平成くん、さようなら の商品レビュー
平成を擬人化するとどうなるのか。それを示した作品だ。文学的と言えるかどうかは分からないが狙いが面白いのは確かだ。どこか村上春樹的な雰囲気もある。 平成という名の人物はさしたる才能もないのにその名で有名になり、ある程度の地位と名声を持っている。華やかな生活の裏には無機的な感情が...
平成を擬人化するとどうなるのか。それを示した作品だ。文学的と言えるかどうかは分からないが狙いが面白いのは確かだ。どこか村上春樹的な雰囲気もある。 平成という名の人物はさしたる才能もないのにその名で有名になり、ある程度の地位と名声を持っている。華やかな生活の裏には無機的な感情があり、作品世界では容認されている安楽死をひたすら求めるネガティブな考えの持ち主だ。その理由は後で証される。 語弊を恐れずに述べるならばこの小説に感情移入することは私にはできなかった。この小説はあくまでも時代の擬人化であり、個人の感情からは離れている。平成くんのような実物はどこにもいそうであり、どこにもいない。語り手の愛のような女もまたしかり。文学の定義は人によって様々だとは思うが、この作品は文学の体裁をもった社会学の作品だ。 皮肉な表現をしたが作為的な作品ゆえにこの小説には意味がある。
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みんな早く読んでくれ。1分1秒ごとに読み損ねているぞ。こんなに賞味期限のある小説はない。平成を知る資料にもなるけれど、平成を振り返る小説にもなるけれど、平成を知る私たちは、平成に生まれた私たちは、今読まなきゃ。迷っている人は1分でも1秒でも早く読んでほしい。全員が読むべきものとま...
みんな早く読んでくれ。1分1秒ごとに読み損ねているぞ。こんなに賞味期限のある小説はない。平成を知る資料にもなるけれど、平成を振り返る小説にもなるけれど、平成を知る私たちは、平成に生まれた私たちは、今読まなきゃ。迷っている人は1分でも1秒でも早く読んでほしい。全員が読むべきものとまでは言わないけど、迷っている人、気になってる人は早く読んだほうがいい。改元してから読むのもまた一興。でもそれは2回目でいい。その時点で過去のものになってしまっているから
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安楽死ということについて日本の今の現状がわかる、小説だなという印象。同時に、今話題の店、キーワードがでてくるのでこれを未来に読んだらどんなことを思うのだろうかという気持ちになった。まさに平成を物語る小説だと思う!
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本中で日本は「世界で一番安楽死のしやすい国」とされている。これが現実に可能になったら… 読んでいてちょっと怖いなって思いました。特に「娘が葬儀を手配して~」って話はこんなにも命って軽いものなのかと…。 他のかたの感想を読んでいて 「安楽死を合法化するのはいいんじゃないか」とか結...
本中で日本は「世界で一番安楽死のしやすい国」とされている。これが現実に可能になったら… 読んでいてちょっと怖いなって思いました。特に「娘が葬儀を手配して~」って話はこんなにも命って軽いものなのかと…。 他のかたの感想を読んでいて 「安楽死を合法化するのはいいんじゃないか」とか結構肯定的な意見が多く見られてちょっと驚いた
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スタイリッシュな会話、イケてるセレブなカップルのチャラい話のようで、安楽死という言葉が忍び寄り侵食し思いの外重たい展開になる。最後までキラキラ感を保ったまま、静かな諦めと不思議な愛に包まれて終わる。哀しさが行き場を無くして微笑んでいるかのようだ。
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初めは、平成くんってなんて偏屈な人だろうと思っていたけど、実は純粋で一生懸命で不器用な人なのかなぁと思えて、賢さゆえに危ういというか、愛ちゃんのような、支えてくれる人が必要だよなぁと感じた。 安楽死は、今後スタンダードになっていってもいいのかもしれない。 ずいぶん先になるかもし...
初めは、平成くんってなんて偏屈な人だろうと思っていたけど、実は純粋で一生懸命で不器用な人なのかなぁと思えて、賢さゆえに危ういというか、愛ちゃんのような、支えてくれる人が必要だよなぁと感じた。 安楽死は、今後スタンダードになっていってもいいのかもしれない。 ずいぶん先になるかもしれないけど、老後に愛する人と2人で生きていたとして、仮に自分だけが残ったとき、その選択肢があったらいいなと思えた。 スマートスピーカーはとてもいいアイデアだと思った。 平成くんはまだ生きてるかもしれない。 話の終わり方が切なくて好き。
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芥川賞候補作で話題になったが賞の対象としては相手にもされなかった様だ、実際読んでそんなに悪い出来でもなかったし直木賞向きだったのではと思う、受賞した「宝島」より余程良かった気がするが。内容は安楽死が認められた架空の日本の設定で、安楽死を希望する主人公平成と恋人愛との物語である。平...
芥川賞候補作で話題になったが賞の対象としては相手にもされなかった様だ、実際読んでそんなに悪い出来でもなかったし直木賞向きだったのではと思う、受賞した「宝島」より余程良かった気がするが。内容は安楽死が認められた架空の日本の設定で、安楽死を希望する主人公平成と恋人愛との物語である。平成はGoogleにAiの自分を残して旅立った様である、応答はあるが平成自身であるかどうかGoogleなので分からない、やはりこの世から去ったと見るべきなのだろうか、時代のトレンドを盛り込んだ作品で著者自身の投影の様にも感られた。
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平成くん 今まで読んできた本、これから読むであろう本全てを考慮してもかぶることがないキャラクター 書いてある人のキャラクターがよくわかるとこれほどまでに読み方も変わってくるのだと思った。 平成くんを古市さんは自分の人物像と重ね合わせてるところも多くあると思った。 また、ストーリ...
平成くん 今まで読んできた本、これから読むであろう本全てを考慮してもかぶることがないキャラクター 書いてある人のキャラクターがよくわかるとこれほどまでに読み方も変わってくるのだと思った。 平成くんを古市さんは自分の人物像と重ね合わせてるところも多くあると思った。 また、ストーリーがノンフィクションだと思わされるほど現実味を帯びている。 ファッションブランドであったり、店の名前など現実のものを使うことであたかも自分が体験したことを綴っているようにも見とれた。
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平成くんと古市くんが被って、自分なりのイメージとか想像できないまま読了。 いまいち…( ´_ゝ`)
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安楽死が合法化された日本で、安楽死を望む平成くんと彼女愛ちゃんとの物語。さすが社会学者というだけあって、現在の、そして少し先の社会を巧くとらえている。テーマのわりに重い感じなく読めるのは、主人公たちが時間や仕事や生活に余裕のある彼らで、そこら辺りが庶民の私とはかけ離れすぎているか...
安楽死が合法化された日本で、安楽死を望む平成くんと彼女愛ちゃんとの物語。さすが社会学者というだけあって、現在の、そして少し先の社会を巧くとらえている。テーマのわりに重い感じなく読めるのは、主人公たちが時間や仕事や生活に余裕のある彼らで、そこら辺りが庶民の私とはかけ離れすぎているから、、なのか。それとも敢えてのファンタジー感なのか。性と愛情を切り離して描いているところとかも面白いけれど、平成くんよりもむしろ愛ちゃんの恋愛感は、なぞ。
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