極夜行前 の商品レビュー
今作品は前作「極夜行」の前日譚の作品になる。 一冬の極夜生活の為に要した準備期間が約三年、その過程と経緯が描かれている作品。この準備期間が無ければ「極夜行」はもっと過酷さを極めたのだろうが、準備そのものですら極めて過酷だなと思わされた。 自分の経営する居酒屋の常連さんにキャンプ...
今作品は前作「極夜行」の前日譚の作品になる。 一冬の極夜生活の為に要した準備期間が約三年、その過程と経緯が描かれている作品。この準備期間が無ければ「極夜行」はもっと過酷さを極めたのだろうが、準備そのものですら極めて過酷だなと思わされた。 自分の経営する居酒屋の常連さんにキャンプやフェス(フジロック、サマーソニック)等のイベント好きな方がいる。 その方も何事にも装備と準備と段取りが大事で重要だと言う。そしてその準備をしている時が一番楽しいとも言っていた。 最新性能の物や機能が進歩した物や新たな便利な物等々を色々ネットで調べ手にとってみて色々シミュレートし、自分にフィットしたものを選りすぐるその時間が何よりもとても楽しいらしい。 作者も今回の旅をプラニングする最中きっとそういう楽しい気持ちもあったのでは?と想像して読んでいた。 改めて「極夜行」「極夜行前」合わせて読んでみて、やはり極夜明けのその太陽がもたらしてくれた壮大な光が作者を鮮明に照らし2冊を執筆させ、それを同じなのだが別物に感じる太陽の下自分が読んでいるという不思議な感覚を味わっている。 とても同じ太陽だと思えないのは自分自身がその恩恵を知識として知っているだけで、身体の隅々まで骨の髄までしっかりと感じた事がないからだろう。 その時の太陽「御来光」は作者にとってたった1度きりの天の光だとつくづく思わされた。 そういう経験ができて凄く羨ましいと思う反面、いざ自分もとまでは到底思えない、初端から諦めている。 作者の企画力、行動力、感性、そして執筆力、その時作者が目にした太陽のように神がかっている神々しさを感じさせれた。
Posted by
冒険家として文明機器は使わない。星で位置を確認し連絡を断つ自力で歩いて極寒に身を委ね死と隣り合わせなのは本当にすごいの一言。 こういう体験談が好きでのめり込んでしまう。
Posted by
Posted by
極夜行は数年前に読了。古本屋で本作を見かけたので読みました。 前作でさっくりと語られた六分儀による天測や、犬の躾、デポの様子がよくわかります。個人的にはこういう前段階の話のほうが好きだったりします。前日譚っていいよね。 2章の犬との旅のところはちょっとしんどいね。隠しておきた...
極夜行は数年前に読了。古本屋で本作を見かけたので読みました。 前作でさっくりと語られた六分儀による天測や、犬の躾、デポの様子がよくわかります。個人的にはこういう前段階の話のほうが好きだったりします。前日譚っていいよね。 2章の犬との旅のところはちょっとしんどいね。隠しておきたい後ろめたい事を書籍にきちんと書けるのはすごいが、読むのをやめたくなるくらいのインパクトはありました。 極夜行を読み返したくなりました。 出来るなら自分も猟や極地の生活を少ししてみたいなぁ。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2018年のオススメ本第一位に選定した「極夜行」の角幡唯介さんが、極夜行をする前の準備段階として数回に渡り北極圏を旅した際の物語。 「準備」と簡単に書いたが、その旅すらも常人には考えられないような過酷で孤独で息苦しい旅であったりする。 極夜行では真っ暗な中を犬と一緒に旅をすることになるのだが、その犬との出会いや調教をする様子が描かれている。 本編の極夜行の前に読んでも、後に読んでも面白い一冊。
Posted by
2021年4月11日読了。 その名の通り、「極夜行」への準備を綴った本。 Amazonで買った六分儀を手にカナダ極北で、極夜を体験し、本番の「極夜行」の舞台を決め、グリーンランドのシオラパルクに行くこと数回、極夜行に向けて、食糧をデポしながらルート調査を行う。 「極夜」とは...
