極夜行前 の商品レビュー
六分儀で迷子編、犬を育てる編、カヌーでデポ準備編からなる冒険準備譚。当たり前といえばそうだが、本番より時間と労力がかけられているのだなあと思った。 六分儀を画像検索したら、テレビの海洋ドキュメントか何かで見たクラシックなものが現れた。いまだにこういった道具を提供できるメーカーがあ...
六分儀で迷子編、犬を育てる編、カヌーでデポ準備編からなる冒険準備譚。当たり前といえばそうだが、本番より時間と労力がかけられているのだなあと思った。 六分儀を画像検索したら、テレビの海洋ドキュメントか何かで見たクラシックなものが現れた。いまだにこういった道具を提供できるメーカーがあることも驚きだった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
タイトル通り『極夜行』を遂行するための準備編。 カナダ北極圏の太陽が昇らない季節、極夜。 角幡さんは「太陽が昇る世界で暮らす私たちにとって、太陽が昇らない世界には想像もつかない未知が広がっている気がする。だから行ってみたい。それだけのことである」と言う。 さすがは早稲田大学探検部OB。やることがデカイ。 太陽は全く昇ることなく、一日中漆黒の闇に包まれる。 静寂ばかりが広がり、音と言えば自分の息遣いのみ。 暗闇の中に僅かばかり瞬く星のみが頼り。 そんな世界とはどんなだろう。 凡人の私には想像もつかない。 長い旅が終わりを告げた後でようやく拝める太陽を、角幡さんはどんな気持ちで迎えるのだろう。 いつか『極夜行』で確認したい。 白熊対策用の番犬・ウヤミリックとの珍道中が特に面白かった。 疲れてすぐに座り込んで休憩してしまう甘えん坊エピソードに笑えた。 ペットとしては愛嬌があって可愛いけれど、過酷な極夜行でのたった一匹の相棒としてはどんなだろう。 いざ白熊に遭遇した時、角幡さんを一人置いて逃げてしまったりして…。 角幡さんよりウヤミリックのことが心配だ。
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数カ月間、太陽が昇らない暗闇の氷の世界、北極。そんな土地を、GPSや衛星電話、地図、コンパスなど文明の器具を使わずに旅をしたい。結婚し、娘も生まれたばかりで、こんな決断をすることにあきれつつも、著者の冒険心に感動。世界の果てを見たいという若い頃からの思いが著者を動かす。 本書は...
数カ月間、太陽が昇らない暗闇の氷の世界、北極。そんな土地を、GPSや衛星電話、地図、コンパスなど文明の器具を使わずに旅をしたい。結婚し、娘も生まれたばかりで、こんな決断をすることにあきれつつも、著者の冒険心に感動。世界の果てを見たいという若い頃からの思いが著者を動かす。 本書は、極夜への冒険を目前に控えて、様々な準備に四苦八苦する著者の行動の記録。ちなみに本番の極夜記は本書より前に発表されている。 まずは何度も現地を訪れて、準備および旅のシミュレーション。現代の最先端ツールを自ら禁じたため、方角と現在地を知るために六分儀の使い方を学ぶ。荷物を運ぶための橇を木材から自作し、その橇を引っ張る犬を調教。現地で狩猟して、干し肉や毛皮を作ったり、旅の予想コースに物資を先行配置しておく。 冒険前の準備だけで、相当な見せ場だらけで、過酷な現場。カヤックに乗っていてセイウチに追いかけられる。貯蔵していた食料を盗まれる。動物愛護団体が絶句しそうな犬への調教もある。本番前に遭難しそうなエピソードばかり。 そんなこんなで準備完了、あとは極夜の時期を待つだけ。しかし、その直前に意外な展開。ここからどうやって「極夜行」につながるのだろうか。そんな疑問を感じながら、本書は唐突なエンディング。
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極夜行の前を書いた本。極夜行がすごく面白い本だったため、ハードルが上がって読んでしまい、読みきれませんでした。
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極夜行に行く前の準備段階での六分儀、犬の手配、犬と一緒の夏の極地体験での犬との駆け引きなどが実に面白い。海象なる怪物との出会いと、必死の逃避行は凄い迫力だった。カヤックでのデポ拠点への物資補給も済ませ、いよいよ極夜に出発という前に、デンマーク政府からの入国期限切れ、国外立ち退き命...
