探偵は教室にいない の商品レビュー
かようにサブい日の夜は、布団にもぐり、ホノボノとした本を半眠半読するのがシアワセなのだ。まさにこの本がふさわしく、ミステリーながらも流れに身を任せるならば、込み入った登場人物の相関関係や自己推理で惑うこともなし。中学生がキャラの学園モノだけど、ちっとも子どもの会話でないのがむしろ...
かようにサブい日の夜は、布団にもぐり、ホノボノとした本を半眠半読するのがシアワセなのだ。まさにこの本がふさわしく、ミステリーながらも流れに身を任せるならば、込み入った登場人物の相関関係や自己推理で惑うこともなし。中学生がキャラの学園モノだけど、ちっとも子どもの会話でないのがむしろありがたい。現実に鳥飼歩くんみたいな子がいたらお近づきになりたくないが、向こうも近づかないだろうから心配に及ばす。しかしまあ、年食って思うに学園生活って大人の社会より狭隘なぶん面倒くさいなあ。達観した彼なら、当然登校拒否だろう。勉強もあるし、小説の中で身を置くだけで二度と戻りたくない。それも心配に及ばないけど。
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不登校の中学男子が別の学校に通う幼馴染女子の周りに起こるちょっとしたトラブルを謎解きするお話。 主人公の探偵役の男子はもう人生何度目ですか?な位落ち着き払っております。 そんな彼がまともに中学校になど通えるわけもなく。 とはいいつつも幼馴染女子の相談事にもなんだかんだ協力してくれ...
不登校の中学男子が別の学校に通う幼馴染女子の周りに起こるちょっとしたトラブルを謎解きするお話。 主人公の探偵役の男子はもう人生何度目ですか?な位落ち着き払っております。 そんな彼がまともに中学校になど通えるわけもなく。 とはいいつつも幼馴染女子の相談事にもなんだかんだ協力してくれたりもして。 協力する様子も最短最速という雰囲気。 すこしずつ幼馴染女子の彼をみる変化であったり等中学生らしさを含みつつも大人なやりとりがとても心地よく読み進められる。 これからシリーズで続いて欲しい期待の一冊。
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鮎川哲也賞受賞作。学園物で日常の謎系列のミステリで短編集、となれば、ありふれていて何を今更と思えたが、いやいやこれが実に面白かった。主人公が溌剌とした中学2年の少女で、探偵役は少女の幼馴染で引きこもりの少年。この設定が生きている。少女の仲間のグループの性格付けも出来ているし、少女...
鮎川哲也賞受賞作。学園物で日常の謎系列のミステリで短編集、となれば、ありふれていて何を今更と思えたが、いやいやこれが実に面白かった。主人公が溌剌とした中学2年の少女で、探偵役は少女の幼馴染で引きこもりの少年。この設定が生きている。少女の仲間のグループの性格付けも出来ているし、少女が最終話で父親と口喧嘩をして家出してしまうという様に、「いい子」に描いていないのが良かった。選考委員の加納朋子さんが「甘酸っぱい」と評しているが、正にその通り。これは青春ミステリの佳品であろう。
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鮎川哲也賞受賞作。日常の謎学園連作ミステリ。 正直言うと、地味です。日常の謎にしたって謎がとても小さくて、あまりに地味。だけどこれをあえて謎として解き明かそうとする物語がいいなあ。だってこんな些細な事、普通なら「まーそういうこともあるよね。たいしたことじゃないし、別に放っておいて...
鮎川哲也賞受賞作。日常の謎学園連作ミステリ。 正直言うと、地味です。日常の謎にしたって謎がとても小さくて、あまりに地味。だけどこれをあえて謎として解き明かそうとする物語がいいなあ。だってこんな些細な事、普通なら「まーそういうこともあるよね。たいしたことじゃないし、別に放っておいてもどうってことないでしょ?」ってなりそうですよ。その結果友人関係がぎくしゃくしたりもしそうだけれど、それほど特別なことじゃない気が。しかしその謎をしっかり解き明かそうという姿勢がなんだか、素敵だなあ、と。 お気に入りは「バースデイ」。この謎が、一番地味。私が出くわしたら一番ほっとく。ていうか、そういうやつなんだと思って謎とすら思わない(苦笑)。だからこそ、謎とともに疑惑とわだかまりが解かれる温かさが身に沁みました。
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【ささやかだけど,とても大切な謎】 第28回鮎川哲也賞受賞作. 日常の謎中の,日常の謎. ラブレターの差出人は? いつも優しい彼の心のうちは? 親友は彼女を大切にしていないのか? 家出先はいったいどこ? こうした謎も,ただの謎としてあるのではなく,学校生活,青春の一ページ,信念と...
