さよならの夜食カフェ の商品レビュー
シリーズ最終巻 不定休で予約もできずネットにも情報がない隠れ家カフェ でも縁があれば必ずたどり着ける 1本のハナミズキとカンテラの明かりが目印の夜食カフェ 1冊で1年の時が流れ、店内の様子は同じ表現が繰り返され、変わらず在ることを伝えてくれる 前シリーズに登場していた人物が今度...
シリーズ最終巻 不定休で予約もできずネットにも情報がない隠れ家カフェ でも縁があれば必ずたどり着ける 1本のハナミズキとカンテラの明かりが目印の夜食カフェ 1冊で1年の時が流れ、店内の様子は同じ表現が繰り返され、変わらず在ることを伝えてくれる 前シリーズに登場していた人物が今度は主人公となりシャールと出会っていく 母の願いを叶えて背伸びしたお嬢様学校に通う女子高生、若くしてトロフィーワイフの座を勝ち取った元モデル、世界一をキャッチフレーズに稼ぎまくる料理人など年代も生きている世界も交わることのなかった人たちがシャールと出会い価値観を揺さぶられていく 最終話はシャール自身の今と先が描かれている 何が起こるわけではないけれど、シャールの変わらぬ想いが静かに描かれていて読んでいて心地よい シリーズを通して変わらぬシャールとお店、訪れる人は決して好意的な人ばかりではないけれど、それぞれが立ち止まり振り返りそれぞれの道を自分で歩いていく それがまたマカン・マランを支えていくことにもなる 変わらないこと、変わっていくこと、それぞれを受け止めて受け流して自分の機嫌は自分で上手に取ること、それを教えてくれるシリーズだった
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これまでの繋がりとともに、また新たな物語が四編。 再生がテーマだと分かっていても、その再生のための道が極めてよく出来ていて、ついつい感動してしまう。 不安と戦うのは、心の筋トレというのは、このシリーズからもらった大切な一言である。
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終わってしまった。(放心状態) 大好きだったマカン・マランの世界。 淋しい。 これほど過去のしがらみを解いてくれた本は他には見当たりません。(個人的に) 本当にお世話になりました。 今回は心の浄化と共に前を向かせてくれる(明日への活力がみなぎる)ストーリーでした。 中でも「...
終わってしまった。(放心状態) 大好きだったマカン・マランの世界。 淋しい。 これほど過去のしがらみを解いてくれた本は他には見当たりません。(個人的に) 本当にお世話になりました。 今回は心の浄化と共に前を向かせてくれる(明日への活力がみなぎる)ストーリーでした。 中でも「第三話 追憶のたまごスープ」に登場するフレーズが印象的でした。 ”そりゃあ、不安と向き合うのは骨が折れるわよ。筋トレって基本的に苦しいものだから。でもそれを続けていれば、完全な解決はしなくても、心の筋力は鍛えられるのではないかしら”(抜粋) 不安と向き合う=決断を迫られる、とも言い換えることができるのではないかな、と思いました。 私たちは生きていく中で、数々の決断を迫られ、必ず何かを選んで行動していると思うんです。 その決断の数だけ、不安と向き合い、苦しみが伴う。 でも、その経験を乗り越えていくうちに逞しくなっていくと思うんですよね。(その逞しさの中には、世間の荒波の超え方だったり、ずるがしこさだったりも含まれている) そう考えると、仕事でイロイロありますけど(笑)、筋トレの一環と思ってこなしていくのもアリかな~、なんて思えてきたり。笑 不安や決断から逃げるって選択もあるんですけど、結局同じ不安や決断が時を経て巡ってくるんですよね。(悲しいかな、これぞ運命……) そう考えると、出てきたタイミングで素早く立ち向かってパワーアップしちゃった方がいいような気もしてきました。(こうなると、ゲーム感覚になってきますね。苦しんでいる時はそんな風に考えられませんが) このフレーズ読んでいたら、月曜からの仕事(面倒事が待っている。うえっ)に前向きな気分になれました。 本当に感謝です。 「第一話 さくらんぼティラミスのエール」は学生時代を思い出しました。 ある、あるよ、こんな事、大人になってもあるよ。 それこそが人生勉強って事なんだと思う。 それらを経験して”思いやり”って何なのかを学んでいくんですよね。 もし、実写化するのであれば、シャールさんは北村一輝さん、ジャダさんは賀来賢人さんで。。。お願いします。 この人達しかいないと思う(個人的希望……)
