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パワー の商品レビュー

3.9

48件のお客様レビュー

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2023/09/13

 あるとき突然「パワー」と呼ばれる静電気攻撃を操る少女たちが現れ、その力は女性から女性へと広がっていく。「パワー」を持つ女性の人数が増えるにつれ、今まで自分たちを力で抑えつけてきた男性たちへの復讐が始まる。女性だけの新しい国家や、女性に優位な法律を作ったり、男性の行動や権利を制限...

 あるとき突然「パワー」と呼ばれる静電気攻撃を操る少女たちが現れ、その力は女性から女性へと広がっていく。「パワー」を持つ女性の人数が増えるにつれ、今まで自分たちを力で抑えつけてきた男性たちへの復讐が始まる。女性だけの新しい国家や、女性に優位な法律を作ったり、男性の行動や権利を制限したり。どれだけ強靭な肉体を持った男性も「パワー」の前に為す術はなく、女性たちの台頭はどんどんエスカレートしていく。  女性たちが「パワー」を振りかざして男性に性暴力を加えるシーンも出てくるけれど、加害者と被害者の性別が変わるだけでこんなに衝撃の度合いが増すものか。性暴力においては女性が常に被害者側というステレオタイプを今まで自分が持っていたことに驚く。「パワー」がなくても女性が加害者側になることだって現実にあるというのに。    全体的に、個人的に、すごく読みにくい小説だった。考えられる理由はいくつかあって、まず海外小説にあまり馴染みがないというのがひとつ。この物語がシンプルなファンタジーではなく「昔こんなことがあってね」という歴史小説として書かれていることがひとつ。現実には有り得ない超能力の描写は、文章を読んだそばから自力で映像化していく必要があって、その想像力がわたしには足りなかったということがひとつ。静電気をビリビリして戦闘を繰り広げるシーンとか映像だったらなかなかセンセーショナルだったと思うけれど。  あとよくよく考えれば、電撃を操れるようになったくらいでそんな大仰なパラダイムシフトはたぶん起きない。あっという間に電気無効のラバースーツ(ゼルダの伝説のやりすぎ)みたいなのが男性向けに作られるだろうし、わざわざ雨が降った直後に電気伝導率の高い車に乗って電撃使い相手に戦いを挑む阿呆な男ばかりではないだろうし、世の中にはいろんな武器や兵器があるわけで、すでにこの小説内でも「銃を持ち出されたら勝ち目はない」みたいなことが書いてあったし。あぁ、「いやそこじゃないんよ主題は」っていう声が聞こえる。わかる。でもそこも気になるんよ。気になってしまうんよ。  そういうわけでこの小説はどこに向かうんだろうどんな結末なんだろうと思って(頑張って)読んだのに、今この感想文を書きながら最終的な結末を思い出すことができない。  ちなみにこの本はミシェル・オバマさんが激推ししていたとか。世界のこれからを担っていく崇高な女性としての感性をわたしはやっぱり持ち合わせていなかった。しょんぼり!

Posted byブクログ

2023/05/16

女性が自由自在に使える静電気の能力を身に着けて社会的立場が男女逆転する物語。イギリス人らしく社会を皮肉ってるのがとても面白いし、女性としてスッキリする部分もあり、そこまでしなくてもと思う部分もあった。 海外の作品はお国柄が出るので、この作品は「男VS女」になるのだけど、おそらく...

女性が自由自在に使える静電気の能力を身に着けて社会的立場が男女逆転する物語。イギリス人らしく社会を皮肉ってるのがとても面白いし、女性としてスッキリする部分もあり、そこまでしなくてもと思う部分もあった。 海外の作品はお国柄が出るので、この作品は「男VS女」になるのだけど、おそらく日本ならこの能力は「発電に活かそう!」となると思うので、電力会社が女性を雇ったりして、そこに女性の権利が変な方向へ発展し(女性が活躍できるし収入を得ることができるので)反原発派VS(女性が詐取されて疲労困憊する)原発推進派で戦いそうだなあとか色々考えた。

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2023/03/25

ギブアップ。P230。文体のせいか内容が頭に入りづらかった。 読んだところまでは同じ主張の繰返しで話に進展がなく、このまま最後までこの調子が続くと思うとゾッとして読むのをやめた。 暴力で女性優位になった社会がどう変化していくかという視点は新鮮。家庭内や職場、公共スペースでの男女...

ギブアップ。P230。文体のせいか内容が頭に入りづらかった。 読んだところまでは同じ主張の繰返しで話に進展がなく、このまま最後までこの調子が続くと思うとゾッとして読むのをやめた。 暴力で女性優位になった社会がどう変化していくかという視点は新鮮。家庭内や職場、公共スペースでの男女の振る舞いがどう変化するかなど想像すると面白い。

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2023/02/18

おもしろかったので、一気読み。 女性に電撃のパワーが発現し、女性優位の世界に。 歴史小説とされており、男性のニールが女性のナオミに送ったことから始まる。 男女逆転の社会だからか面白く読めたが、現実を考えると辛いと思う部分もある。 これは世界中で訳されていろんな人々にぜひ読んでほし...

