ダンデライオン の商品レビュー
時間ループものは時系列や物事の関係性の整理が難しいが、さすがのプロットだ。 ちょっとした小道具でさえも伏線として影響してくる。 ただ、私の大好きな作品『たんぽぽ娘』を作中に出しておきながら、キーアイテムとしてはあまり機能していなかったのは残念。 それと、きれいに納まりすぎてい...
時間ループものは時系列や物事の関係性の整理が難しいが、さすがのプロットだ。 ちょっとした小道具でさえも伏線として影響してくる。 ただ、私の大好きな作品『たんぽぽ娘』を作中に出しておきながら、キーアイテムとしてはあまり機能していなかったのは残念。 それと、きれいに納まりすぎていて、物語としての面白さはいまいち。 終始淡々としていて、小説らしくないことも影響として大きい。 著者インタビューで、もともと映画の脚本として作った作品だと語っていたので、そのせいもあるのだろう。 大人になった現在と少年時代を行き来して過去の事件の真相を探るというストーリーでは、『僕だけがいない街』の方が面白い。 「切なさ」の要素も薄く、中田永一らしさが感じられなかったのも残念。 この名義での長編は初めて読むが、短編の方が向いているのかもしれない。 「百瀬、こっちを向いて。」のような作品を読みたい。
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小学生と大人の自分が、たった一日だけ入れ替わる。その一日に自分は未来を賭けるためにとある行動に出る―― タイムリープ物のSF的な要素と、事件の謎解きも加わった物語は一見ちょっとややこしめですが、平易な文章とわかりやすい説明で、理解はすんなりできるのではないかと思います。卵が先か...
小学生と大人の自分が、たった一日だけ入れ替わる。その一日に自分は未来を賭けるためにとある行動に出る―― タイムリープ物のSF的な要素と、事件の謎解きも加わった物語は一見ちょっとややこしめですが、平易な文章とわかりやすい説明で、理解はすんなりできるのではないかと思います。卵が先か鶏が先か……てことを考え出すと頭がこんがらがりそうになりますが。 ただこの名義だからこそ、なのでしょうが、軸は「恋愛小説」だと思います。それもまっさらで、美しく希望に満ちた純粋な想いに満ちたやさしいものです。 その想いが後押しして、観測されていない未来への一歩をしっかりと踏み出していく。悲惨で変えられない過去があっても、まるで決められたかのような人生を歩んでいても、常々選択しつづけているのはあくまで自分だった、だからこそ、今また自分の今の想いを信じて未来を歩もう。ドロドロとしたエピソードを交えつつも、それすらも踏み越えていく、希望と活力に満ちた、とてもうつくしいお話だと思いました。
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SFファンタジー、時をかける的なアレ、ちょっと君の名はぽい、みたいな雰囲気ですが、しっかりミステリーでちょいダーク。 構成というか話のもってき方が巧妙で、最後もカタルシスを感じられた。 れんじくんのお兄ちゃんがいいと思う。彼がいい人でほんとよかった。 こういう話にありがちな運命感...
SFファンタジー、時をかける的なアレ、ちょっと君の名はぽい、みたいな雰囲気ですが、しっかりミステリーでちょいダーク。 構成というか話のもってき方が巧妙で、最後もカタルシスを感じられた。 れんじくんのお兄ちゃんがいいと思う。彼がいい人でほんとよかった。 こういう話にありがちな運命感じちゃう的なのや死ネタでもなくよかった。 作中が2019年で、発表時は未来だったけど今は過去ってのもちょっとしみじみした。 911や311と同じようにこのコロナも人類の忘れられない歴史になっていくんだろうな。早く過去のものになってほしい。 たんぽぽ娘が気になるので、読んでみようかなー。
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「一章」 気絶から目が覚めると。 未来の彼は年齢を重ねていたからなのか、始めての入れ替わりの時ですらパニックを起こさず冷静に対応している事は素直に凄いと感心してしまうな。 「二章」 過去に戻りすへき事は。 もしかして彼は今回の出来事よりも前に何度か過去に飛んでいるのだろうかと疑...
「一章」 気絶から目が覚めると。 未来の彼は年齢を重ねていたからなのか、始めての入れ替わりの時ですらパニックを起こさず冷静に対応している事は素直に凄いと感心してしまうな。 「二章」 過去に戻りすへき事は。 もしかして彼は今回の出来事よりも前に何度か過去に飛んでいるのだろうかと疑問に思う程、用意周到過ぎて少し違和感があるのは気のせいだろうか。 「三章」 残したノートに書いた。 彼が体験した事を伝える為には未来の情報を多少なりとも記載すべきではあるだろうが、書かれている内容が金銭的な事ばかりなのは何故なのだろう。 「四章」 約束と違う自体が起き。 彼女を逃がした後、深追いせず自分も逃げていれば交通事故にも合うことなく無事に彼女と出会えていただろうが犯人に繋がる手掛かりは得る事は出来なかったろうな。
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主人公の過去と未来が1日だけ入れ変わるというSF・恋愛ものです。 リズム良く流れるように読めるので、気持ちよく読み切ることが出来ました。
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中田さんの文章はするすると入ってくる。 かなり細かく行ったり来たりする構成だけど、全く混乱もせず一気に。や、これ、途中でやめられないよね。 優しさを求めて読み始めたけど、気持ちはアップダウン。からの…中田さん。 幸せを強く念じながら生きていこう。
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11歳と20年後の自分が短時間だけ入れ替わるタイムスリップの話。時間軸が飛ぶけど、登場人物1人1人の視点から書かれて読みやすかった。犯人が誰なのか最後まで気になって、読み終わるとすべてが繋がってスッキリした感じが良かった。
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たまたま一緒に買った2冊のおおまかな題材が同じだった。(フーガとユーガ) いや、違うと言えば全然違うんだけど。
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たった一日だけ20年後の自分と入れ替わるタイムリープもの。文体も読みやすく、なかなか面白かった。 「たんぽぽ娘」はビブリアにも出てきたし、一度読んでみようかな。
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評価は5. 内容(BOOKデーターベース) 11歳の下野蓮司はある日、病院で目覚めると大人の姿になっていた。20年の歳月が流れていた。そこに恋人と名乗る西園小春が姿を現す。子ども時代と大人時代の一日が交換されたのだ、と彼女は話した。 一方、20年後の蓮司は11歳の自分の体に送り込まれていた。ある目的を達成するために、彼は急いでいた。残された時間は半日に満たないものだった--。 ミリ単位でひかれた、切なさの設計図。著者だからこそできた、完全犯罪のような青春ミステリーの誕生。 なんとなくで読んでいると頭がこんがらがるが、蝉退とouして面白かった。 私にとって犯人はまさか!であったが、最後は上手くまとまりめでたしめでたし。
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