【ささやかだけど,とても大切な謎】 第28回鮎川哲也賞受賞作. 日常の謎中の,日常の謎. ラブレターの差出人は? いつも優しい彼の心のうちは? 親友は彼女を大切にしていないのか? 家出先はいったいどこ? こうした謎も,ただの謎としてあるのではなく,学校生活,青春の一ページ,信念としてあるものなど,どれも「大切な謎」としてあるのがいい. おそらくシリーズとして続いていくのだろう(と期待).
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2018年136冊目。去年の受賞作と比べちゃいけないんだけど、どうしても地味な印象が残る。主人公グループはとても上手く描けているのに、探偵が推理マシーンになってしまっているのも気にかかる。最後に探偵を掘り下げる短編がもう一つあれば、全体の印象もガラッと変わったと思う。
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ものごくきらきらしてるわけでも、つらい目に遭っているわけでもない、ごく普通の中学生たちが過度にならずにキャラが立っていて読みやすい。この子たちの話もっと読みたいな。
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鮎川哲也賞受賞作/ 日常の謎を書いた小説としてレベルが低すぎやしないか/ 最初の謎からしてとてもチープで、しかもやたらと長いのでなにかの伏線かと思ってしまった/ なんでもない、ただの未熟な日常の謎だ/ なんというかフックがなさ過ぎる/ あの口調の探偵も、キャラがありがちすぎる/ ...
鮎川哲也賞受賞作/ 日常の謎を書いた小説としてレベルが低すぎやしないか/ 最初の謎からしてとてもチープで、しかもやたらと長いのでなにかの伏線かと思ってしまった/ なんでもない、ただの未熟な日常の謎だ/ なんというかフックがなさ過ぎる/ あの口調の探偵も、キャラがありがちすぎる/ ラノベの木っ端賞ならまだわかるが、これが鮎川哲也賞か、と/ 学園ものの青春(日常の謎)ミステリでいけば、古典部シリーズやハルチカシリーズの足元にも及ばない/ 比較するのもおこがましいレベルの一作/ 薄っぺらいクソどうでもいい謎と、取って付けたような解決/ わたしにとってはこれが賞を取って出版されたというのが最大の謎である/
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2018.11.26読了。既視感のある青春ミステリと書くとマイナス評価みたいですが、デビュー作でこの読みやすさやリーダビリティ、いきいきとしたキャラ造形は目を見張るものがあります。次作以降も楽しみです。
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2018年鮎川哲也賞受賞作 「探偵はバーにいる」のパロディめいたタイトルは成功している。 札幌の中2で身長169cmバスケ部女子海砂真史が、幼馴染で同い年、教師に教えてもらう必要はないと不登校になっている鳥海歩に推理の依頼をする4話。 真史の机の中にあったプリンターで出力され...
2018年鮎川哲也賞受賞作 「探偵はバーにいる」のパロディめいたタイトルは成功している。 札幌の中2で身長169cmバスケ部女子海砂真史が、幼馴染で同い年、教師に教えてもらう必要はないと不登校になっている鳥海歩に推理の依頼をする4話。 真史の机の中にあったプリンターで出力されたラブレターの差出人探し。バスケ部仲間でピアノもできる京介が合唱コンの伴奏を降りたあとの不審な行動の理由。この2話は推理だけで終わってもうひと押し欲しい。 同じバスケ部仲間総士が彼女とのデートをドタキャンし違う女子と同じ傘に入っていた理由。行動範囲が広がっておもしろいが、最後の真史が家出して意地を張って帰れなくなった場所を推理して迎えに来た場面はホッとしてしまった。
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