1,800円以上の注文で送料無料

南三陸日記 の商品レビュー

4.5

30件のお客様レビュー

  1. 5つ

    17

  2. 4つ

    7

  3. 3つ

    4

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2019/03/29

単行本発売時から、ちょっと気になってはいた1冊。 東北出身者なら、読まなければいけない1冊だろう。 いや、日本人なら、かな。 文庫化されてからでなく、刊行当時に読みたかったと後悔。 (その当時には、まだ直視できない現実でもあったので…) 筆者も作中で語っているように...

単行本発売時から、ちょっと気になってはいた1冊。 東北出身者なら、読まなければいけない1冊だろう。 いや、日本人なら、かな。 文庫化されてからでなく、刊行当時に読みたかったと後悔。 (その当時には、まだ直視できない現実でもあったので…) 筆者も作中で語っているように、"記録"がいかに大切かが身に染みた1冊だった。 写真もしかり、 事実の記録もしかり、 執筆者のその時々の"想い"もしかり。 最初の2~3編目から涙腺がおかしなことになり始め、読み終えるまでついにゆるみっ放しだった。 電車の中で嗚咽の声が漏れそうになり焦ったくらい。 (幸いにも家族親類友人知人に犠牲者は出なかった自分でさえ、東北出身というだけでここまで"くる"のだから、、、当事者の方々はもしかしたら、まだこの本を読むことができないかもしれないとも思ったら。) そんな中で、祖母が明治三陸沖地震の生き残りだという老人のエピソードが胸を打つ。 記録、そして伝承。大切だよね……。 この本が、きっとそういう"伝承"中の 小さな欠片の一片になるれくらいに、広く多くの日本人に読んで欲しい。 ★4つ、9ポイント半。 2019.03.28.新。 ※この本のレビューに書くにふさわしいか自信がないけど…… …… …… …… ※うん、やっぱり、"記録"って大切よね。 アニメ「ちびまる子ちゃん」に出てくる "タマちゃんのパパ" なみに、ことあるごとに娘にカメラを向けてきたこと、10年超。。。 はじめはそれこそズバリそのまんま「タマちゃんのパパかいっ!」と周囲に突っ込まれていたけど(苦笑)、 先日、親子三人でじっくり振り返ってみたら、、、、、、 相方にも 娘にも ちゃんと感謝されたし(^_^)v とてもいい時間を過ごすことができたもの。

Posted byブクログ

2019/03/27

南三陸町には震災の翌年から何度か訪れたことがあるので、思い入れがあります。 なので、本作の内容は本当に心に染み入ります。防災庁舎やホテル観洋は実際にそこに寄ったことがあるので、その場所にちなんだエピソードには特に涙腺を刺激されて困ります。 毎年、震災に関する報道は3/11前は...

南三陸町には震災の翌年から何度か訪れたことがあるので、思い入れがあります。 なので、本作の内容は本当に心に染み入ります。防災庁舎やホテル観洋は実際にそこに寄ったことがあるので、その場所にちなんだエピソードには特に涙腺を刺激されて困ります。 毎年、震災に関する報道は3/11前は頻繁に報道されますが、12日になるとウソのように情報を見なくなってしまいます。今年で8年が経過し、津波の被害のなかった地域では仕方がないことかもしれませんが、本作を含む関連書籍を本棚の目立つところに置き、常に思い出せるようにしておこうと思います。

Posted byブクログ

2019/03/25

震災ルポルタージュ。著者が出会った多くの家族の風景が書かれており、彼らの揺れながらも今を生きる姿勢に胸を打たれる。

Posted byブクログ

2019/03/21

原発のせいで、震災といえば原発被害の方につい意識が向いてしまっていた。 いやいや津波で15000人くらいの人がお亡くなりになっている。えっ?15000人? 数字としても大きいけれど、数字ではない。一人一人の人間だ。震災がなければ津波がなければ普通に暮らしていた人間だ。 南三陸町で...

原発のせいで、震災といえば原発被害の方につい意識が向いてしまっていた。 いやいや津波で15000人くらいの人がお亡くなりになっている。えっ?15000人? 数字としても大きいけれど、数字ではない。一人一人の人間だ。震災がなければ津波がなければ普通に暮らしていた人間だ。 南三陸町では600人近い方がお亡くなりになった。 軽々と感想は言えない。 もし自分がその立場だったらと考えると、息が詰まってしまう話の連続。こんなことがあっていいのかと思ってしまう。 あ、軽々しい感想は書かないのだった。 表紙の女の子が希望の光だ。 ダメだ。言葉が軽すぎる。 お亡くなりになった人たち、その人たちを失った人たちのことを祈りたい。 思い出すこと、想いを馳せることが祈りに通じると信じたい。

Posted byブクログ

2019/03/20

涙なしでは読めない。 記憶は薄れていく。どんなに悲惨な出来事だったとしても、語り続けていかないといずれ、忘れていってしまう。 だからこそ、この南三陸日記は「本」として残していかなければならない一冊なんだ。ただただ、そうあってほしい。読み終えてそう思った。

