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あたしたちよくやってる の商品レビュー

3.6

42件のお客様レビュー

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2022/08/12

コラムや掌編、様々なメディアで掲載された34編の作品集。 通ずるテーマは「女性たち」。 青春時代はそこそこ昔で、人生を達観するほど、年齢を重ねてもいない。 結婚、出産、仕事、気が付いたらそれぞれのステージに進んでいて かつてのように分かり合える、単純さは失われていく。 生活は便利...

コラムや掌編、様々なメディアで掲載された34編の作品集。 通ずるテーマは「女性たち」。 青春時代はそこそこ昔で、人生を達観するほど、年齢を重ねてもいない。 結婚、出産、仕事、気が付いたらそれぞれのステージに進んでいて かつてのように分かり合える、単純さは失われていく。 生活は便利になり、家族観や女性観、経験も大きく変わった。 軽やかに乗りこなすために、人生を楽しむために、知らなくてはいけないことが多すぎる。 特に好きなのは、「50歳」。 10年後の身近な未来、高齢者の事故増加に伴い、政府は高齢者の運転を禁止する。 移動手段を失った人々のため、またデジタル化により、職を失った人の救済もかねて 「移動手段のない高齢者を対象にした買い物難民救済策に於ける補助職員」がおかれた。 主人公の私は市役所から、この「補助職員」として雇用されている。 「私」の一日に登場するのは支援される高齢者、見習いとして同乗する20代の女性。 世代間の違いは明白だ。 「私」は描いた未来と違う「現在」に対して、悲観もせず、 それぞれの世代を見守る目があたたかい。分かり合えないことを分かったうえで、それぞれの世代に対峙する。若い時には利己的で、多少自分勝手でもいい、 若い世代へのエールがすがすがしい。 「あの子は貴族」同様、シスターフッドを感じた。

Posted byブクログ

2023/02/19

いろんな雑誌などに掲載された文書を集めて纏めたもの。と、知らなかったので、 なんだこれは?と思いながら読んでいた(おもしろかったけど)。笑 山内さんの本が好きであればまぁ楽しめるかな、という本。

Posted byブクログ

2022/03/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

山内マリコ作品でも、特にジェンダーの視点を描いたショートストーリー、エッセイの短編集。 一つ一つの話が短くて、読みやすかった。 "女性"として求められる自分、"女性"として生きていくのに抱える息苦しさなど、様々な視点がショートストーリーとして描かれていた。 特に、「しずかちゃんの秘密の女ともだち」「五十歳」「超遅咲きDJの華麗なるセットリスト全史」が刺さった。 「しずかちゃんの秘密の女ともだち」は、『ドラえもん』ベースとした二次創作であり、しずかちゃん視点の作品。『ドラえもん』では出木杉君はなんでもできる出木杉君だが、しずかちゃんが出木杉君よりも勉強ができる姿を見せた時、クラスの皆は"女より勉強の出来ない出木杉君"をバカにする。その様子を見て、しずかちゃんはわざとテストも間違えるようになる。ドラえもんに助けを求めるが、男女が逆転するひみつ道具を提案されるだけで、根本原因が何かもドラえもんには理解できない。 この作品は誰もが知るキャラクターを使ってジェンダー的な疑問をなげかける作品であり、うまいな、と思った。 実際のところ、しずかちゃんがテストで1位を取ることが禁じられているわけでもなく、ジャイ子も漫画を禁止されている訳では無い。しかし、それに対する世間からの批判的な目線や、その目線に怯えてしまう自分自身が解決されない限り、根本的な解決にはならないんだろうなと思った。また、その根本的な解決は一朝一夕で出来るようなものでもないんだろうとも思った。 「五十歳」 2030年頃の少し未来に生きる50歳の女性目線で話は進行する。主人公の牧野さんは若い頃を自由に都心で暮らし、40代になって田舎に戻り、シニア向けのタクシー運転手として暮らす独身女性。ある日、研修の同行として20代くらいの柏原結衣と一緒に仕事に出る。 この作品では、"時間の使い方"ということについて考えさせられた。「人生で自由に使える時間は、意外と短い」。他人のために時間を使うことは、きっともう少し後でも間に合う。若いうちは利己的に生きて、自分がしたいことをして、というエールを貰えた作品だった。 主人公の年齢的にも、作者自身から若者へ伝えたいエールが詰まった作品なのではと思う。 「超遅咲きDJの華麗なるセットリスト全史」 この作品の主人公緋沙子は、比較的"利己的な生き方"を全うしたと思う。音楽一家に生まれながらも演奏する側の才能には恵まれず、戦時中は「音楽はぜいたく」とも言われ、戦後にはファンや音楽系の編集者として音楽とは関わり続け、最終的に趣味で始めたDJの初デビューライブで自分が関わってきた音楽をセットリストとして流す、という最高に素敵な生き方だった。 当時にしては、女性なのにジャズが好きだったり、オールドミスだったりと"変わった女性"と捉えられていたが、自分がしたいことをする、わくわくすることを追求する、そんな素敵な女性だった。 私自身も音楽が好きなので、いつか、私の集大成として関わってきた音楽をセットリストにして誰かに生きた証として聞いて欲しいな、と思った。

