雨上がり月霞む夜 の商品レビュー
単に「月」とタイトルにあること、妖が出てくること。そこに惹かれて読み始めたが。。 文体があわないのか? リズムが違うのか? 読むのに時間がかかってしまったな。。 途中、何度となく辞めようか?と思ったりしたが、なんとなく、最後まで読んでみたい。という思いもあり、それが勝った。 が...
単に「月」とタイトルにあること、妖が出てくること。そこに惹かれて読み始めたが。。 文体があわないのか? リズムが違うのか? 読むのに時間がかかってしまったな。。 途中、何度となく辞めようか?と思ったりしたが、なんとなく、最後まで読んでみたい。という思いもあり、それが勝った。 が、残り3分の2くらいで、一気にリズムに乗れた感。 あの読めない期間はなんだったのだろう。。 これ、「雨月物語」を実際に読んでいたら、始めから楽しめただろうな。。 それが少しもったいなさを感じる。 口の悪い遊戯。 でも、この妖、結構好きだな。。 雨月から委任された見守り役。 もしかしたら、今も、「雨月様の物語がこんな形で世に出ている。さすがは雨月様!」と、思っているのかしら?
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何の前知識もなしに読み始めました。 大坂商人の町の話なのに全く活気というものが感じられなく、どのようにどんな話が進んでいくのか…。幼馴染の仙次郎こと上田秋成、正太郎こと雨月、そして妖の兎・遊戯が主な登場人物。ここで知識のある人は気づくのだろうけど、私は全くわからず。でもそれはそれ...
何の前知識もなしに読み始めました。 大坂商人の町の話なのに全く活気というものが感じられなく、どのようにどんな話が進んでいくのか…。幼馴染の仙次郎こと上田秋成、正太郎こと雨月、そして妖の兎・遊戯が主な登場人物。ここで知識のある人は気づくのだろうけど、私は全くわからず。でもそれはそれで物語を楽しむことができました。『情に身を任せるのも、同族の肉を食らうのも、やはり自然のうちではないのか?現に獣は、春になれば盛りを迎え、死んだ仲間の肉も食らう。獣じみた行いなればこそ、人は禁忌としてそれを戒めているのであろう。さよう。自然から外れておるのは、我ら人の方なのだ』 『どうして月には、何事か語りたくなるのか。日は眩し過ぎて、常に活気に満ちあふれていて、弱音を吐いてもはね返されそうだ。対して月は、何も主張しない。黙って耳をかたむけてくれる。』 だから、弱った時いつもついつい月を眺めてしまうんだわ。
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雨月物語を底本として…という思っていたような小説ではなかった。 雨月物語から着想を得て、こーんなに話が膨らむとは驚異的だな西條さんはと思った。 メイキングオブ雨月物語的な一面もあった。雨月物語を読む前にこちらを読むと、雨月物語を読む気持ちがむちゃくちゃ高まる。 八年以上十分に熟成...
雨月物語を底本として…という思っていたような小説ではなかった。 雨月物語から着想を得て、こーんなに話が膨らむとは驚異的だな西條さんはと思った。 メイキングオブ雨月物語的な一面もあった。雨月物語を読む前にこちらを読むと、雨月物語を読む気持ちがむちゃくちゃ高まる。 八年以上十分に熟成してできた雨月物語を「一瞬、垣間見えた、虹色の景色」と思って読むことができた。 西條さんは、弱いものへの視線が優しいなあ、だから好き。 小説が生まれる時の描写も興味深かった。
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文学史年表ではおなじみの『雨月物語』ですが、私はまだ読んだことがなく…読んでたらたぶんもっと面白かったんだろうなぁ。しかし、伝奇ものということで西條作品としてはちょっと珍しいのかな?なかなか良い雰囲気というか空気感でしたね。兎の妖のビジュアルが「鳥獣戯画」のあの兎というのもポイン...
