1,800円以上の注文で送料無料

生まれ変わり の商品レビュー

3.7

12件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    3

  3. 3つ

    3

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/06/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ケン・リュウのSF短編集。久しぶりに読むケン・リュウ作品なのだが、個人的にはこんなにも幅広い短編があることに驚いた。定番のSFをはじめ、ユーモアあふれるもの、数学SF、ファーストコンタクト、サイバー、ファンタジーなど幅広い。個人的に印象に残った作品は、ゴーレムの行動に笑った「化学調味料ゴーレム」、数学で煙に巻かれる「数えられるもの」(ルディ・ラッカーの作品みたいだった)あたり。ジャンルが幅広いので誰にでも好みの作品があると思う。

Posted byブクログ

2023/09/13

ユートピアがあるとして。 実際にあったとして、それが段々と剥がれ落ちて格差と差別が滲み出てくる。 そしてそれは、守りたいものを守るためにあるから、尚難しい。 頭の中で映像化したら、ピクサーの本編前の短編のような、リズミカルで少し心の温まるものが投影された。『ランニング・シューズ...

ユートピアがあるとして。 実際にあったとして、それが段々と剥がれ落ちて格差と差別が滲み出てくる。 そしてそれは、守りたいものを守るためにあるから、尚難しい。 頭の中で映像化したら、ピクサーの本編前の短編のような、リズミカルで少し心の温まるものが投影された。『ランニング・シューズ』は中でもテンポが良く、お気に入り。 『カルタゴの薔薇』はショックの深度が深い分心に残る。ケン・リュウはお気に入り。

Posted byブクログ

2022/03/14

読み進むたびに翻弄される作品群。 ケン・リュウの才能が発揮されたバラエティに富む短編集。 前に読んだ「紙の動物園」より難解なものが潜んでいる。 表題作「生まれ変わり」は本当に難しい。 人の持つ”記憶“が”感情“にどのように影響を与えるのか。 記憶さえなくしてしまえば憎しみはなく...

読み進むたびに翻弄される作品群。 ケン・リュウの才能が発揮されたバラエティに富む短編集。 前に読んだ「紙の動物園」より難解なものが潜んでいる。 表題作「生まれ変わり」は本当に難しい。 人の持つ”記憶“が”感情“にどのように影響を与えるのか。 記憶さえなくしてしまえば憎しみはなくなるのか、 「ReBom(生まれ変わり)」は刑罰なのか矯正なのか 彼(ケン・リュウ)は自由だ。 ただ単に自由な展開を可能にするための道具としてSFを使うこともあれば、真正面からSFの世界の不思議さを語るときもある。 彼の作品には、社会問題に関するテーマがどこかに潜り込んでいる。また、家族の絆に関する叙述も多い。 まったくわけのわからないものがエンディングでちょっといいこともあり、思わず前のページを読み返す。 お気に入りは「化学調味料ゴーレム」「カルタゴの薔薇」「数えられるもの」「ゴースト・デイズ」。 言葉に表せない特別なものを感じたのは「七度目の誕生日」。 読み疲れたころに、まるで時代劇ファンタジーの「隠姫」。 などなど……。 作者の独特の感性が、読む人を襲う。 「人生は後ろ向きの座席で列車に乗って窓の外を見るよう。いま脳が認識したことはもう過去のもの」……ウーン。

Posted byブクログ

2021/07/28

「介護士」「訪問者」「隠娘」「神々」シリーズが特に良かった。「紙の動物園」よりも叙情感は薄めなので、ケン・リュウ上級者向けの短編集といったイメージ。ところで、人格を電脳空間にアップロードして肉体を持たずクラウド上で生きる人間の話は多くのSF作家から語られるけれど、案外電子世界のリ...

