両利きの経営 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
両利きの経営。大枠の概念は理解しつつ、従前より高い興味はもちつつ、やっと読書。 必要性を強く自身感じており、活かすため、伝えるために手に取る。 メモ ・当初からビジョンがあり、それに向けたリスクをとって邁進する ・イノベーションには、組織能力と顧客基盤のインサイドが必要 ・マネジメントは実践を、リーダーシップは戦略と変革を扱う ・自社の顧客には何が必要かから始まる戦略のほうが、なぜこれをやるべきかという視点からのものより、安定する。 ・組織の既存の資産を再構成することで、新しい機会を掴む能力 ・進化論の三つの基礎は 多様化、選択、維持 ☆組織における適合性とは物理的、財務的、知的な資源を引きつける能力を指す。適合性の低い有機体は死に絶えていく。 ・イノベーションを起こす時には、新しい組織能力を身につける必要がある場合と、新しい市場顧客の組合せに対応する場合がある。 ・新興事業では常に顧客の好みや低利益率という新しい未知の組合せが求められる。 ・深化では効率性生産性差異を減らすことが強調されるが、探索は反対に要求水準の高い調査、発見、差異を増やすことが重要になる。 ・リーダーが実行すべき重要事項 新しい事業が新規競合に対して競争優位となる既存組織の資産組織能力をつきとめる 深化事業から生じる惰性が新しい事業の勢いをそがないように経営が支援監督する。特に資源獲得。新規リーダーはマイルストーン達成に説明責任を負う。非生産的な摩擦は極力抑えつつ、新旧の連携を管理する。 新しいベンチャーを正式に切り離して、成熟事業からの邪魔や支援なしに成功に向けて必要な人材構造文化を調整できるようにする。 ・成熟事業の短期目標と探索事業の目標が一致することはまれで、破壊的技術などは成熟事業の脅威となりうる。 ☆両利きになるための要素 1探索と深化が必要であることを正当化する戦略的意図。探索ユニットが競争優位を築くための組織能力や資産を明確にすることを含む 2新しいベンチャーの育成と資金供給に経営陣が関与し、監督し、芽を摘もうとする人々から保護すること 3ベンチャーが独自で動けるよう深化型事業から十分な距離を置くこと。一方で成熟部門から資産や組織能力を活用するためのインターフェイスを注意深く設計すること。いつ打ち切るか、組織に再編入するかに関する明確な判断基準を含む。 4探索と深化にまたがって共通のアイデンティティをもたらすビジョン、価値観、文化。 ・戦略的に重要で中核となる組織能力を活かせるものは両利きの経営を行うべし ・IBM新規事業6つの問い どう競争するか。優位性の基礎をどう考えるか 顧客をどうするか。対象外はどう考えるか 価値提案は何か。なぜ選んでもらえるのか 儲けをどう出すか。利益の源泉は 内部では何を行うか。アウトソーシングは何を 収益を時間がたっても守れるか。持続優位性は ・シスコふるいわけ VSE ビジョン、戦略、実行 市場規模は 持続可能性は 先行顧客候補は誰か ロードマップは ビジネスモデルは リーダーは 事業資金は 担当営業は 熱心か 先行顧客候補を支援するプロセスがあるか 5年の損益計画は ・両利きの経営のリーダーシップ 心に訴えかける戦略的抱負を示して幹部を巻き込む どこに探索と深化の緊張関係をもたせるかを明確に選定する 幹部チームの対立に向き合い、葛藤から学び、事業間のバランスを図る 一貫して矛盾するリーダーシップ行動を実践する 探索事業や深化事業についての議論や意思決定の実践に時間を割く ☆戦略的刷新が適切かどうかの判断に関する四つの問い 1成長機会が限られた成熟期の戦略によって大方の業績が決まっているか 2自組織の戦略を移行できる製品、サービス、プロセスの機会があるか 3中核市場の外部に機会(または脅威)はあるか 4その機会は自社の中核となる組織能力や関連するアイデンティティの脅威となるか
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
安定している企業だからこそ、新規事業の探索にチャレンジすべきであること。 また、安定している企業だからこそ、その決裁が経営陣に難しい。 どちかというと部長級が読むとすぐに活用できる本? ‥‥とても難しいことをやらなければならない。 でもできた企業は落ち込むことなく生き残れている。 企業において、合理的なマネージャーであれば収益性の悪い、小規模でかつ不確実なローエンド市場に参入することについて、説得力のある論拠を示すことはまずできない←驚きと共に納得 既存事業の財産は新規事業も活用したかったら活用できる環境にしておくべき 自発性、実験、スピードが大事 新しい文化のマインドセット サクセストラップ、組織的な調整力、構造上や文化的な惰性に関係 リーダーに求められること 新規競合に競争優位に立てるような既存組織の資産や組織能力を突き止める 深化事業から生じる惰性が新しいスタートアップの勢いを削がないように経営陣が支援し監督する、資源確保とか。