盤上に散る の商品レビュー
苦悩する男の表紙に惹かれ手に取る。この男の正体が最後の対局の後で明かされるのだが、そのままの表現に泣かされる。 題名にしてもいかにも将棋の世界に生きる男の話を連想させるが、それだけでなく駒師のそのダンディズムというか考え方が総じてかっこ良く、こちらも最後に意味が分かる。 前作の盤...
苦悩する男の表紙に惹かれ手に取る。この男の正体が最後の対局の後で明かされるのだが、そのままの表現に泣かされる。 題名にしてもいかにも将棋の世界に生きる男の話を連想させるが、それだけでなく駒師のそのダンディズムというか考え方が総じてかっこ良く、こちらも最後に意味が分かる。 前作の盤上のアルファを読んでから時間が経っていたので人物を大分忘れていたが、話の邪魔にならない程度で登場しポイントを押さえてくれていた。 大阪の濃いキャラ連中や、背景となる人物達に少しこんがりがりそうになったが、昭和の時代をバックにした物語が重厚で読み応えがあった。
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面白かった! 個人的には前作より好き。順番に読んだ方が被る登場人物がいるので楽しめると思われる。 棋士というと堅苦しい品行方正なイメージがある。ひふみんが人気が出たのはそんなイメージからズレたお茶目さといい加減さがウケたのではないか。私も好きだ笑 この小説も棋士のイメージとかけ離れた、しかも、ひふみん路線ではなくアウトロー路線のきな臭い世界だった。 キャラクターがなんとも言えず良かった。出てくる人、みんな味がある。人間臭いところが良い。 関西弁のやりとりも最高だ。テンポ良くツッコミ合う感じが面白い。 謎多き伝説の真剣士を探す旅に出るのはアラフォー女(多分結構美人)とリーゼントのチンピラアサラー男。普通の会社員の女がどこから見てもちょっとやばい年下の男にだんだん慣れて、むしろ親しみを感じていくサマが良い。そして、安っぽい恋愛関係にならずに終わったのも良い。 ただ、この小説は恋愛小説です。 1割だけ恋愛要素があり、その1割だけで恋愛小説と言いたくなるほどの読者の心をキュンキュンさせる。 あらすじには恋愛小説と書いていないのでネタバレ設定しておきます(๑˃̵ᴗ˂̵)
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うん!相変わらずの関西のボケ、ツッコミの会話! ほぼ最後の真剣師 林鋭生を探して何千里っていう彼に会うまでの捜索がメイン。 亡くなったお母さんの手紙あった名前から探す女性、怖いおっちゃんに脅され探す元ヤンキー。 至る所で、2人のボケ、ツッコミ。その他も個性ある関西の人ら。 一応、...
うん!相変わらずの関西のボケ、ツッコミの会話! ほぼ最後の真剣師 林鋭生を探して何千里っていう彼に会うまでの捜索がメイン。 亡くなったお母さんの手紙あった名前から探す女性、怖いおっちゃんに脅され探す元ヤンキー。 至る所で、2人のボケ、ツッコミ。その他も個性ある関西の人ら。 一応、続編やけど、別にそれほど、気にせずに読める。私は前のも読んだけど。 「夢果つる街」(夢枕獏作)の時代みたいに生々とはしてないな… もう昭和が終わると厳しそう… 真剣師も博奕やから、今の世の中厳しそう… 更に三段リーグ編入試験というのができて、奨励会以外のアマチュアがプロになる道もある。 こんな時代の真剣師は、ツライな〜 ザ昭和って感じ! 生々としたテンポの良い会話がええ! こんな関西人ばかりではないので、何か面白い話出来るとかは思わないこと! そのテンポで、星一つアップ!
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続き物なので読みました。前作ほど将棋色はなく、盛り上がりに欠けました。人探しなので。 前作ともども、不幸な境遇の書き方がきっとりあるなんでしょうね、元記者だけに。なかなか自分の周りにはいない方々なので、読んでいるだけでも辛くなります。
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亡くなった母の遺品を整理していたら出されることのなかった手紙が発見された。相手は将棋の真剣師。母とのどんな関係があるのか?ツテをたどるうちに浮き彫りになる過去。人物描写とやりとりが面白かった。個性的で変な人ばっかり出てくるんだけど、「あ、こんな人いるいるー」と妙に共感できてしまう...