文学史年表ではおなじみの『雨月物語』ですが、私はまだ読んだことがなく…読んでたらたぶんもっと面白かったんだろうなぁ。しかし、伝奇ものということで西條作品としてはちょっと珍しいのかな?なかなか良い雰囲気というか空気感でしたね。兎の妖のビジュアルが「鳥獣戯画」のあの兎というのもポイント高かったです。切なくも優しいお話でした。
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「雨上がり月霞む夜」(西條奈加)を読んだ。 西條奈加さんの作品を読むのは初めてだな。 雨月物語は私の中ではもうすっかり忘却の彼方であるが、それを下地としたこの物語は新鮮味があって面白い。 最後に『秋成』と『雨月』の関係が詳らかになる過程が少し間怠っこしい気もするが良しとしよう。
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雨月物語の西條奈加バージョン.京の都の不思議が綴られる.最後の方のオチも少し理解しにくいがなかなか良い.
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江戸時代中期に書かれた『雨月物語』を 西條奈加さんの解釈で 人情味たっぷりに書かれている。 妖と言えど、化身になるには それなりの理由があってのこと。 幼馴染の雨月と、遊戯と呼ばれる兎に 癒される。 物語が進むにつれ、寂しさが伴ってくるのは・・・。 『雨月物語』を読みたくなった...
江戸時代中期に書かれた『雨月物語』を 西條奈加さんの解釈で 人情味たっぷりに書かれている。 妖と言えど、化身になるには それなりの理由があってのこと。 幼馴染の雨月と、遊戯と呼ばれる兎に 癒される。 物語が進むにつれ、寂しさが伴ってくるのは・・・。 『雨月物語』を読みたくなった。
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雨月物語を大胆にアレンジして,上田秋成の読み本を書くまでの葛藤を描いている.妖も当たり前のように登場し,まるで禅問答のような会話も多い.
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すごいなあ。雨月物語からインスピレーションを得て、雨月物語の9話とおなじ9つの区切りながら、違う昔話と、上田秋成についてのもしもストーリーを創り上げちゃった。西條さんも粋だけれど、あらためて数百年も世に残る雨月物語という作品の文学性のすごさに圧倒。1000年後も雨月物語を読んだだ...
すごいなあ。雨月物語からインスピレーションを得て、雨月物語の9話とおなじ9つの区切りながら、違う昔話と、上田秋成についてのもしもストーリーを創り上げちゃった。西條さんも粋だけれど、あらためて数百年も世に残る雨月物語という作品の文学性のすごさに圧倒。1000年後も雨月物語を読んだだれかがまたあらたな物語を生むんだろうか、、浪漫だなあ。 短編9つ。ですが1つの物語。 備忘録 紅蓮白峰(ぐれんしらみね)/菊女の約(きくじょのちぎり)/浅時が宿(あさじがやど)/夢応の金鯉(むおうのきんり)/修羅の時(しゅらのとき)/磯良の来訪(いそらのらいほう)/邪性の陰(じゃせいのいん)/紺頭巾(あおずきん)/幸福論(こうふくろん) “雨月”と秋成の関係性も、心理学的かつ哲学的×耽美ぽい世界があり、女性向けだろうなあこれ、好みの絵師さんに描いてほしい和のファンタジー。 実際に雨月物語をもちろん原文で読んだことはなく、ざっくり現代語訳のうちのいくつかしか知らない程度だったので、今回これを機にあれこれ復習できてとてもよかった、あらためてまた読んでみたいな。物書きの性、文学の意義などについても自分なりに考えちゃったな。とても好奇心と思考をつついてもらえる1冊でした。満足。
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どうも読み損ねてしまったらしい。 江戸時代の怪異譚『雨月物語』をベースにした短編集です。 作者・上田秋成のほかに秋成の幼馴染の雨月、そして憎まれ口を叩く兎の妖怪「遊戯」が主要な登場人物。この構図がなかなか良いのです。さらにファンタジー色のある怪異譚。面白く無いはずがないのです。世...
どうも読み損ねてしまったらしい。 江戸時代の怪異譚『雨月物語』をベースにした短編集です。 作者・上田秋成のほかに秋成の幼馴染の雨月、そして憎まれ口を叩く兎の妖怪「遊戯」が主要な登場人物。この構図がなかなか良いのです。さらにファンタジー色のある怪異譚。面白く無いはずがないのです。世評も高い。でも、何故か乗り切れませんでした。 原作を読んでないせいなのか、初っ端で違う方向(もっとスラップスティックな展開)を期待してしまったせいなのか? まあ、こういう事もあります。
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