リーダーはマイルストーンの達成について説明責任を負う。 新しいベンチャーを正式に切り離して、成熟事業からの邪魔や支援なしに成功に向けて必要な人材、構造、文化を調整できるようにする 既存のマネジメントシステムは短絡的結果を求める。目の前の機会をつつがなく実行することであって、新分野を開拓することではない。ブレークスルーを産む思考が重要なリーダーシップ能力として重視されていなかった。 既存のものにしか眼中になく、破壊的技術もしくは新しい市場やビジネスモデルになかなか気づけないプロセスになっている 新しい成長事業の選別、実験、資金提供、終了について規律が確立していない 失敗する新規ベンチャーが多い。起業家的リーダーシップがない、忍耐や持続性も不足していた 探索と深化が必要であることを正当化する明確な戦略的意図。利用可能な組織能力や資産を明確にすること。 新しいベンチャーの育成と資金供給に経営陣が関与し、監督し、その芽を詰もうとする人から保護する 独自に組織構造面で調整を図れるようにする 共通のビジョン リーダーシップ 心に訴えかける戦略的抱負を示して、幹部チームを巻き込む 探索と深化の緊張関係 幹部チームの対立に向き合い、事業間のバランスを図る 一貫して矛盾 意思決定の実践に時間をかける
Posted by
両利きとは深化と探索 深化とは既存事業の漸新型(順を追った)変革で、中央集権で規律を重んじて効率を追求。 探索とは、コストがかかり、既存事業を脅かす可能性があり(カニバリゼーション)、失敗から学ぶことであり、実験を小さく素早く数多く挑戦する必要がある。 往々にして成功を収めた...
両利きとは深化と探索 深化とは既存事業の漸新型(順を追った)変革で、中央集権で規律を重んじて効率を追求。 探索とは、コストがかかり、既存事業を脅かす可能性があり(カニバリゼーション)、失敗から学ぶことであり、実験を小さく素早く数多く挑戦する必要がある。 往々にして成功を収めた企業では、深化に適する企業文化とルール、意思決定の風潮ができていく。それが故に探索活動を潰してしまう。 この二つの性質の違う活動をどのように企業内で両立させるかが本書のテーマ。 本質は5章の事例からの6章のまとめを読むのがよく、後は事例と補足になる。 6章のまとめは読めば当然だが、よく整理されていて、どの探索活動を社内で取り組むべきかということを考える軸となる。 強者がきちんとその資源を使ってイノベーションの波に飲まれないように戦うにはという本。 しかし、やはりリーダーシップを取る人の信頼が鍵を握るのと、これより先のイノベーションがピラミッド型組織でないところから多数生まれることを考えると、すでに過去の理論になりつつあるようにも思う。 そして、そういうリーダーが不在の組織にいる人にとっての解は記載されていない…もちろんテーマ外なのだろうけど…
Posted by
イノベーションは現場からと言ってるうちは、成功しないことが良く分かった。 経営者に続くリーダー層が本気で現場と一緒に汗をかかないと、探索は実現しない。 それは日々実感している。 そういう会社の探索に携わる担当者は支援がないまま疲弊するか、何もしないで異動のときを待つだけなのかな。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
イノベーションのジレンマを読んで、大企業は破壊的イノベーションを生み出せないと理解し信じてきたが、それを克服している企業ももちろんあるよというのを紹介している本。 ただし、既存の企業がイノベーションを生み出すことは、持続的イノベーションと破壊的イノベーション、知の探索と知の深化、右手と左手、水と油と表現できるように、とても難しいものである。 そもそも、既存事業に求められるのは効率性、生産性、標準化であり、新規事業に求められるのは、調査力、新規発見、他者との差異というように、異なっている。 既存企業が、既存事業でキャッシュを稼ぎながら、イノベーションを生み出す事業を育てるには、①明確な戦略意図②経営陣の支援と保護③目標などの組織アイデンティティ④独立した事業ユニットやスピンアウトやアウトソーシングするといった体制が必要であると説いている。 経営はできる。だが、難しい。これを経営者は理解し、実行する必要がある。
Posted by
書店で買った本。最近は経営に関する本を読むようにしている。 「両利きの経営」とは、「知の探索」と「知の深化」の2つを同時に行うこと。 「知の探索」は自身・自社の既存の認知の範囲を超えて、遠くに認知を広げていこうとする行為。 つまり、新規事業。 「知の深化」は自身・自社の持...