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シャールさんの視点で完結したのがよかった いろんな人の物語があったが このシリーズの中でも一番響いたのは3話目。 同じ女性として、 ブランド物やいいお店に連れて行ってもらっても 孤独に感じる瞬間、何者でもない自分 誰かに与えられた人生 周りの人が妬ましくなる、 こんな感情はあるのではないか、と思った ただ、そう妬ましいと思っていた人も いろんな苦悩があり、それがこの物語の中で 多様な視点で出てくるので、 自分だけが悩んでるのではない、 一人きりじゃない、と思えた とてもいい本でした
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大きな包容力、そして迷い悩んでいる人達の背中をそっと押してくれるシャールさんに心が温められる。それぞれのエピソードに名言が綴られていて、どこか自分と重なる登場人物だからこそ深く心に響いた。人生を豊かにしていけるよう、自分にとって大切なものを見つけ慈しんでいきたい。 何度も読み返し...
大きな包容力、そして迷い悩んでいる人達の背中をそっと押してくれるシャールさんに心が温められる。それぞれのエピソードに名言が綴られていて、どこか自分と重なる登場人物だからこそ深く心に響いた。人生を豊かにしていけるよう、自分にとって大切なものを見つけ慈しんでいきたい。 何度も読み返したいと思う素敵な作品だった。
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ドラァグクイーンの営む夜食カフェ、とうとうおしまい。亡き母が憧れた名門女子校に通う女子高生、非日常をコンセプトにする料亭のオーナーシェフ、高層マンションに二十歳年上の夫と暮らす若い主婦、最後は夜食カフェの店主。 「自分を憐れみたくなったら、誰かに八つ当たりしたり、甘えたりしないで...
ドラァグクイーンの営む夜食カフェ、とうとうおしまい。亡き母が憧れた名門女子校に通う女子高生、非日常をコンセプトにする料亭のオーナーシェフ、高層マンションに二十歳年上の夫と暮らす若い主婦、最後は夜食カフェの店主。 「自分を憐れみたくなったら、誰かに八つ当たりしたり、甘えたりしないで、自分で自分の機嫌を上手に取って元気になる。それこそが、大人の嗜みというものよ」 大人の嗜み、できてないなぁ。難しいなぁ。
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とうとうこのシリーズ終わってしまった…大好きな作品ってなかなか最後まで読みたくないから読むのに時間かけました笑 こんなカフェ行きたい! シャールさんお会いしたいです♪
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シリーズ4冊、あっという間に読破しました。物語に、登場人物それぞれの人柄に惹き込まれて読書の手が止まりませんでした。 どのお話にもそれぞれ好きなところはありますが、1番身に染みたのは第一話。 「自分を憐れみたくなったら、誰かに八つ当たりしたり、甘えたりしないで、自分で自分の機嫌を上手に取って元気になる。それこそが、大人の嗜みというものよ」という言葉を噛み締めています。 自分を憐れんで傷ついて、誰かに機嫌を取ってもらうことで安心する、そんなことをしようとしてしまう自分がいます。 でも、その方法だと本当に安心できることなんてなくて。 きちんと、自分を元気にできるようになりたいな、と思いました。 シリーズを通して、様々な人とシャールさんの関係性が垣間見られますが、柳田先生の存在がシャールさんにとってとても大きなものなのだろうな、と思いました。 御厨清澄としての自分も、シャールとしての自分も、ありのままに見てくれる。嫌悪感は隠さないけど、拒絶はしない。絶妙な受け入れ具合だと感じます。 登場人物の色んなことに想いを馳せるとシリーズが終わってしまったことが寂しくなります。 またいつか、マカン・マランとご縁があると良いなと願うばかりです。