2021年4月11日読了。 その名の通り、「極夜行」への準備を綴った本。 Amazonで買った六分儀を手にカナダ極北で、極夜を体験し、本番の「極夜行」の舞台を決め、グリーンランドのシオラパルクに行くこと数回、極夜行に向けて、食糧をデポしながらルート調査を行う。 「極夜」とは、冬の間太陽が出ないことを意味し、よく聞く白夜の逆である。 真っ暗な中、GPSを持たず天測で自らの位置を測り、全てをおいて自己の責任で探検する。 19世紀の探検家に近いかたちの探検だ。 何年にも渡り、膨大な準備をしたにもかかわらず、本番の開始時期にトラブルが発生するのは読んでのお楽しみとしておこう。 「極夜行」は数年前に読んだのだが、本作を踏まえ再読してみたくなった。
Posted by
1日中太陽が昇らない「極夜」の北極を 単独で、GPSも持たずに、星の位置から 自分の位置を導き出す「測量」で、横断 を果たした内容を綴ったノンフィクショ ン作品「極夜行」の前日談です。 当然、測量方法の技術習得や、ソリを 曳く、犬の調達、さらに中継地点のデポ への食料蔵置など、...
1日中太陽が昇らない「極夜」の北極を 単独で、GPSも持たずに、星の位置から 自分の位置を導き出す「測量」で、横断 を果たした内容を綴ったノンフィクショ ン作品「極夜行」の前日談です。 当然、測量方法の技術習得や、ソリを 曳く、犬の調達、さらに中継地点のデポ への食料蔵置など、何日もかけて準備 する姿は素晴らしいです。 決して無謀な冒険ではなく、入念な準備 の上で成し遂げられた探検であり、それ でも過酷な行程であったことを思い知ら される一冊です。
Posted by
太陽が一日中出ない場所で、極夜に入ってから旅を始め、太陽が出るまでの数ヶ月旅をし続け、太陽を見ると言う途方もない旅をするための、"下準備をしている"ノンフィクションの小説。 詳細は下記。 https://note.com/t06901ky/n/nce1c3c...
太陽が一日中出ない場所で、極夜に入ってから旅を始め、太陽が出るまでの数ヶ月旅をし続け、太陽を見ると言う途方もない旅をするための、"下準備をしている"ノンフィクションの小説。 詳細は下記。 https://note.com/t06901ky/n/nce1c3c5bf7ba
Posted by
冒険者・・・それは変態だ。 こんな生活、どうやって無理だー。 でも、人間が体力・経験値ともにフルで活動できるのは、 30代後半から40代前半だというのは、分かる。 その間に、どんな働きができるか。 自分自身を試してみたいんだろうなぁ。
Posted by
「極夜行」の前、準備段階ノンフィクション。一日中日が差さない極夜を、GPSなし衛星電話なしの状態で旅しようとする。自分がいる場所は、六分儀で測り、移動は犬橇で。 星の位置と水平線によって自分の位置が分かる六分儀。今一つ原理は分からなかったけれど、こんな原始的なものを使うことの大...
「極夜行」の前、準備段階ノンフィクション。一日中日が差さない極夜を、GPSなし衛星電話なしの状態で旅しようとする。自分がいる場所は、六分儀で測り、移動は犬橇で。 星の位置と水平線によって自分の位置が分かる六分儀。今一つ原理は分からなかったけれど、こんな原始的なものを使うことの大変さは分かる。 犬橇用に選んだ犬と練習に旅するがうまくいかない。その過程で犬に暴力をふるってしまった。そのことを隠さずに書くのは勇気がいるだろうし、読んでて心が痛む。 興味がない人には全く面白くないだろうけれど、私のような「自分では探検しないけれど、探検するハウツーには興味がある」者にはとても面白かった。
Posted by