犯罪小説集 の商品レビュー
ミステリのつもりで読み始めましたが、読み終わってみると「ワイドショーのような感じ」というのが、しっくりきました。 加害者でも被害者でも警察でも探偵でもない、第三者。 加害者がいて、被害者がいて、事件の中心にしかスポットは当たらないけれど、関わった人たちそれぞれにも心がある。 身近...
ミステリのつもりで読み始めましたが、読み終わってみると「ワイドショーのような感じ」というのが、しっくりきました。 加害者でも被害者でも警察でも探偵でもない、第三者。 加害者がいて、被害者がいて、事件の中心にしかスポットは当たらないけれど、関わった人たちそれぞれにも心がある。 身近な人を疑いながら過ごす日々とか、自分を責めながら過ごす時間とか、想像するだけでも苦しい。 解決したら終わりではないんですよね。 それぞれの犯罪において、加害者にも被害者にもなる可能性が誰にでもあって、その一線で踏み止まれるかどうか、なのかな。
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ミステリー方向に行くかとおもいきや、宙ぶらりんな後味の作品が多くて人によっては肩透かしを食らうかと。自分はこういう全編モヤモヤな話も好きなので非常に満足できた。 「白球白蛇伝」が特にお気に入り。
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犯罪は意外と自分と遠い存在ではない。 実際の事件をもとにしている。短編集。結末が明確に書かれていない作品も多く、読者自身が考える必要のある、深みのある一冊だった。 個人的おすすめは、万屋善次郎、百家楽餓鬼、白球白蛇伝! 《青田Y字路》 街や風景の描写が丁寧で、情景がすぐに浮かんで一気に話に入り込めた。圧倒される感じとか恐怖がリアルで、読後はやるせない気持ちになる現実感のある怖さを感じる。 村社会の怖さや差別、誰もがトラウマから犯罪者にもなりうるし、誰もが犯罪に巻き込まれるかもだし、逆に誰かを犯人に仕立ててしまう側にもなるかもしれない。同情する気持ちと「もしかしてお前が犯人か?」って疑う気持ちが入り混じって、すごく複雑な後味が悪い話。 《曼珠姫午睡》 唯一踏みとどまってくれた話。 《百家楽餓鬼》 勉強も仕事も頑張って懸命に生きてた人が、落ちぶれていく様が描かれていて悲しかった。最後は、餓鬼になってしまいました。 「あと少しやれば勝てる。」この気持ち、分からなくもない。 夫婦で真逆の生活をしている点も印象的で面白かった。 《万屋善次郎》 1番心が震えた話。とにかく苦しかった。 限界集落で起きた連続殺人事件。 犯罪者側の気持ちの方が理解できてしまった。 不器用ながらも真っ当に生きて、大切な人を大切にしてきたであろう善次郎がここまで追い詰められないといけなかったのか。報連相出来なかったことが、村八分にされるまで悪いことだったのか。謝罪しても許されないことだったのか。村のために日頃から動いてくれていた善次郎にこうなるまで誰も手を差し伸べることはなかったのは何故だろう。なら、自分なら巻き添えをくらってでも手を差し伸べることはできただろうか。沢山考えさせられた話。 言葉を話せない犬のレオと善次郎が重なって見え、辛かった。 《白球白蛇伝》 過去の栄光とプライド、家族からの期待を背負い捨てられなかった人の話。 気持ちが分かる部分があるからこそ辛いが、ここまで背負い続ける必要はあったのか。殺す必要は本当にあったのか。 最後の子供の涙が辛かった。
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人間の転落を描いた小説家。人が一線を超えてしまう瞬間やその引き金となる出来事の描写がとにかくリアルでその場に居合わせたかのような感覚になった。
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短編集。 各物語全てで終わりがスッキリしない。 3〜5話は実話ベースなのでまだ良いが、1話目が結局どうなったのか、もやもやして終わる。 ちょっと自分には合わなかった。
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うーむ。 吉田修一作品はどれも悪くないという印象があった。 本作も「楽園」という映画の原作ということで、映画の原作ならばそんなにつまらないことはないだろうと思い、読み始めたのだが。 うーむ、大して面白くない。 どの短編も犯罪者を描く。 犯罪者も犯罪者になろうとしてなった訳で...
