往復書簡 無目的な思索の応答 の商品レビュー
『自分の名前で文章を書くことは、身体に文字を彫ることと似ている』と又吉さんは言う。 その言葉の重みに圧倒されてしまいました。 人の心はうつろうし、考えることだって日々変わっていく。 又吉さんにとって文章を書くというのは、その時その時の思いをちょうどいい熱量で 自意識と闘いながら言...
『自分の名前で文章を書くことは、身体に文字を彫ることと似ている』と又吉さんは言う。 その言葉の重みに圧倒されてしまいました。 人の心はうつろうし、考えることだって日々変わっていく。 又吉さんにとって文章を書くというのは、その時その時の思いをちょうどいい熱量で 自意識と闘いながら言葉にしていくという作業なのだろう。 その途方もない困難さが、『スリジャヤワルダナプラコッテ!!(スリランカの首都)』と叫ぶ小学生の話に笑っているうちに、泣き笑いのように伝わってくるのです。 分かりやすい思考の方程式や、世の中が提示してくる『正解』を許さない二人のやりとりは 読んでいてとても刺激的で楽しかったです。
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『火花』の又吉直樹と『紋切り型社会』の武田砂鉄による往復書簡。 相手の手紙への完全な応答とも言い切れない返信で、思索を発展させ進んでいく感覚が、1人で考えている状態を再現・言語化してくれているような本。
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2019年4月8日読了。 武「声って」 又「読んでない人からも批判されるのは僕くらい」 武「ああだこうだ」 又「“今日、調子いいね”という呪縛」 武「夜に馴染む」 又「妖怪ケンムン」 武「本音ベース」 又「機嫌悪いわけじゃないよ」 武「(笑)の入れ方」 又「リアルってなんや」 武...
2019年4月8日読了。 武「声って」 又「読んでない人からも批判されるのは僕くらい」 武「ああだこうだ」 又「“今日、調子いいね”という呪縛」 武「夜に馴染む」 又「妖怪ケンムン」 武「本音ベース」 又「機嫌悪いわけじゃないよ」 武「(笑)の入れ方」 又「リアルってなんや」 武「主観の操縦」 又「えん」 武「偶然ってどこから」 又「刺激と反応」 武「イケてる人」 又「あいまいな記憶」 武「最近評判悪いよ」 又「キスしたことある?」 武「早生まれだけど学年は一緒」 又「松坂世代らしい」 武「不便を残す」 又「“無駄”が楽しい」 武「マッサーヅマッサージ」 又「“マタキチ”って呼ぶ人」 武「状況選択能力」 又「フリ」 武「さびしさを鳴らす」 又「得意げに“意味わからん”と言う人もいるし」 武「“でしょー”」 又「楽はしない」 武「俯瞰と起爆」 又「“自然”と“不自然”」 武「トリミング癖」 又「削って語る」 武「池谷幸雄である必然性」 又「パターン化された理屈」 武「接続の横柄さ」 又「都合の良い接続」 武「街に転がる決断」 又「会議の“流れ”」 武「偏愛の屍」 又「ずるい」 武「斬新と言われても」 又「悔しくてクワマン」 武「スリジャヤワルダナプラコッテ」 又「初体験」 武「“面白い”を探す」 又「好きなようにやる」 武「“好き”が揺れ動く」 又「迷う」 武「イイ感じに思われる」 又「結局、自分で考える」 武「終わらせ方って難しい」 又「“終わり”にも続きがある」
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例えば〇〇が結婚した、〇〇が転職した、とか具体的な噂話が聞きたいんじゃなくて、ではそこから派生する、例えば結婚観や仕事観というと大袈裟だけど、そういう概念的な抽象的な話が好きな自分にはとても好きな本。 まさに「無目的な思索の応答」が好きなので、心地よかった。
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