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パワー の商品レビュー

3.9

48件のお客様レビュー

  1. 5つ

    11

  2. 4つ

    17

  3. 3つ

    10

  4. 2つ

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2020/12/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

男と女の力関係が逆だとしたら、こうなる?本当に?という感じ。女だけが電気を使えるようになってから男たちは女に恐怖さえいだくようになる。殺されるかもしれない。レイプも日常茶飯事。政権乗っ取りも。戦争に兵士を送り込む。麻薬をばら撒く。男の子は間引く。などなど。 なぜこうなるのか、ただ単に男と女を逆に配置しただけ?とガッカリ。 それでも、今、この時にも、世の中にはこのような残虐な暴力の被害を受けている女性がいる、という事に思いをはせて欲しい、という作者の願いは叶えられるかもしれない。 エマ・ワトソンも推薦するフェミニズム文学、ということになっている。 パワーを持つことの意味を考えさせられる。

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2020/12/22

残酷なシーンが多く読後感は最悪だが、ディストピア小説とはいえ、ほとんどは人間がやってきたこと。目を背けてはいけないし、考えさせられることが多かった。 オバマ元大統領の推薦図書とのこと。

Posted byブクログ

2020/11/15

「男女の社会的な立場が逆転したらどうなるか」というテーマの物語は他でも触れたことがあるが、どこかお粗末で不満だった。 しかしこの本は抜群によく出来ている。 差別されているという表現が非常に上手い。 道端で卑猥な言葉を投げかけられる、自分の記事を横取りされる、レイプされる、さらにそ...

「男女の社会的な立場が逆転したらどうなるか」というテーマの物語は他でも触れたことがあるが、どこかお粗末で不満だった。 しかしこの本は抜群によく出来ている。 差別されているという表現が非常に上手い。 道端で卑猥な言葉を投げかけられる、自分の記事を横取りされる、レイプされる、さらにそれを曲解される。youtubeや匿名掲示板の様子など、現代使われているツールが出てくるのも巧みだ。 作中とても酷いと感じることは、現実では女性が実際に受けていることに愕然とする。世界中で男尊女卑で苦しんでいることに目が向く。 だからこそ女性が権力を持っても、マッチョイズムに染まったり、政治が腐敗していく描写をされるのが悲しい。 少なくとも出産育児の理解が社会的に深まるのでは?と思うのだけどなあ。「母」代表のマーゴットも復讐に傾いてしまったしな。 巻末でル・グウィンの名前を見つけた時はうれしかった。

Posted byブクログ

2020/09/11

女性が手から電撃を発することができるパワーを手に入れ、男女の力関係が反転した世界を描くディストピア小説。 女性が男性を電撃で脅してレイプし、虐殺する。パワーを手に入れた女性のやり方はエスカレートし、男性だけでの外出を禁止されて、戦争、カタストロフに陥る。 フェミニズムという文脈で...

女性が手から電撃を発することができるパワーを手に入れ、男女の力関係が反転した世界を描くディストピア小説。 女性が男性を電撃で脅してレイプし、虐殺する。パワーを手に入れた女性のやり方はエスカレートし、男性だけでの外出を禁止されて、戦争、カタストロフに陥る。 フェミニズムという文脈でなくても小説として面白い。

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2020/07/22

エマ・ワトソンの主催するブッククラブの課題図書に選ばれていたので手に取った本です。 ある日突然、若い女性たちが手から電撃を発する力を得る。そのパワーは世界のあらゆる場所、あらゆる世代の女性たちに広がり、男女の力関係が逆転していく…というお話。 導入で「おや?」と思わせておいて、...

エマ・ワトソンの主催するブッククラブの課題図書に選ばれていたので手に取った本です。 ある日突然、若い女性たちが手から電撃を発する力を得る。そのパワーは世界のあらゆる場所、あらゆる世代の女性たちに広がり、男女の力関係が逆転していく…というお話。 導入で「おや?」と思わせておいて、終盤の短いやりとりで物語の全容が明かされる展開は見事だなと思いました。 女性の持つ圧倒的なパワーの前で、社会的弱者にならざるを得ない男性たち。 序盤こそ「私にもパワーがあったらどんな感じだろう?」とワクワクしながら読み進められたものの、女性たちの復讐が本格化するにつれ、同じ女性である私ですら思わず顔をしかめてしまうほど、悲惨で残虐な仕打ちが男性たちを待っていました。 「男児だから」という理由で生まれる前に命を奪われる子、生殖器の機能を無理やり抑制させられる人、レイプに怯えて一人で出歩くことすら出来ない夜。 言わずもがな、これらは本を閉じれば女性が現実に直面する問題です。 物語の中ですら「むごい」「見ていられない」と感じる出来事が現実にあるということ、なぜだか女性にとってそのような問題はある意味当たり前のこととして捉えられていること、それがいかにおかしいことか考えさせられました。 今の日本でフェミニズムを語るのは難しいと感じる人が多いのではないでしょうか。 だからこそ、こういった文学作品を通してジェンダーや男女平等について考える機会は重要だと思います。 けれども、この本を一番読んでほしい人たちは、そもそもこの本を手に取ることすらないんだろうとも思いました。 主要人物の一人が新興宗教の指導者として影響力を高めていく関係で宗教的な話や説教も多く、その点では日本人には共感しづらいと感じる人もいるかもしれません。聖書の知識があるとさらに理解が深まるはず。特に旧約聖書の「ノアの箱舟」のモチーフは作中いたるところで登場していたので、予習しておくとさらに楽しめると思います。 本文より一部抜粋 「世界がいまこんなふうなのは、この五千年間にしっかり根を張った権力構造のためです。(中略)ジェンダーはまやかしです。女でないのが男で、男でないのが女。叩けばうつろな音がし、あけてみればなかはからっぽなのです。」

Posted byブクログ

2020/03/28

女性にだけスケインという臓器が出来る。それにより、掌から電撃が出る。あっという間に、「女性は肉体的に男性に劣る」という認識は覆され、世界は変わる。残酷な表記もあり、沢山の人間が集まって、むこの人間を虐殺したりする。後書きで、さんざん今までやられてきたことに対する仕返しみたいな書き...

