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騎士団長殺し 第2部 遷ろうメタファー編(下) の商品レビュー

3.8

134件のお客様レビュー

  1. 5つ

    28

  2. 4つ

    49

  3. 3つ

    35

  4. 2つ

    5

  5. 1つ

    2

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2024/04/10
  • ネタバレ

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肖像画家の「私」のもとに、イデアが形を変えた騎士団長が現れた。どうしたらいいか聞いたところ、午前中の電話に断るなと言われた。 雨田から電話が来た。認知症の父に会いに行くと言う。そろそろ危ないと言うから。「私」はついて行った。 ファミリーレストランに入ったら、スバルのフォレスターがあった! 有名な日本画家、雨田具彦(ともひこ)の施設に着いた。施設で具彦に話しかけていたら、息子の雨田に電話かかってきて外に出て行った。 騎士団長がいた。騎士団長を殺さなければならないと言う。それが第二段階。第一段階はまだ騎士団長殺しの絵を見つけたということである。 雨田具彦の彼女が拷問で死んだ。彼自身も拷問を受けた。そのため、何もいえなかった。心の傷を受けた。 「私」は逡巡の末、まりえを取り戻すために騎士団長を殺した。 顔なががでた!穴から引きずりだした。 メタファーだった!見たものを書く。「こみちさんといったかな?」背筋が凍った。それは「私」の亡くなった妹の名前。なんでーー!怖い! 顔長がでてきた穴に入った「私」。懐中電灯を持ってあるく。川の水を飲んだ。 男がいた。顔がなかった!背が高い。帽子をかぶり、コートをきていた。ペンギンのキーホルダーのかわりに橋渡ししてもある。 カンテラと絵の女性がいた!狭い横穴に入ることになった。「自分を信じるのです」無と有。なんなのー。目を逸らさない 穴を頑張って外に出た。 すべては相対的なものなのだ。 まりえも帰ってきた。2人で騎士団長殺しとスバルフォレスターの男の絵をしまった。 まりえは免色さんの家に三日間いたという。勝手になかに入った。 「私」の以前の妻はまだ離婚届を出していなかった。なぜー。誰の子供かわからないという。今のパートナーとは別れていた。相手は納得していなかったけれど。そりゃそうだろうよ。 「私」は以前の妻の元に戻った。誰の子供かわからないけれど、生まれた女の子がムロと名付けられ、育てることになる。保育園へ送っていく。 東日本大震災の様子が描かれた。津波がやってきた。なぜここでその場面が出てくるんだろう。スバルフォレスターの男をテレビで見かけたと言うことも書かれていた。 以前住んでいた家が焼き落ちてしまった。騎士団長殺しも焼かれたと言うことになる。 何が伝えたいことなのか。すごく難しい小説だった。最初に書かれていた顔のない男とペンギンのキーホルダーの約束はこのあと起きることなのか。描かれていなくてわからなかった。

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2024/03/24

他の村上春樹作品と比べてどうなのか。読みやすくはあるが、ストーリーのパンチ力が少し落ちてきている?と思った。

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2024/03/16

賛否両論あるぽいけど面白かった 世界がいかに比喩で溢れているか 結局顔のない男は誰なのか?自分自身の投影なのか 自分が1番自分を分かっていない

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2024/03/14

地底で別世界での冒険 それこそ 不思議の国のアリスのメタファー? 白髪の免色さんは、白うさぎのメタファー? 免と兎って字が似てるよね。 第一部のプロローグは プロローグであり、エピソードなのかな。

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2024/03/06
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終わり方がとても好き。 ラストはみんながあるべきところに収まったという感じですかね。 あんなにいろんな事が巻き起こったのに、全部きれいにまとまって読後感がとても良いです。 顔長が出てきた穴に入った辺りから私の中ではジブリのような世界感で脳内再生され、一気に不思議の国に誘われた感じがしました。 登場人物クセがすごくてどうなのよ?と思うことも多かったけど、終わってみればみんな好き。 その後みんながどんな風に暮らしているのかまだまだ見ていたい気持ちにさせられました。 面白かったです。

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2024/02/09

はじめて村上春樹の長編を読んだが終わり方がなかなか難しく、解釈が正しいか分からない。世の中にはイデアやメタファーのように形はないけれど確実に存在しているものが沢山あってそういったことを文学に落とし込んでいるのかなと思った。また、まりえや室の血縁をはっきりさせないことと、事実であっ...