うーむ。 吉田修一作品はどれも悪くないという印象があった。 本作も「楽園」という映画の原作ということで、映画の原作ならばそんなにつまらないことはないだろうと思い、読み始めたのだが。 うーむ、大して面白くない。 どの短編も犯罪者を描く。 犯罪者も犯罪者になろうとしてなった訳ではないパターンのやつ。 これはあんまりだった。星はギリギリ3つ。3.0。
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犯罪小説集と言うタイトルをワクワクして 読むとちょっと違うことに気づく 犯罪小説と言うか、人間の弱さ醜さ業と言うか…ジャンルとしては普通の小説かと 私は動物が出る映画や小説に弱い この弱いは好きとか感動する!とかではなく 辛いのである コメディでも動物が少しでも可哀想だったり 困難にぶち当たるシーンがあると、もう暫く立ち直れない そんな人は読むのが苦しい話がある 私はその話だけ、半分ぐらい読んで飛ばしてしまった
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実際にあった事件を基に描かれる5つの短編集。 全て決していい読後感ではない。 気持ち悪さが終始渦巻いている。 でも犯罪者やその周りを取り巻く人たちの心理をもっと知りたいと思わされるような中毒性がある。 ちょっとした出来事から、見栄や孤独など人間のドロドロした部分が露呈し重大な事件...
実際にあった事件を基に描かれる5つの短編集。 全て決していい読後感ではない。 気持ち悪さが終始渦巻いている。 でも犯罪者やその周りを取り巻く人たちの心理をもっと知りたいと思わされるような中毒性がある。 ちょっとした出来事から、見栄や孤独など人間のドロドロした部分が露呈し重大な事件に発展していくのが切ないしやりきれない気持ちにさせられる。
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本作は、少なくとも三〜五作目は実在の事件をもとにして書かれていると思うのだけど、明記されていないのはなぜだろうか ばからがき…大王製紙井川 ギャンブル狂い よろずやぜんじろう…『つけびの村』でも有名な山口連続放火殺人事件 白球白蛇伝…元千葉ロッテマリーンズ投手強盗殺人事件 ...
本作は、少なくとも三〜五作目は実在の事件をもとにして書かれていると思うのだけど、明記されていないのはなぜだろうか ばからがき…大王製紙井川 ギャンブル狂い よろずやぜんじろう…『つけびの村』でも有名な山口連続放火殺人事件 白球白蛇伝…元千葉ロッテマリーンズ投手強盗殺人事件 実際の事件がモチーフになっている犯罪小説は、人間の業の深さ、生い立ちや環境次第で一歩間違えば誰でも犯罪者になり得るのではないかと思わせるリアリティさが増す 完全なるフィクション(あり得ない筋)も面白いが、 こういう背景が本当にあったのかもしれないと思わせてくれる事件小説は、実際の報道内容と照合させて書かれているものもあるし、作家さんの想像力に依るものもあるだろう 人間の残酷さが実際には恐ろしいのに、なぜ小説やドラマ、漫画の中ではその描写を『娯楽、エンタメ』(より良い言い方が見つからない)として『楽しめる』のだろうか。没頭できるのだろうか 深淵を覗いた気がするからだろうか
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最初の話がすっきりしなかったので、連作かと思いきや、全くの別作品5本が収録されています。 最初の話は犯人がわからない(正確にはとある人物が犯人のように思えるけど違う気もする)ので気になるものの、それ以上に印象深かったのは万屋善次郎。田舎ならではの閉鎖的空間と濃密な関係の中、すれ違いから村八分につながって、本当に救われない。 最後の作品の子どもの涙も相俟って、後味の悪い小説でした。
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