」と表現されていたのが、とってもしっくりきた。 こういう感覚って私にもあるけど、こんなに解像度高く文章にできるって本当にすごいことだな… 又吉さんのやさしい文面と、砂鉄さんのちょっとチクッとするような文面の対比はありつつ、思考のベクトルが似ているおふたりなので、お互いの思考が混ざり合うようで面白かった。
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学生時代にしていた交換ノートを思い出した。 どうでも良い話だったり、日常の引っかかりなど、 読んでて楽しかった。
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考え続ける二人。しかも、考え続けた挙句の答えがゴールではないとは、なんというタフネス! それゆえか本書でも、二人が何某かの結論に向かうという事はなく、思考を絡め合い喚起し合いつつも同調性を求めない。 装丁がその世界観を表している、なーんて直ぐに分かったようなことを言いたがる私のよ...
考え続ける二人。しかも、考え続けた挙句の答えがゴールではないとは、なんというタフネス! それゆえか本書でも、二人が何某かの結論に向かうという事はなく、思考を絡め合い喚起し合いつつも同調性を求めない。 装丁がその世界観を表している、なーんて直ぐに分かったようなことを言いたがる私のようなおっちょこちょいには、とても辿り着けそうにもないステージだ。
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あっという間に読んでしまったが、あっという間に読める本ではない。頭のいい人は、すぐ理解できると思うけど、私にとって何度も何度も読み返したい本。
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