Posted byブクログ

2019/03/18

見開きの2ページ弱の文章と写真から、いろんな心情や光景が色濃く伝わってきます。 このような気骨のある記者さんがいてくれる限り、日本のジャーナリズムは大丈夫なのだと思います。 表紙の少女をはじめ、登場した皆さんのこれからに、幸多かれと祈るばかりです。

Posted byブクログ

2019/03/17

スタバでなんとなく読み始めてすぐ読む場所間違えたと思って、部屋に帰ってもう一回開いて今度はばたばたと泣いて読み終えて、表紙に戻ってまたばたばたと涙。きみはこんなに大きくなったんだね。感情的なところに訴える文で、理性的なところで自分に何ができるか考えなくてはならない。

Posted byブクログ

2019/03/14

先月、震災後初めて南三陸町に行ってきた。作者の方が泊まっていたホテル観洋は、90年代の始めの頃何度か宿泊したことがあります。本当に涙無くしては読めない本です。でも読み進めることをやめられない本でもあります。何年たっても震災の事は忘れていけないのです。子供の成長とは大きなものですね...

先月、震災後初めて南三陸町に行ってきた。作者の方が泊まっていたホテル観洋は、90年代の始めの頃何度か宿泊したことがあります。本当に涙無くしては読めない本です。でも読み進めることをやめられない本でもあります。何年たっても震災の事は忘れていけないのです。子供の成長とは大きなものですね。表紙の可愛い女の子が今後共健やかでありますように願っております。

Posted byブクログ

2019/03/12

最初から最後まで、泣き通した。私はいつも喫茶店やスーパーなどで本を読むから恥ずかしくてたまらない。この本ほど泣かされた事は、ちょっと記憶にない。 作業用ジャンパーを母親に貸して、仕事場に戻ってしまった長男。命からがら撮った広報課職員の屋上に押し寄せる津波の写真。不登校児の変貌。...

最初から最後まで、泣き通した。私はいつも喫茶店やスーパーなどで本を読むから恥ずかしくてたまらない。この本ほど泣かされた事は、ちょっと記憶にない。 作業用ジャンパーを母親に貸して、仕事場に戻ってしまった長男。命からがら撮った広報課職員の屋上に押し寄せる津波の写真。不登校児の変貌。「大したことはしていない」がれきの道をつくった男。骨組みだけになった防災対策庁舎の解体を決意する町長、記憶をどう未来に繋げるのかという課題。「コンビニって何だろう」鮮やかに一瞬だけ見せる地域の店の役割。毅然とした遺族の帰り際の一言「政府は子供たちに借金ばかり残さないで欲しい。次世代に残すのは、夢や希望であるべきだ」。新聞の自宅配達はないのに、子供たちがつくった戸倉小学校校舎いっぱいの大きさの「ありがとう」の垂れ幕。大船沢という地名、なみという母親の名前、津波を語り継ぐ活動、海から2キロの小学校で犠牲者ゼロ。 私が栞を挟んだ記事だ。全ての記事に心動かされたのだが、それでも、単に御涙頂戴にはさせない、人間の事がひときわわかったり、未来につながる記事を選んでいたようだ。​『五色の虹 満州建国大学卒業生たちの戦後』​で、この人のジャーナリストとしての問題意識には信頼感を持っていたが、それを改めて感じた。その彼の大きな曲がり角が、南三陸町だったことは間違いない。35行の新聞コラムは、最も取材と文章の実力が出る形態だと思う。著者は此処で1年間鍛えられた。ジャーナリストを目指す人は、この本をひとつの(あくまでも一つの)規範にすべきだと思う。 シリーズのように書かれたエピソードがある。新婚1週間で夫を亡くした女性と、その2つの家族と、新しく生まれた娘。それらを読ませて貰って、改めて表紙の写真を見ると、この8年間の、南三陸総ての家族の祈りに似たものを感じて、やはり感無量になるのです。 2019年3月12日読了

Posted byブクログ

2019/03/11

1年に1度、思い出したように「忘れない」というのは簡単なこと。 でも、「忘れない」ことが単なる目的になってはいないか。いや「忘れない」こと、それ自体も大切ではあるけれど。 でも、その先にあるのは?あるいは、その後にあるのは? 生きたかった2万以上の命。ここにあったはずの2万以上の...

1年に1度、思い出したように「忘れない」というのは簡単なこと。 でも、「忘れない」ことが単なる目的になってはいないか。いや「忘れない」こと、それ自体も大切ではあるけれど。 でも、その先にあるのは?あるいは、その後にあるのは? 生きたかった2万以上の命。ここにあったはずの2万以上の夢、笑顔、日常。30分の間に守れたかもしれないたくさんの人生を、これから先失わないために。 8年。表紙で恥ずかしそうに微笑む少女。彼女の「これから」が幸せでありますように。

Posted byブクログ