はつ恋 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
「愛しい誰かを想う時の、心臓のまわりがきゅっと窮屈になるような、甘くて少し凶暴な感覚」 そんな甘酸っぱい感覚はとっくの昔に失ってしまっていたと思っていた。 ましてや40・50代にもなって、好きな相手に対して全身全霊を注ぎ素直に甘えられるなんて。 「恋に、適齢も不適齢もありはしない。落ちてしまえばそれが答えだ」 そこまではっきり言い切れる強さ、自信。 それは羨ましくもあり、けれどそこまで出来る自信は私にはない、とそんな自分がちょっと情けなくもある。 刹那的な恋人ごっことは違う。 一途に真っ直ぐに愛しい人と愛情をぶつけ合う二人。 若い頃に経験した「初恋」とは違い、二人の「はつ恋」はこの歳になって再び経験したからいいのかもしれない。 頭ぽんぽんか…男の人から最後にされたのいつだったっけ…としばし思いを巡らせる。
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ミルク・アンド・ハニーの焼き直し感が半端ない。物語自体がとても素敵だっただけに、どこかで見た風景がちらついて終始落ち着かなかった。 年齢を経ても見えてくる世界は同じであり違うものも新鮮に感じられて、それを2人で共有する大切さが ふんわりと伝わってきた。 大切な人を心から大切と思...
ミルク・アンド・ハニーの焼き直し感が半端ない。物語自体がとても素敵だっただけに、どこかで見た風景がちらついて終始落ち着かなかった。 年齢を経ても見えてくる世界は同じであり違うものも新鮮に感じられて、それを2人で共有する大切さが ふんわりと伝わってきた。 大切な人を心から大切と思えることやその気持ちを素直に伝え合うことで 行間の空気があたたかく感じた。
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ゆるゆると、40代の紆余曲折の果ての大人の恋愛。 いくつになっても、切なかったり、会いたかったり、腹立たしかったり、恋はそういうものだけど、 まー40代でそんな風に恋ができるのはよいことだ。 大人だからこそ、他人にはなかなかのろけたり愚痴ったりできないだろう話を読まされた感。
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4月の遠征のお供に。こういうゆるゆるした村山作品は久しぶりのような気がしつつ。こんなに余裕のあるような40代が送れるとは思えない自分に、ちょっと残念な気もしつつ。 2019/4/19読了
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20代、30代、40代と年齢を重ねる度に、心の中もどんどん大人になっていくものだと10代の頃には思っていた。30歳になった時、40歳になった時、見た目は変わっていくのに中身は思ったほど変わっていないことに気付いて、もしかして自分の心はこのままなのかな、と思ったけれど、それなら恋も...
20代、30代、40代と年齢を重ねる度に、心の中もどんどん大人になっていくものだと10代の頃には思っていた。30歳になった時、40歳になった時、見た目は変わっていくのに中身は思ったほど変わっていないことに気付いて、もしかして自分の心はこのままなのかな、と思ったけれど、それなら恋もいつだってできるんだと思う。お互いにバツを重ねても、自分のいろんな感情をちゃんと出せるような相手とずっと暮らしていけるなら・・・ 思わずバツの自分と重ねて、かすかな光が見えたようで少し嬉しくなった。笑
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同作者の「ダブル・ファンタジー」は女性性にゲンナリしながら読み進めたという記憶が残る作品であった。 今作の設定であるアラフィフの恋が最後の恋といえるかどうかの疑問は残るが、30数年ぶりに結ばれた幼なじみの恋の物語として、読後感は悪くはない作品。 (内容紹介) 海の近くの日...
同作者の「ダブル・ファンタジー」は女性性にゲンナリしながら読み進めたという記憶が残る作品であった。 今作の設定であるアラフィフの恋が最後の恋といえるかどうかの疑問は残るが、30数年ぶりに結ばれた幼なじみの恋の物語として、読後感は悪くはない作品。 (内容紹介) 海の近くの日本家屋に愛猫と暮らす、小説家のハナ。 二度の離婚を経て、人生の後半をひとりで生きようとしていた。 喪失も、手放すことも知ったから辿り着いた、古くて新しい恋人――。 人生における実りの秋、”最後の恋”を描く。
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設定しての7,8割が作者本人と被っていて、私小説っぽいというか、最終的にこういう穏やかな日々を送りたいという、作者本人の願いも含まれているのかなと思いました。 これまた私小説要素のある「ミルク・アンド・ハニー」とも被る部分があり、悪く言えば設定の使い回し、よく言えば味付けと切り取...
設定しての7,8割が作者本人と被っていて、私小説っぽいというか、最終的にこういう穏やかな日々を送りたいという、作者本人の願いも含まれているのかなと思いました。 これまた私小説要素のある「ミルク・アンド・ハニー」とも被る部分があり、悪く言えば設定の使い回し、よく言えば味付けと切り取り方の違い。 本書で描かれる日々に行き着くまでに、きっとハナ&トキヲもWFシリーズの奈津みたいな激動の人生だったんだろうな……。 四季折々の風景描写や、近所の亀吉さんの方言の文字での表現がほんと豊かで、ゆるゆると読めました。
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NHKのネコメンタリー 猫も、杓子(しゃくし)も。特別編「村山由佳ともみじ 軽井沢の日々よ 永遠に」を観た後だったので、様々な情景が色鮮やかに浮かび読後感の良い一作である。小説というよりはエッセイに近く、長く恋愛と闘ってきた末の安寧の日々が丁寧に紡がれている。緩やかに迫る老いと去...
NHKのネコメンタリー 猫も、杓子(しゃくし)も。特別編「村山由佳ともみじ 軽井沢の日々よ 永遠に」を観た後だったので、様々な情景が色鮮やかに浮かび読後感の良い一作である。小説というよりはエッセイに近く、長く恋愛と闘ってきた末の安寧の日々が丁寧に紡がれている。緩やかに迫る老いと去っていった若さ。それぞれとちょうど向き合える、本当の意味での大人になった者でしか描けない幸せの形をのぞいた気がする。
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あっという間に読めて、読後感がなかなか良かった。 大人の遠距離恋愛の、自立と甘えのバランスが上手な二人だと思う。
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これまでこの作者には淫らな恋の物語を散々読まされて来た様な気がするが、本作はなんとも可愛らしい小説、いや多分私小説なのだろう、SEX描写もごく一般的な恋人同士のまぐわいの様に感じる。歳を経てから達した境地なのだろうか、遠距離恋愛のお互いを拘束し合わない関係がいいのかもしれない。や...
これまでこの作者には淫らな恋の物語を散々読まされて来た様な気がするが、本作はなんとも可愛らしい小説、いや多分私小説なのだろう、SEX描写もごく一般的な恋人同士のまぐわいの様に感じる。歳を経てから達した境地なのだろうか、遠距離恋愛のお互いを拘束し合わない関係がいいのかもしれない。やや拘束したがる様子を見せると危ない気配も感じられたが果たしてこの先どこまで持つのだろう、今の所はお幸せにとは言っておこう。
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