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楽しい時間もあっという間に終わってしまいました。 またすぐシャールさんに会いたい。 とても心温まるお話ばかり。 シャールさんの言葉やお料理、どれも心に響くものばかりでした。 そろそろ続編が出てもいい頃ではないでしょうか。 楽しみに待ちたいと思います。
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マカン・マラン おし(四)まい ああ、大好きなシリーズが終わってしまった… とても良い〆だった。 いまさらだが、マカン・マランは1冊で1年を描いていた(やっと気づいたのー?!) 一年の締めくくりはふぅーとひと息つくのと同時に、なぜか少し寂しさを感じる。 四作目もじわっときた。 第一話の女子高生。若いときほど独りよがりが過ぎることがある。自分勝手。 自分のキズにばかり敏感で、振り払った他人のキズには見向きもしない。そういう経験を重ねて、人は優しくなっていくのだろう。 『友達に限ったことではないわね。親子とか恋人とかでもそうでしょうね。特別な関係になると、つい嬉しくて、相手に多くを期待したくなっちゃうけど、期待って簡単に甘えに変わるから』 『自分を憐れむのって癖になるの。だって、傷つくのって楽ですもの』 第二話では『みたび』で出てきた料理人 省吾の同僚だった料亭「ASHIZAWA」の芦沢庸介が登場。 こんなに強くてエネルギッシュな人が、マカン・マランを必要とするの??と読み進めてくと…。 世界に出る人はやはり精神力が強い!居心地のいい場で癒しの場があるのもいいが、戦うのを厭わない人もいるのだ。 『自分で自分を救うのに、どこの誰に、一体なんの遠慮がいるというの』 第三話もまたしても『みたび』の仮面夫婦 耀子の回に出てきた二十代の更紗が登場。 二十以上の年の差婚ですれ違いを感じはじめる。いつも不安で「特別」になりたいと思っている。人に依存するのではなく、自分で進んでいく。親になるならなおさら強くならなければならない。 『人は誰かに見送ってもらえれば、案外、次の一歩をしっかりと踏み出せるものよ』 『不安と向き合うのは骨が折れるわよ。筋トレって基本的に苦しいものだから。でもそれを続けていけば、完全な解決はしなくても、心の筋肉は鍛えられるのではないかしら』 第四話 また一年が終わる… この年はシャールがみんなへ「ガレット・デ・ロワ」を振る舞う。 フランスの1月6日の公現祭に食べる特別なお菓子。 【公現祭、Epiphany、顕現】 顕現…日常生活や普通の出来事の中に、何かの本質が突然姿を現す瞬間とかにも使われる。 パイの中に“フェーブ”という陶器のアイテムが入っている。本当はパイの中に1つだけだが、これにはみんなの分を入れた。 シャールはみんなのこれからを願い、これをプレゼントしたのだろう。 シャールは読者にもプレゼントを贈ってくれた。 このシリーズの外の登場人物、美青年の旅立ちをここに描いた。 そして『おしまい』の各話、最後のブロックのあたまにアイテムを仕込んだ。何が出てくるかは読んだ人だけのお楽しみ。 シャールの孤独も、読者の孤独も癒してくれる、マカン・マランのカンテラは今日も灯っているのだろう… ーー 各話の紹介(公式サイトより) ◆…主要キャラ ◇…サブキャラ ●第一話「さくらんぼティラミスのエール」 "ぼっち"に怯える女子高生に (秋元希実 …ビーズ好きの高校生。友人関係に悩む。マカン・マランで習う) ●第二話「幻惑のキャロットケーキ」 時代の最先端をひっぱるイケメン料理人へ (芦沢庸介 …料亭「ASHIZAWA」のオーナーシェフ。省吾と同じシェフのもとで働いたことがある。) ●第三話「追憶のたまごスープ」 トロフィーワイフの立場に固執する若奥様に (平川更紗 …夫とは二十以上の年の差婚。耀子とおなじくタワマン住み) ●第四話「旅立ちのガレット・デ・ロワ」 お店を訪ねてきた美青年。彼に、シャールが渡したプレゼント (雪村襟香 …柳田の教え子、水泳選手。性同一性障害。※別作「銀色のマーメード」の人物)
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