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童の神 の商品レビュー

4.1

55件のお客様レビュー

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2024/04/23

さすが今村先生の本って感じです。とても面白い!童の仲間の桜暁丸(花天狗)や畝火(土蜘蛛)、粛慎(鬼)、滝夜叉などたくさんの仲間が朝廷側の源頼光や渡辺綱、卜部季武、碓井貞光や坂田金時、その息子の坂田蔵人と激戦を繰り広げます。その前に桜暁丸の師匠蓮茂や兄の藤原保輔(袴垂)、元滝夜叉の...

さすが今村先生の本って感じです。とても面白い!童の仲間の桜暁丸(花天狗)や畝火(土蜘蛛)、粛慎(鬼)、滝夜叉などたくさんの仲間が朝廷側の源頼光や渡辺綱、卜部季武、碓井貞光や坂田金時、その息子の坂田蔵人と激戦を繰り広げます。その前に桜暁丸の師匠蓮茂や兄の藤原保輔(袴垂)、元滝夜叉の頭領の皐月、土蜘蛛の頭領の毬人など桜暁丸の親しかった人物がどんどん亡くなってしまいます。しかし、桜暁丸は諦めずに粛慎の頭領になります。そこで、しばらくの間、童たちの最後の砦大江山で何回も朝廷軍を撃破します。頭領の桜暁丸、副頭領の虎前、欽賀、葉月、星哉などの最強の仲間が集まっています。僕は最後の決死の突撃の場面が1番面白かったです。やはり今村先生の本はとても面白いです!【小6】

Posted byブクログ

2024/04/02

初めての今村翔吾だったけど、文体がめ〜〜ちゃくちゃ読みやすい。いい意味で描写に文字を割かないのでどんどん進む。アニメ映画を観ている感じ。公開はいつですか?

Posted byブクログ

2024/01/19

大江山の鬼退治という童話のような伝説ともなっている話を、リアルでありながらファンタジックに、生き生きと描いた小説。 平安時代。 中央集権が進み、宮中文化が栄えた平安時代は、平和でも安心できる世でもなかった‥? 安和の変が起きた962年に物語は始まります。 京の都にも、ほど近い地...

大江山の鬼退治という童話のような伝説ともなっている話を、リアルでありながらファンタジックに、生き生きと描いた小説。 平安時代。 中央集権が進み、宮中文化が栄えた平安時代は、平和でも安心できる世でもなかった‥? 安和の変が起きた962年に物語は始まります。 京の都にも、ほど近い地域にも、「童」と呼ばれる、朝廷にまつろわぬ者たちがいた。「童」というのは、子供という意味ではなく、鬼、土蜘蛛、夷、滝夜叉、山姥などをまとめて蔑んで呼ぶ言葉。 一方的に蔑む権力者に対抗して、乱が起きたのだが、あえなく鎮圧される。 安倍晴明は、皆既日食を凶事と断じ、ゆえに恩赦が出るように事を運ぶ。じつは童と通じていて、囚われた彼らを救ったのだ。 この年この日、越後で桜暁丸(おうぎまる)が生まれた。父は郡司で、流れ着いた異国の女性との間に子をなしたのだ。夷を差別しない人柄だったが、京に目をつけられてしまう。 桜暁丸は父と故郷を喪い、「花天狗」という盗賊となった。のちの「酒呑童子」この童子という名が子供という意味ではなかったわけです。 跋扈する盗賊や、表には出ずに山で暮らす人々との出会い。 それぞれの強さと意気地、はかなさとしぶとさ。 影に日に活躍する女性たちも魅力的です。 実在する人物も、伝承を思わせる内容も出て来て、その描き方がスピーディで熱っぽく、きらきらと輝くよう。 引き込まれて一気読み。 史実でこれほど大規模な闘いがあったのかどうか。 平安時代については、数字的なことがよくわからないのだが。 赤い血の流れる同じ人間でありながら、秩序になじまないという理由で、否定する。 元はそれぞれ離れた土地で、その土地なりに暮らしていただけなのに。 世の制度が整っていくときに起きる残酷さ。 時代の流れとはまた別な、異なるものを排除する心理。 現代でも、根深く、あちこちで起きている現象のようにも思います。 せめて、極端な差別や争いを起こさない方向へ、進んでいけたらと願うばかり。 2019年初読。2023年、文庫で再読。

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2023/03/16

読後は、壮大な映画を見たような感覚だった。 一人一人のキャラクターが立っていて、本書の登場人物をさらに掘り下げて、新しいストーリーが読みたくなった。

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2023/02/22

【読もうと思ったきっかけ】 歴史に元々興味はあったが、小説ではなく史実に忠実なものしか興味がなかった。 ただ最近フィクションの小説からも色々な気付きや発見があることが分かり、色々なジャンルを多読するようになる。その中で歴史のフィクションも読んでみようと思ったのがきっかけ。 【あ...

