平場の月 の商品レビュー
起こったことを淡々と書いているかと思えば、比喩的な文や情緒的な文が入ってくるし、主語がなくて一瞬誰か分からなかったりと読みにくい。 でも、がん患者(大腸ガン)の生活や、その周りにいる妹や彼氏の気持ち、親の介護などがリアルに伝わってきて切なかった。あと数年すれば、私にも同じことが...
起こったことを淡々と書いているかと思えば、比喩的な文や情緒的な文が入ってくるし、主語がなくて一瞬誰か分からなかったりと読みにくい。 でも、がん患者(大腸ガン)の生活や、その周りにいる妹や彼氏の気持ち、親の介護などがリアルに伝わってきて切なかった。あと数年すれば、私にも同じことが起こるかもしれない。その時にもう一度読み返したい一冊かもしれない。
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直木賞候補作。 書店で手にしたら、すぐに入り込んでしまったので購入。 が… 読み進めるうちに、かなりしんどくなってしまった。 主人公たちと同年代の身にはとても苦しい内容で… 3年前に亡くした親友のことが重なってしまい… しばらく心から離れないと思う。
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朝霞、新座、志木。東京からみると少々辺鄙でお世辞にも素敵な町とは言いがたい場所に親の介護のために戻ってきた青砥健将。妻とも別れ地元の印刷会社に勤め精密検査で訪れた病院の売店で、中学時代の同窓生須藤に再会する。須藤も破綻した生活を逃れて地元に戻ってきている。こちらは精密検査で癌が見...
朝霞、新座、志木。東京からみると少々辺鄙でお世辞にも素敵な町とは言いがたい場所に親の介護のために戻ってきた青砥健将。妻とも別れ地元の印刷会社に勤め精密検査で訪れた病院の売店で、中学時代の同窓生須藤に再会する。須藤も破綻した生活を逃れて地元に戻ってきている。こちらは精密検査で癌が見つかり手術で切除するもオストメイトになり、ストーマに苦戦しつつさらに抗がん治療が続く。 決して素敵とは言いがたいシチュエーション。さらに若くない二人の恋物語は情熱的の素直にも進まない。そんな話なのに何故か胸にしみるのは齢を重ねたせいでしょうか。自分たちの身近に転がっていそうな、それでいてなかなか巡り会えないような話ではあります。 女性に好評であるらしい。男性目線で見ると須藤もう少し寄りかかれよという感じではあるのですが。
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50の友情はやっぱり色恋に落ちてしまうのか~ 自分と同じような世代の主人公たちの話はなかなかリアルで現実を見つめ直してしまう。 まぁそれでも中学の同級生だった好きな子が地元でばったり偶然出会ってしまうのはなかなかのファンタジーだし、でも自分の30代はそんなことがあったなぁと思いな...
50の友情はやっぱり色恋に落ちてしまうのか~ 自分と同じような世代の主人公たちの話はなかなかリアルで現実を見つめ直してしまう。 まぁそれでも中学の同級生だった好きな子が地元でばったり偶然出会ってしまうのはなかなかのファンタジーだし、でも自分の30代はそんなことがあったなぁと思いながらも、いやいやさらに20年、50代で出会うとお互いが身軽な独り者だったり、母の介護が待っていたりと、どうにも普通にありそうでなさそうな物語。 タイトルの平場という言葉が、同級生という構えることのない者同士の心情を表しているのがなかなか良かった。 まぁラストの花壇から~と言うのはいろいろなんか、突っ込みたくなるが、まぁいいかw
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
何か辛いことがあるとふと、思い出す。 何か嬉しいことがあると一緒に笑いたくなる。 話を聞いてほしい。 ただ横にいてほしい。 一緒に笑ったり怒ったり。 そんな人がいる。 自分にとって唯一無二な人。 何故かしら嫌いになることはないだろうと思う。 何故かしら?自分でもわからない。存在が総て。 青砥と須藤...そんな感じかな。 そんな相手が、いなくなるのは考えられない。会えなくなっても良いから、 どこかで生きていて欲しい。存在が総てなんだもの。 死を意識してしまったら、やっぱり会えなくなるかもなー。 どのくらい哀しむのか手に取るようにわかる。哀しむ顔は見たくない。 青砥には、いつでもバカ笑いして欲しいもの。 須藤が気配を消した気持ちがよく分かる。 会いたかっただろうに。 泣けました。
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せつない、大人の男女の物語。 50代で再開した中学の同級生二人。お互いに紆余曲折を重ね独り身になり、偶然に病院内のコンビ二で出会うことから始まる。 言葉の選び方がとても素敵な本です。
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女房がガンの闘病生活を送っているので、途中から読み進めるのが苦痛になった。 何で須藤はこんなに意固地なんだろう、もっと甘えても良かったのでは、と他人事ながらもどかしかった。 青砥の気持ちは次の文章でよく分かる。 須藤のからだががんに向かってファイティングポーズを取るあいだは...