女性にだけスケインという臓器が出来る。それにより、掌から電撃が出る。あっという間に、「女性は肉体的に男性に劣る」という認識は覆され、世界は変わる。残酷な表記もあり、沢山の人間が集まって、むこの人間を虐殺したりする。後書きで、さんざん今までやられてきたことに対する仕返しみたいな書き方で、ちょっとひく。んー、しかしやっぱり自分も女性なのでスカッと楽しく読めたのは事実。なんだろ、でも皆で力を併せて何かに立ち向かう姿勢って、女性の方が嘘がなく現実味があるような気がするのは気のせい?

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2020/03/15

ものすごく精巧に作られたディストピア小説。そして、フェミニズム小説。 男女の力関係が逆転した世界の物語。 読む前は世で言われる理想を現実にしたような「平等で平和的で許容的な世界」の話かと思った。または、男女逆転大奥のような戦う女性のストーリーかと。 でも全然違った。そんな生優し...

ものすごく精巧に作られたディストピア小説。そして、フェミニズム小説。 男女の力関係が逆転した世界の物語。 読む前は世で言われる理想を現実にしたような「平等で平和的で許容的な世界」の話かと思った。または、男女逆転大奥のような戦う女性のストーリーかと。 でも全然違った。そんな生優しいものではなく、恐ろしくも、リアルで、女性はもちろん男性にこそ読んでもらいたい小説だった。 この小説は男女の力関係が逆転して、女性が支配層になって何千年も経ったあとの世界で、その起源をたどる歴史小説という形式をとっている。 女性が突然変異で放電できるようになり、力関係が変わっていくさまが描かれていく訳であるけど、全てがファンタジーという訳ではなく、作中で力が弱くなった男性に起こる様々な悲劇は実際に女性にされたこと、そして今もされていることという点がものすごく「上手い」小説だと感じた。 作中で、この「歴史小説」を書いた男性作家が女性作家に意見を求めるという所から始まるが、その作家同士のやりとりも、男性作家は自分の研究の功績であるにも関わらず、謙遜したり、自信なさげな書きぶりをしていて、まるで現代の女性のよう。ラストには、女性作家は「女性作家のフリをしたら?」というアドバイスをしていて、その性差別的感覚が根強いところも示していて、正しく逆転世界。 昨今のジェンダー的運動や性的被害の問題について、「対策しない女性が悪い」とか本気で思ってる人は1回これを読んで欲しい。そして、逆転してしまっても本当にそう言えるか?と自分に問いかけて欲しい。 そしてまた、差別的行動や攻撃性や自信や柔和さってものは性別ではなく、立場に宿るのだなと改めて実感させられる。 社会的に優位に立った女性は現代の男性のように攻撃的で偉そうで平気で人の権利を奪い取る。 私もいまフェミニズムを勉強しているところだけど、フェミニスト・ファイト・クラブや映画「スキャンダル」を見たからこそ、ここで語られている物語が100%ファンタジーじゃないって分かる。 日本には自分が性差別されたり迫害されたりしている事に気づいていない男性も女性も多いと思うから、まずは軽い気持ちでこの本を読んで、フェミニストってなんなのか、性差別て何なのかちょっと考えてほしいなと思った。

Posted byブクログ

2020/02/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

星3.5くらいにしたいが、出来ないので4。 もし女性が男性より優位に立てる能力を持てるようになり、男女の立場が逆転したら、という世界。 ある時、まるで電気ウナギのように、女性の身体が発電能力を持ち、電撃を飛ばせるようになり、次々と男性を感電させて、その地位を逆転させる事態が起き始める。 麻薬密造、密売をする犯罪集団のボスの愛人の娘として生まれた少女は、殺されてしまった母親の復讐のため電撃を使い、やがて闇の世界に君臨し始める。 身寄りがなく修道院で生活を始めた少女もまた、電撃を使うことで、病を治すなどもして生計を立て、やがて信仰の中心人物として君臨し始める。 アメリカの地方都市の女性市長は、不安定な電撃の力に悩む思春期の娘によって、自らの電撃の能力が覚醒し、娘を守るために、そしていつしか政界において権力を握るために電撃の力を利用し始める。 最初は世界の離れた各地域で女性の身に置き始めた変化は数年かけて世界を揺るがす権力となり、権力と権力の衝突に向かって進み始める。 女性に備わった特殊能力によって、男性はほぼ従うだけの奴隷状態。そういう意味では男性にとってのディストピア小説であるが、女性が上位にたっても、そこには対立が起き、抗争に発展し、それは相手にとどめを刺すまでエスカレーションしていくことになるという、女性にとってもディストピア小説である。

Posted byブクログ

2020/01/14

女性達がパワーを得ていくごとに復讐と進出をしていく。その過程にある惨さに現在がどれだけ男尊女卑があるのかを感じて苦しくなってしまった。 そして平和にならない。誰が力を手にしても全ての人が心穏やかに過ごせはしないのだと、悲しくなった一冊

Posted byブクログ

2020/07/31

面白い、全能感の描写から得られるカタルシスがすごい、倫理の問題はとりあえず置いておいて強い一節、ラインマーカーを引きたい表現が多すぎる….….….…. でも最後の方上手く登場人物が役割を果たしていっていたのが少し作為的すぎるなと感じてしまった

Posted byブクログ