はじめて村上春樹の長編を読んだが終わり方がなかなか難しく、解釈が正しいか分からない。世の中にはイデアやメタファーのように形はないけれど確実に存在しているものが沢山あってそういったことを文学に落とし込んでいるのかなと思った。また、まりえや室の血縁をはっきりさせないことと、事実であっても親が子に津波の映像を見せないことは似た心理がある気がして興味深かった。知らない方がいい事、濁していた方がいい事ってあるよね。信じたい方を信じていた方が救われたりもする。

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2024/01/23

今までの村上春樹作品のいろんなものが詰まったような話だった。あちらとこちら側。何かを喪失したあと、それは今までの自分じゃない。受胎の場面。人間の持つ裏の側面。色んなことが起こるけれど、それでも人生は進んでいく。 それが洞窟であったり、騎士団長を殺し、洞窟の水を飲んだところだったり...

今までの村上春樹作品のいろんなものが詰まったような話だった。あちらとこちら側。何かを喪失したあと、それは今までの自分じゃない。受胎の場面。人間の持つ裏の側面。色んなことが起こるけれど、それでも人生は進んでいく。 それが洞窟であったり、騎士団長を殺し、洞窟の水を飲んだところだったり、夢の中でユズを妊娠させたかもしれなかったり、白いスバルフォレスターの男だったり、最後のユズの子供を生むにあたっての言葉だったり。 話の殆どが小田原の山から出ずにここまで話を書けるのも凄い。 これで村上春樹の長編は全部読んだけど、また読み返したい作品がたくさんあるし、まだまだ新作も書いてほしいなあと思った。

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2023/12/24
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村上作品としては珍しく纏まったのではないか。元鞘に収まった、と——(夫婦愛の再生,そして新たな命の誕生)。私としては絶対"まりえ"と性交すると思ったんだけど…。最後はとってつけたように、東日本大震災を入れた意味とは? ワクワク度的には第1部の方が上で、後半にかけて若干失速したかなという印象。でもまあ私は好きですね。

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2023/11/18

海辺のカフカ以来の長編。 独特の比喩と非現実的表現は相変わらず難しい。 でも、なんとなく面白かった。

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2023/10/24
  • ネタバレ

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最後の最後でついに内なる無意識の世界と現実世界が交錯して、世界観により一層引き込まれた。 フロイトによれば、人間は元来、内なる無意識の領域に性的本能や破壊本能といった原始的な衝動を秘めているが、その衝動は普段は自我や超自我の理性によって抑制されているという。 人間として理想的な姿になろうとすることで、即物的で衝動的な感情を押さえ込んでいるのである。 しかし、「無意識の中に潜む原始的な本能・衝動が自我や超自我の理性による抑制を超えたとき、世界は、人間はどうなるのか?」個人的には物語の主題の1つはここにあると思った。 「私」が本能的に雨田具彦の隠された絵を開いたこと、衝動的に免色と穴を掘り返したことを皮切りに、パンドラの箱を開けたかのように起こり始めたイデア界を巻き込む不可解な出来事たち。 妻に捨てられた嫉妬、人妻との刹那的な快楽、見知らぬ女の首を絞めたときの終末感、捕虜の斬首訓練、ウィーンで惨殺された恋人、忘れ得ぬ恨み。様々な人物の性的本能、破壊本能が入り混じる。 その中で、自己に潜む無意識は「白いスバル・フォレスターの男」や「クローゼットの前までやってきた謎の男」となって「私」や免色の前に現れ、徐々にその存在感を大きなものにしていく。 ここまで見ていくと、無意識=負の感情=イデア界、理性=現実世界だと錯覚しがちだが、実際は定義的に全く逆である。 プラトンによれば、イデアとは「あらゆる物事における完全で理想的な姿」であり、イデア界は理性を使う人が見る世界なのに対し、現実世界は感覚だけを使う人が見る世界、言うなれば不完全な像にすぎないものだという。(だから、イデア界、メタファーの世界では音も匂いも味も存在しなかったのかと納得した。) きっとイデア界は、私たちが理性を意識せずとも使っているように、無意識の中に存在するのだろう。その静かな分水嶺が衝動的な行動によって破られたことで、2つの世界が入り混じった。 そしてその世界の交わりを分ち直すのもまた、衝動的な行為、言い換えれば人間的な感情だった。雨田具彦の宿敵に見立てたイデアを殺し、触れれば温かい妹との思い出を辿って 「私」はイデア界との繋がりに蓋をすることになる。 結局人は皆、美しい肖像画のような理想的な姿を追い求めようとも、本能や衝動には抗えない。でも、そういった未完成の肖像画のような感情もある種、人間を人間たらしめている素敵な要素のうちの一つである。拙いですがそう感じとりました。

Posted byブクログ