極夜行に行く前の準備段階での六分儀、犬の手配、犬と一緒の夏の極地体験での犬との駆け引きなどが実に面白い。海象なる怪物との出会いと、必死の逃避行は凄い迫力だった。カヤックでのデポ拠点への物資補給も済ませ、いよいよ極夜に出発という前に、デンマーク政府からの入国期限切れ、国外立ち退き命令は急に現実に戻されたよう。実は今や全くの未開地なるものは存在しておらず、その中で探検もスポーツになってきている。それに抵抗している著者の意気込みが凄く分かる!
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「極夜行」に出てきた、準備段階の旅の話。その中にもこれらの旅がいかに過酷かがあって気になっていた。 エスキモーの犬が愛玩動物でないのは知っているのが、どういった扱いが正しいのかはわからない。 ただ文中にもあったように、言うことを聞かない犬に暴力をふるいその後に優しくするのはまさ...
「極夜行」に出てきた、準備段階の旅の話。その中にもこれらの旅がいかに過酷かがあって気になっていた。 エスキモーの犬が愛玩動物でないのは知っているのが、どういった扱いが正しいのかはわからない。 ただ文中にもあったように、言うことを聞かない犬に暴力をふるいその後に優しくするのはまさにDVの常套手段ではないかと思ってしまった。 どうしてあのルートになったのか、という流れも興味深かった。 準備の為ではあるが、それぞれの冒険も波乱万丈で読んでいる分には面白かった。 水族館で柵越しに見てもセイウチは大きくて迫力がある。カヌーに乗っている状態で襲撃を受けるのは勘弁したい。 六分儀や犬を利用するための訓練や食糧などの備蓄も含め、あの旅のためにこれだけの準備が必要なのかと驚いた。改めて「極夜行」を読んでみたい。
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『極夜行』の準備期間の数年を描いた一冊。『極夜行』の中で、折に触れて登場する、準備期間のいろいろな検討や事件などが詳しく記載されていて楽しいです。 また、『極夜行』は基本的に単独行だったけど、こちらのほうはタッグを組んで旅をしていたり、シオラパルクの人たちとのいろいろなやりとりも...
『極夜行』の準備期間の数年を描いた一冊。『極夜行』の中で、折に触れて登場する、準備期間のいろいろな検討や事件などが詳しく記載されていて楽しいです。 また、『極夜行』は基本的に単独行だったけど、こちらのほうはタッグを組んで旅をしていたり、シオラパルクの人たちとのいろいろなやりとりもあったりして、それも楽しいところかなと思います。 『極夜行』を読んだ後だから楽しめる部分も大きいと思うけど、『極夜行前』を読むとまた『極夜行』を読みたくなります。どっちから読んでも結局はとても面白いと思います。
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タイトルの通り、「極夜行」の探検の前日譚、というか準備編。 海象にカヤックを襲われる話や特別製の六分儀など、「極夜行」で触れられたエピソードも詳細に確認できて楽しい。 なるほど、この準備があっての「極夜行」か、と改めて感じさせるが、本書の結末は尻切れトンボな感も。 「極夜行...
タイトルの通り、「極夜行」の探検の前日譚、というか準備編。 海象にカヤックを襲われる話や特別製の六分儀など、「極夜行」で触れられたエピソードも詳細に確認できて楽しい。 なるほど、この準備があっての「極夜行」か、と改めて感じさせるが、本書の結末は尻切れトンボな感も。 「極夜行」本編の予告編と思えばそれもありなのだが。
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読了せず。 極夜行を読む前に読んだ方がいい気がする。読んだ後に読もうとしたのだが、今はそこまでの気力がなかった。時間を空けて再読したい。
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自分のオススメは『極夜行』読後に本作を読むこと。 『極夜行』は予備知識などなく、いきなり読んで感じて欲しい。
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