「介護士」「訪問者」「隠娘」「神々」シリーズが特に良かった。「紙の動物園」よりも叙情感は薄めなので、ケン・リュウ上級者向けの短編集といったイメージ。ところで、人格を電脳空間にアップロードして肉体を持たずクラウド上で生きる人間の話は多くのSF作家から語られるけれど、案外電子世界のリソースも有限で結局一部の富める者だけが繁栄する世界になるんじゃないだろうか……とSF素人としては思う。

Posted byブクログ

2021/02/21

ケン・リュウのような作家が売れて、次の短編集が発売されるのは本当にありがたいことだ。この機会に日本のSFもいっしょに盛り上がって欲しい。3冊目の短編集なので衝撃は初めのころよりは弱いけれど、表題作は人間の生と記憶について考えさせられるし、「七度の誕生日」の神話のような遥かさ、「ゴ...

ケン・リュウのような作家が売れて、次の短編集が発売されるのは本当にありがたいことだ。この機会に日本のSFもいっしょに盛り上がって欲しい。3冊目の短編集なので衝撃は初めのころよりは弱いけれど、表題作は人間の生と記憶について考えさせられるし、「七度の誕生日」の神話のような遥かさ、「ゴースト・デイズ」の重層的な物語が印象に残った。南北問題や生命の電子化、アジアを舞台にした作品など、ケン・リュウの関心は広範にわたるし、現代の諸問題とSFは無関係ではないのだなと思わされる。

Posted byブクログ

2020/09/21

考えさせられた。 生まれ変わりは、ほんとに生まれ変わるのではなく記憶を消してなかった事にするということだった。 人間たちをより良くするために、と地球を支配している宇宙人。彼らはものすごい長命なのだが、取り返しのつかない過ちを犯したら、取り返しがつかないんだからこれからはそれをしな...

考えさせられた。 生まれ変わりは、ほんとに生まれ変わるのではなく記憶を消してなかった事にするということだった。 人間たちをより良くするために、と地球を支配している宇宙人。彼らはものすごい長命なのだが、取り返しのつかない過ちを犯したら、取り返しがつかないんだからこれからはそれをしない方向で生きていくタイプ。取り返しのつかない過ちの記憶は、トラウマになるだけだから消す。 確かに、残ってても苦しめるだけで何にもならない記憶はある。乗り越えられる人は少ない。復讐の連鎖になるくらいだったら、なかったことにして先に進もう…って、やっぱりできないなー。なんでだろう。苦しいだけなのに。

Posted byブクログ

2020/02/24

SFの短編小説集で20編もあって、面白いのもあったが、学力が足りなくてちんぷんかんぷんのものも。 時間があればもっとじっくり読みたかったが、途中で断念した。

Posted byブクログ

2020/01/02

ケン・リュウ氏の第3作品集。解説によると「多少のわかりにくさがあるため、従来、選択に逡巡していた」作品も収録されているとのこと。これまでの作品集よりSF色を強く感じた。逆にファンタジー系の作品があまりなくて、それがちょっと残念だった。好みは電脳化された人類が登場する一連の作品。こ...

ケン・リュウ氏の第3作品集。解説によると「多少のわかりにくさがあるため、従来、選択に逡巡していた」作品も収録されているとのこと。これまでの作品集よりSF色を強く感じた。逆にファンタジー系の作品があまりなくて、それがちょっと残念だった。好みは電脳化された人類が登場する一連の作品。これだけ集めた短編集なんてできないだろうか?

Posted byブクログ

2019/04/14

ちょいキモな異星物との交流?、永遠に通じる電脳生活、中華ファンタジーetc.ずっしりと読み応えのある短編集だわ。 ケン・リュウが色々と描ける作家なんだなぁと感心させられたけど、気に入る一編に到達する前にギブアップしそうにもなった

Posted byブクログ

2019/04/08

宇宙人との共生、電脳世界など人間のあり方とはなんなのか考えさせられた短編集。ケン・リュウ氏のあたたかな描き方がほっとさせられる。他に2冊短編集を出版しているがやはり面白かった。長編の「蒲公英王朝記」を読んでないので読んでみたい。

Posted byブクログ