書店で買った本。最近は経営に関する本を読むようにしている。 「両利きの経営」とは、「知の探索」と「知の深化」の2つを同時に行うこと。 「知の探索」は自身・自社の既存の認知の範囲を超えて、遠くに認知を広げていこうとする行為。 つまり、新規事業。 「知の深化」は自身・自社の持つ一定分野の知を継続して深掘りし、磨き込んでいく行為。 つまり、既存事業を高めること。 この両利きの経営が行えている企業ほど、イノベーションが起き、パフォーマンスが高くなることが証明されている。逆にいうと、今まで倒産してきた企業はこれが行えていなかった。 ただ一番大事なのは「リーダーシップ」。 この両利きの経営を実現するためには、「社員を鼓舞する経営スローガンと一貫して矛盾する行動とチームのバランスを図る」こと。 一度作られた文化や習慣は変えることが難しい。だからこそ強力なリーダーシップが必要となる。 スタートアップから始めて、一定の成長ができたらすぐに両利きへと移行しなければならないなと感じた。
Posted by
知の探索と知の深化。 この水と油な特徴を持ち、相いれにくいアクションを両利きの経営で遂行すること。 これがイノベーションのジレンマに打ち勝つ方法ということを多くの事例を元に紐解いた本。 旧態依然な多くの日本企業への処方箋。 まずはトップの覚悟。その下のそれぞれのレイヤーをまわす仕...
知の探索と知の深化。 この水と油な特徴を持ち、相いれにくいアクションを両利きの経営で遂行すること。 これがイノベーションのジレンマに打ち勝つ方法ということを多くの事例を元に紐解いた本。 旧態依然な多くの日本企業への処方箋。 まずはトップの覚悟。その下のそれぞれのレイヤーをまわす仕組み作り。持続性…。
Posted by
組織が存続していくためには「深化」と「探索」を同時に進めていくことが必要だということ、深化と探索がどういうことを言っているのか、なんとなくわかった。 本書が述べている事項に関連する基礎知識がない私には文章が難しくなかなか読み進められなかった...。 ただ、具体的な企業の実例が...
組織が存続していくためには「深化」と「探索」を同時に進めていくことが必要だということ、深化と探索がどういうことを言っているのか、なんとなくわかった。 本書が述べている事項に関連する基礎知識がない私には文章が難しくなかなか読み進められなかった...。 ただ、具体的な企業の実例が何例も書かれていて、分かりやすく勉強になった。
Posted by
クリステンセンの理論を頭に入れながら、その先としてインプットするとよさそう。知の深化と知の探索のどちらも大事でこのバランスを経営者がリーダーシップとってやっていくべし、みたいな話であるが欲を言えば、経営者のリーダーシップではなく、ボトムアップから取り組めることの視点があるとなおよ...
クリステンセンの理論を頭に入れながら、その先としてインプットするとよさそう。知の深化と知の探索のどちらも大事でこのバランスを経営者がリーダーシップとってやっていくべし、みたいな話であるが欲を言えば、経営者のリーダーシップではなく、ボトムアップから取り組めることの視点があるとなおよいと思った。また、膨大な事例にやや溺れて、論点が不明になりかける本書ですが巻末の冨山さんの整理が最後うまくまとまっていてすっきりさせてくれる。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
知の探索と知の深化による両利き経営とサクセストラップ(p8) 戦略的な重要性と本業の資産の活用を4事象にわけそれぞれ領域を分析(p286) 富士フィルムのイノベーションを例に組織能力と市場を4事象にわけそれぞれ領域を分析(p147)
Posted by