おもしろかったので、一気読み。 女性に電撃のパワーが発現し、女性優位の世界に。 歴史小説とされており、男性のニールが女性のナオミに送ったことから始まる。 男女逆転の社会だからか面白く読めたが、現実を考えると辛いと思う部分もある。 これは世界中で訳されていろんな人々にぜひ読んでほしいと思った。

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2023/02/03

徹底的なミラーリングと入れ子構造によって、炙り出される支配構造や男女二元論について考えずにはいられなくなる。ページをめくる度に脳に警鐘が鳴り響く面白い小説!

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2022/11/18

海外小説にしては、かなり読みやすかった。 SFの要素がありつつ、ジェンダー問題に鋭く迫ったノンフィクションのようにも感じる。 ただ、少し演出がやりすぎな部分が見受けられた。 あと、かなり宗教的な表現があり、アメリカの雰囲気を感じた。

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2022/12/07

文章が稚拙 おまけに電撃がでれば男性社会を支配できるというありもしない女性の妄想が出ただけの退屈な作品 今どきの兵器を使えば電気なんか出そうが出さまいが一瞬で殺すことができますよ 自分も電気出したいということを無邪気に書いてるあたりこの本を読んでそんな感想を思いつく女性の方々は実...

文章が稚拙 おまけに電撃がでれば男性社会を支配できるというありもしない女性の妄想が出ただけの退屈な作品 今どきの兵器を使えば電気なんか出そうが出さまいが一瞬で殺すことができますよ 自分も電気出したいということを無邪気に書いてるあたりこの本を読んでそんな感想を思いつく女性の方々は実にご陽気でいらっしゃいますなあと笑えてきますね 女性自身は自分の加害に無頓着というのがよーくわかる本でした

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2022/08/28

イギリスの女性作家の手による「女性が力を手にしたら?」というテーマの小説。アメリカのオバマ前大統領が2017年に読んだ「最も優れた本」リストの1つだそうです。 (リストを検索してみましたが、他にも知らなかった本が多数…) 本著、解説に「この本は、SFであり、ディストピア小説であり...

イギリスの女性作家の手による「女性が力を手にしたら?」というテーマの小説。アメリカのオバマ前大統領が2017年に読んだ「最も優れた本」リストの1つだそうです。 (リストを検索してみましたが、他にも知らなかった本が多数…) 本著、解説に「この本は、SFであり、ディストピア小説であり、フェミニスト小説であり、そして多くの男性にとっては『ホラー小説』でもあるだろう。」とあるのがわかりやすいかなと思います。 ※個人的には、"Science"か?という疑念がよぎったので、SFというカテゴリ分類には入れませんでした。 本著は「歴史小説」の体裁で、女性優位が当然となった社会から、そこに至る過去の出来事を推察して振り返る形を取っています。「男流作家」が彼を支援する大作家(当然女性)に書簡を送るシーンから始まります。 そこから本編の小説となり、最後にまた書簡のやり取りに戻ってくるのですが、大作家が男流作家に最後に送った言葉がもう何とも著者の英国的皮肉を感じて…。 かつ、小説本編でも力を持った女性が男性を虐げる様が描かれていて、女性が溜飲を下げ、男性がぞっとする・・・という記述なんでしょうか?どっちの性別が被害者でも人がイヤな目に遭う記述はニガテなんですが、著者としては、現実の世の中では女性がこんな被害を受けているんだぞ!という主張と理解しました。 しかしこれって、女性優位となってもたんにオセロの白黒が逆転しただけで、「結局、男女間でマウンティング合戦なんて続けてても、人類は自滅するだけだ」って主張が含まれているのかな、とも思いました。 最近言われている「ダイバーシティ&インクルージョン」のような、単にジェンダーだけではなく、誰もを包摂する考え方を進めないといけない、ということかなと。 という感じで、本著の根っことなる部分については共感できたのですが、枝葉…というか細かい表現ではどうかな?と思うところも。 本著で女性が持つ力、というのはビリビリで人を攻撃したりできる、という(なんかレールガンっぽい)ものなんですが、これだけで世界、ひっくり返るのかな…。 別に本著の主張は「ビリビリがあれば世の中変わる!」というものではなく、もっと大きいテーマなので枝葉なのですが、あまりリアリティを感じられなかったのも正直なところです。 あと、翻訳について、非常に読みやすく終盤は疾走感もあったのですが、仕事柄1か所だけ気になったのは「第四四半期」という表現、受け入れ難いなと思いました(笑 しかし、欧米でこういった本が読まれているからこそ、欧米主導でESGやDE&Iといった取り組みが進みつつある、ということなのかもしれません。 そういった流れを知るためにも、有益な1冊だと思います。

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2022/07/19

文学に政治を持ち込まれてもなあ…という内容。今こそ、文学が政治を軽々と超えていくような姿が見たいのだが。

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2022/07/03

ある日から突然若い女性にだけ手から人間を殺すこともできるくらい強力な電流を発生させる能力が芽生える。 これによって世界の男女のパワーバランスは逆転していく。 という歴史小説を数千年後の男流考古学者が書くという構成のSFディストピア小説。 いまは半ば当たり前のこととして受け入れられ...

ある日から突然若い女性にだけ手から人間を殺すこともできるくらい強力な電流を発生させる能力が芽生える。 これによって世界の男女のパワーバランスは逆転していく。 という歴史小説を数千年後の男流考古学者が書くという構成のSFディストピア小説。 いまは半ば当たり前のこととして受け入れられていることでも、男女が入れ替わるだけでこれだけグロテスクな世界になるのかいうことに驚かされる。 オバマ元大統領も推薦しているらしい。

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