女房がガンの闘病生活を送っているので、途中から読み進めるのが苦痛になった。 何で須藤はこんなに意固地なんだろう、もっと甘えても良かったのでは、と他人事ながらもどかしかった。 青砥の気持ちは次の文章でよく分かる。 須藤のからだががんに向かってファイティングポーズを取るあいだはセコンドについていたい。タオルを投げてくれと須藤のからだが言ったとき、いちばんそばにいたい。勝ったときに須藤に駆け寄り、抱きしめ、肩車するにもいちばんそばにいないとだめだ。だから、青砥は須藤と一緒になりたかった。
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なんかもうピッタリはまってしまった。 恋愛物で、人が死ぬ話はほんと好きでないのだけれど、これはいい。 最初にハッピーエンドでないことを言っておいてくれたのもいい。 二人とも独身(バツイチ)だったのもいい。 一歩間違うと、ケッ!てなるはずの話が、なぜにこんなに響いたのか。 読んで...
なんかもうピッタリはまってしまった。 恋愛物で、人が死ぬ話はほんと好きでないのだけれど、これはいい。 最初にハッピーエンドでないことを言っておいてくれたのもいい。 二人とも独身(バツイチ)だったのもいい。 一歩間違うと、ケッ!てなるはずの話が、なぜにこんなに響いたのか。 読んでる私の方の問題か⁉︎とか思ってしまうが、山本周五郎賞とか直木賞ノミネートとか、ちゃんと評価されてるので、やっぱりいい小説なんだろう。
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痛い。たぶん大人のそれもこの年代だからこそわかる痛さがそこにある。幼なじみでお互いに色々な過去を持ちながら今は独身の50歳。久しぶりに再会して恋愛が始まる。でもその恋愛は、決してはみ出すことがない。須藤が病気になっても彼女は葛藤をするよりも達観をしている。病気に苦しんでも決して心...
痛い。たぶん大人のそれもこの年代だからこそわかる痛さがそこにある。幼なじみでお互いに色々な過去を持ちながら今は独身の50歳。久しぶりに再会して恋愛が始まる。でもその恋愛は、決してはみ出すことがない。須藤が病気になっても彼女は葛藤をするよりも達観をしている。病気に苦しんでも決して心が荒れることもなくただただ達観している。そして恋愛も青砥がはみ出そうとしても「ちょうどいいしあわせ」と言う須藤の台詞の通り、はみ出すことなく整えて達観しているのだ。若ければもっと違う態度だったかもしれない。でも彼女はゴールが見えていたのだろうか。だからラストはああなったのかなと思うと切なくなった。もし二人がせめて30代だったら、若かったら違うゴールが見えていたかもしれないと思うともどかしくなる。でもどこかでこれが須藤の青砥への想いを貫き通した結果だとしたらそれはそれで良かったのかなとも思う。いや、思いたい自分がいる。久しぶりに心を揺さぶられた恋愛小説に出会った気がする。
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久々にいい本に会えた! 自分よりも相手を思いやる気持ちが大人の愛だと思った‼️ 須藤も青砥も大好きです。
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