Posted byブクログ

2021/12/06

小泉今日子さんのspotifyラジオ番組、ホントのコイズミさんで紹介された本。 ゆっくりコーヒーを飲みながら読むのにちょうどいい。読んでいる間、ゆったりした時間が流れる。 図書館で借りたので、最後は急いで読んで勿体なかった。いつか買って、読み直したい。

Posted byブクログ

2021/11/06

凄く好きな作家さん。が、今作はどうかな? エッセイと短編が混ざってるみたい。 女性ってだけで生きにくいのめちゃわかるが、なぜ改良されないのかとこれだけ声あげてるのに、と残念に思う。

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2021/10/24

短編がつづられているので非常に読みやすかった。 また、描かれる主人公は少女からお年寄りまで幅広く、「女性」というキーワードで様々なエピソードが盛り込まれている。 「女性」ってこうだよな、あるあると共感する場面も多々あったが、型にハマった「女性像」のように生きていきたくはないかも...

短編がつづられているので非常に読みやすかった。 また、描かれる主人公は少女からお年寄りまで幅広く、「女性」というキーワードで様々なエピソードが盛り込まれている。 「女性」ってこうだよな、あるあると共感する場面も多々あったが、型にハマった「女性像」のように生きていきたくはないかもしれない、とこの本を読むことで客観視できたように思う。

Posted byブクログ

2021/09/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

短編集の合間合間にエッセイが入っている本は初めて読んだ。とっても面白かった。 いくら長生きしても最初の20年こそ、人生のいちばん長い半分 ぐっとくるフレーズ。 10代の頃の自分って本当に一生このまんまなんじゃないかと思ってるのに確実に時間は大人にしていくし。 毎日会っていた友だちは大人になるほど疎遠になっていく。共感がたくさんあったし 短編集もタイムリープしたり、過去や未来を描いていて面白かった。

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2021/08/28

面白かった。 結婚したくない、家事したくない、とか色々等身大の女たちが出てきて、社会への不満だったり生きづらさを語ったり、世界に飛び出して自分の夢を実現しようとしたりしている。 パワフルで読むと元気がでる一冊だと思う。

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2021/08/27

短編やエッセイが混ざった一冊。 女であることでむかつくことも多いけど、なんか女性性が清々しく感じられる読み心地だった。

Posted byブクログ

2021/06/15

ずっと欲しかった本!! やっとみつけた。 なんだか、女の人たちが頑張っているのを改めて感じられる。特に、ドラえもんの話は印象深い。何回も大切に読み返したい一冊。

Posted byブクログ