亡くなった母の遺品を整理していたら出されることのなかった手紙が発見された。相手は将棋の真剣師。母とのどんな関係があるのか?ツテをたどるうちに浮き彫りになる過去。人物描写とやりとりが面白かった。個性的で変な人ばっかり出てくるんだけど、「あ、こんな人いるいるー」と妙に共感できてしまうギリギリのラインでの描写笑。駒についての話もあり、高いものではン百万円もするものも...もはや芸術品ですね。一度そんな駒を拝んでみたいものです。
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これまた行動力のある娘さんなのである。尋ね人の情報を得るために京阪神をあっちゃこっちゃするその原動力は何であるか。ご都合主義と言う勿かれ。運命に導かれていると読めば良い。『盤上のアルファ』とのリンクを楽しむ。
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面白い。ただの続編じゃないのが憎いぜ塩田武士。テンポ良い展開と読んでて気持ち良い会話のやり取りが良かった。この人探しの様子は罪の声で更に磨きがかかったわけだ。ラストも良かったな。ちゃんと全部喋りきって終わりにするところがこの作家の良いところ。真剣師のおっさんの純愛かっこよかった。...
面白い。ただの続編じゃないのが憎いぜ塩田武士。テンポ良い展開と読んでて気持ち良い会話のやり取りが良かった。この人探しの様子は罪の声で更に磨きがかかったわけだ。ラストも良かったな。ちゃんと全部喋りきって終わりにするところがこの作家の良いところ。真剣師のおっさんの純愛かっこよかった。内容もさる事ながら、ちゃんと盤上のアルファの登場人物のその後がわかるのもとても良い。真田はプロになれたんだなあそれが知れただけでも読んでよかった。
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知らずに読んでましたが、続きものでした(笑) 真剣師の物語かと思いきや、将棋に纏わるストーリーはほぼなく、コテコテの関西人がたくさん出てきます(笑) 駒士の父が脳梗塞に、親子は離ればなれになり、自分の居場所を求め、真剣の世界に。何の希望もなく、ただただ生きていた彼に、転機が。 ...
知らずに読んでましたが、続きものでした(笑) 真剣師の物語かと思いきや、将棋に纏わるストーリーはほぼなく、コテコテの関西人がたくさん出てきます(笑) 駒士の父が脳梗塞に、親子は離ればなれになり、自分の居場所を求め、真剣の世界に。何の希望もなく、ただただ生きていた彼に、転機が。 大阪万博を控えた関西、何もかもが大きく変わるなか変わらないものが。 世代を越えて繋がる縁に未来を感じます♪
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藤井棋聖(!)の活躍で将棋に関する記事も増えてきた昨今。 勝負飯やら封じ手の作法やらそんなことが多くて肝心の勝負手についての記事が少ないのが玉に瑕だが、賑やかなのはまあいいか。 さて、そんな将棋界とはあまり関係がない将棋指しの話。今回もけったいな話やなぁ…。 それぞれの理由から...
藤井棋聖(!)の活躍で将棋に関する記事も増えてきた昨今。 勝負飯やら封じ手の作法やらそんなことが多くて肝心の勝負手についての記事が少ないのが玉に瑕だが、賑やかなのはまあいいか。 さて、そんな将棋界とはあまり関係がない将棋指しの話。今回もけったいな話やなぁ…。 それぞれの理由から、林鋭生を探すことになった明日香と達也。 途中からは一緒に行動することになるが、手掛かりを辿って出会うのは、おかしな人ばかり。 終章になるまで将棋の局面は出て来ず、今回も関西のノリを楽しめなければついて行くのが大変だ。 人物探しに終始して一周回って元に戻るみたいな話はかなりまだるっこしく、人間関係も絡みすぎてて分かりにくい。残念ながらあまり楽しめず。。
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『盤上のアルファ』から4、5年後を描く。母の死後、明日香は遺品整理の中で「林鋭生」宛の手紙を見つける。封のされたその手紙に引っ掛かりを感じ、宛名の人物を探すことになる。「林鋭生」を始め、前作の主要キャラが脇役として登場するので、連作として読めばより楽しめる。前作がプロに成りあがる棋士の物語なら、今作は真剣士の話ではあるのだが、本筋は父の形見でもあった伝説の駒を求め続ける駒士の物語である。読了後には、一つひとつの駒に込められた駒士の生に感慨を抱くはずだ。 「林鋭生」にとっての最後の一局は特に詳細に描かれており、作者の、昭和の時代や職人的世界、家族へのノスタルジーへの愛着が感じられる。最終盤で、家族の境遇を一気に明かす物語の捲りがどうにも憎い。
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