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草々不一 の商品レビュー

4.1

29件のお客様レビュー

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2023/09/20

文の結句『そうそうふいつ』。 八篇を収めた作品。どれも、読後感がしみじみとする。『落猿』は特に。あまりの潔癖さ、潔さ、務めに忠実であるための心づもりが哀しい。刀を切り結ばないための命を賭けての務め。

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2023/05/04

8つの短編集。じわじわとくる深い内容なのだが、読むのに時間が掛かってしまった。 「草々不一」のタイトル作品は今まで聞いたことが無かったが、手紙の最後に添える言葉との事。意を尽くし切って居ないが、そこは忖度して下さい、との意味だそう。侍は武術があれば良いとして字を読むことを拒否して...

8つの短編集。じわじわとくる深い内容なのだが、読むのに時間が掛かってしまった。 「草々不一」のタイトル作品は今まで聞いたことが無かったが、手紙の最後に添える言葉との事。意を尽くし切って居ないが、そこは忖度して下さい、との意味だそう。侍は武術があれば良いとして字を読むことを拒否して来た御家人が、息子にも武術を強要し瀕死の目に合わせてしまい、結果的に学問の道に進んだ息子。息子は破格の出世をし、隠居となった父親はこれから妻とのんびり暮らそうと思ったら妻が麻疹で突然死。残された妻は遺言状を遺していた。何としても妻の遺言状を読もうと寺子屋に通い始めた父親。数年後に読み解かれた遺言状とともに感動的な結末を迎える。 たった一編の紹介ですが、他の短編も同様に深い人情話が続く。

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2022/12/11

時代小説は読み慣れているはずだけどこの本は飛び抜けて漢字が多い?なんだかやたらと目が疲れた。 内容はとても良いんだけど。 犬が語り手の話が好き。

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2022/06/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

時代小説短編集。「紛物」武士は頼むと言われたら助太刀しなくてはならない。逃げるが勝ちと言う言葉もあるのにね。「青雲」樽拾いの話は笑った。「蓬莱」十文字乗りの平九郎が格上の旗本にみそめられたということだったんだ。「春天」二刀流つかいの人と剣で心を通わせた芙喜。出会えてよかった。「草草不一」自分が死んだ後の夫のことを考えた妻の手紙が素晴らしかった。どの話もおもしろかった。

Posted byブクログ

2021/05/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

時代小説の市井人情ものが好きなんだが、人情を絡めるとなると、どうしても町民と言われる人々の生活を描かれたものが多くなる。貧乏暮らしでも人々が助けあって生きていく、袖振り合うも他生の縁…的な世界が似合うから。 では、江戸カーストで最上位だった士、すなわち武家社会ってのはどうだったのかというと、これがせっかくの上位階層やのに、なんだか生きにくそうな社会なのである。しきたり、対面、見栄、上意下達なんやかや…、 この短編集は、その生きにくい武家社会を生きる人たちの姿を描いたもの。小説としての出来は良くて、うならされたり、感動を覚えたり、さすがは朝井まかて。 でもやっぱり武家社会は面倒くさそう。堪え難きを堪え、忍び難きを忍んで勤めに勤しむ生真面目サラリーマン諸氏には、自分の姿も反映できて、好まれそうだが、俺みたいな、グータラ根性なしウィンドウズ50(窓際50代)では、「うわぁ、俺無理、せいぜい頑張ってね」とか他人ごとに思ってしまうのだ。

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2020/10/16

小編、肩が凝らない、カラフル感を感じる なるほどねー、世間体は無力なようで、大きな力を持っているものですね。一滴一滴でも集まれば、ねぇ、この海の波になるんだもの

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2020/07/26

江戸時代に生きた人々の息遣いを、こんなにも身近に感じさせる筆致は今作でも遺憾無く発揮されていて、大満足(^^) 特に「落猿」を読み終えた後の緊張感が印象深い。結末の行方は読み手に預けた形だが、いまだにその選択はいかに?と考えてしまうほど。

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2020/01/14

とても、とてもよかった。文章のリズムなのかな? 朝井まかてさんの本はいつもすっと馴染みます。誰もが知る歴史的人物ではない……けれど確かに士分を持ってそれを全うした人たちにスポットライトをあてた短編集。既刊の、次は何を読もうかな。

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2019/09/02

【収録作品】紛者/青雲/蓬萊/一汁五菜/妻の一分/落猿/春天/草々不一   江戸時代の武士の悲喜こもごもの生き様。

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2019/08/25

江戸時代も平和になり、そんな中、食べることにも中々に苦労する武士達の話の短編集。 どの話も心温まるものがあって面白かった。 家族を支え生活もしていかねばならないが、武士としてのプライドも捨てられない。 武士の日常が切なくなる。 読み終わり、頑張れ武士!の気分。

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