在宅無限大 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
在宅死は医療の普及によって成立した、は大切。訪問看護師さんの聞き取りから。むしろ哲学なのかもしれないけれど。だんだん、どんどん、がたがた。確かにそうだった。終末期の自己決定とは死に方の選択ではなく生き方のデザイン。ほっとしたり生き生きとできる体験の再発見、立ち戻り。過去に支えられて。看取りは、身体の安楽、家族にかかわる願い、運命に答えようとすること。なんか答えがすごい説得力があった。的確なアセスメントはバッドニュースであっても安心を与えてくれる、も。直面しないと始まらない、巻き込まれる。死は日常生活の脱落ではなく、日常生活の中の共同のプロセス。死期が願いを純化し、願いの実現が共同作業になる。一人で死ぬことであっても。衰弱の見極め、考えてることを引き出すこと。死を間際にした願いは社会的な自己と他者の水準にかかわる。
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訪問看護の実践現場で看護師が直面する死の需要過程(本人・家族…)を書いている。現象学者の著者による訪問看護師へのインタビューが中心となっており、粘っこいリアルを掬い出すかのような聞き手の問い・話し手の語り双方が見事でした。いま死が身近にない人にこそ勧めたい。
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複数の訪問看護師にインタビューし、哲学や現象学などと照らし合わせて在宅看護を考察していた。 読んでいて少し難しく思うところもあったが、とても感動したし、倫理観について考えたいとも思えた。 様々な看取りをインタビューで語っていた訪問看護師の言葉に感動して涙が出てくる場面もあった。...
複数の訪問看護師にインタビューし、哲学や現象学などと照らし合わせて在宅看護を考察していた。 読んでいて少し難しく思うところもあったが、とても感動したし、倫理観について考えたいとも思えた。 様々な看取りをインタビューで語っていた訪問看護師の言葉に感動して涙が出てくる場面もあった。 人は死ぬとき、本当の自分に出会えるものであると思った。 家で死ぬことがこれからは当たり前になる時代、訪問看護師によるサポートがより必須になってくると感じた。
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訪問看護師の「とっさの判断」を、現象学という手法を用いて、言語化している。訪問看護をしている人間からすると、その行為を追体験でき、ある意味で事例検討である。
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患者に対する看護の役割を「快を与えるには?」「願いを叶えるには?」「運命に応じるには?」の3つに定義し、その観点で看護師の体験談と著者の分析が語られています。 病院と在宅とでの患者の在り方の違いからそれに応じる看護の在り方も変わってくる。 正解がなく個別性が高い状況に対し打ち手は...
患者に対する看護の役割を「快を与えるには?」「願いを叶えるには?」「運命に応じるには?」の3つに定義し、その観点で看護師の体験談と著者の分析が語られています。 病院と在宅とでの患者の在り方の違いからそれに応じる看護の在り方も変わってくる。 正解がなく個別性が高い状況に対し打ち手は無限に存在するという意味で在宅無限大というタイトルにつながっているようです。 著者の文学的な語り口は好き嫌いが分かれるところかもしれませんが、インタビューを通したリアルな状況が描かれている良書と思います。
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現象学を専門とする哲学者が死の存在についてハイデガーとの違いを測ることで、在宅医療からみた死の性格を描き出すことに試みた著作。看護師に聞き取りをすることで、看護師から見えている世界とその動きを内側から描く。本書は、(1)患者の快適さを実現する、(2)願いを叶える、(3)困難な状況...
現象学を専門とする哲学者が死の存在についてハイデガーとの違いを測ることで、在宅医療からみた死の性格を描き出すことに試みた著作。看護師に聞き取りをすることで、看護師から見えている世界とその動きを内側から描く。本書は、(1)患者の快適さを実現する、(2)願いを叶える、(3)困難な状況に応答する、という3つの側面をサポートする存在として訪問看護をとらえた。それぞれは看護の本質的な部分ではあるが、病院の制約がない分だけ、本来の看護の力が発揮できていると考えることが出来る。その分、無限大であり、個別的である。どのような患者に対しても言語的にも非言語的にも対話し、生を間主観的なものとしてとらえている語りにあふれている。哲学的な素養はないので、哲学的な解説は理解しにくかったが、看護実践の内面からせまる手法により、より看護の醍醐味が理解できる内容になっていると感じた。
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看取りに携わる訪問看護師をインタビューしながらその実践を言葉にしていった本。読み進めるとその展開に引きこもれる。臨床実践に臨みその本質を言葉にする。これが哲学の今の姿だと思えてくる。
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