【読もうと思ったきっかけ】 歴史に元々興味はあったが、小説ではなく史実に忠実なものしか興味がなかった。 ただ最近フィクションの小説からも色々な気付きや発見があることが分かり、色々なジャンルを多読するようになる。その中で歴史のフィクションも読んでみようと思ったのがきっかけ。 【あらすじ】 平安時代「童」と呼ばれる者たちがいた。彼らは鬼、土蜘蛛、滝夜叉、山姥・・・などの恐ろしげな名で呼ばれ、京人から蔑まれていた。一方、安倍晴明が空前絶後の凶事と断じた日食の最中に、越後で生まれた桜暁丸(おうぎまる)は、父と故郷を奪った京人に復讐を誓っていた。様々な出逢いを経て桜暁丸は、童たちと共に朝廷軍に決死の戦いを挑むが。皆が手をたずさえて生きられる世を熱望し、散っていった者たちへの、祈りの詩。 【読後の感想】 初の今村翔吾氏の作品。 流石はデビュー5年にして直木賞を受賞した筆者。そのストーリー緻密さやエンターテイメント性には、まさに素晴らしいの一言。ここまで物語に引き込まれたのは、デビューして間もない頃に読んだ、伊坂幸太郎氏以来の衝撃! 特にラストの桜暁丸が格好良すぎるので、ぜひ歴史・時代小説に抵抗感がある方にこそ、読んでほしい一冊です。きっと歴史小説に対する認識がガラリと変わるはず。 (本書から得た気づき) 本書のテーマは「差別」だ。 日本は他の国と違い、国を統一する際に一切略奪・虐殺はなく平和理に統一されたと言われているが、本当にそうなのだろうか? 歴史を知れば知るほど、そうは思えない。 そのことを訴えるように、作中の平安時代に京人以外を蔑称(土蜘蛛・滝夜叉・山姥・鬼など)で呼び、支配し、ときには虐殺しているとストーリー展開している。 本書には書かれていないが、国譲りの出雲地方や蝦夷、熊襲など、今後考古遺伝学などが進歩すれば、もっと新たな発見があると思うので、化学の進歩を待ちたいと切実に思う。 (心に残ったセリフ) 「飯を喰らって眠り、好きなことに明け暮れる。人はそれだけでも十分に美しい。そのために土を舐めてでも生きねばならぬ」

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2023/04/06

“勝った者が正義”で歴史を作る、というのは冷厳なる事実で、敗れた者は野蛮人、異端者、悪魔、そして“鬼”などと人外であるレッテルを貼られ闇に葬り去られる。 これはその“鬼”たちの哀しい物語。完全なる創作であるが、個人的には真実であると断言できる。 この作者の作品に共通してるのは「争...

“勝った者が正義”で歴史を作る、というのは冷厳なる事実で、敗れた者は野蛮人、異端者、悪魔、そして“鬼”などと人外であるレッテルを貼られ闇に葬り去られる。 これはその“鬼”たちの哀しい物語。完全なる創作であるが、個人的には真実であると断言できる。 この作者の作品に共通してるのは「争いのない公平な世界」を目指す者が主役級で登場するということ。歴史物であり、理想郷を描くファンタジーなのだ。

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2022/04/07

なんだよもう! 今村翔吾さん、これで3冊目だけどどれもこれもめちゃくちゃ面白いやないかーい! なんでもっと早く教えてくれないのか!!(誰に対して怒っているのか?) いい感じに歴史をおもちゃにしてますよね (本作は歴史というより伝説ですが) お!歴史をおもちゃにしてるってなんか...

なんだよもう! 今村翔吾さん、これで3冊目だけどどれもこれもめちゃくちゃ面白いやないかーい! なんでもっと早く教えてくれないのか!!(誰に対して怒っているのか?) いい感じに歴史をおもちゃにしてますよね (本作は歴史というより伝説ですが) お!歴史をおもちゃにしてるってなんかいい感じの表現じゃなかろうか(自画自賛) 登場人物のキャラ立ちが端役に至るまで完璧です これはもう誰かこのままゲーム化してくれまいか ガードゲームとか良さそう 伝説・伝承が好きな人はかなり楽しめる作品です (但し、今村翔吾さんの独自すぎるフィクション要素を受け入れられる人に限る)

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2022/01/29

登場人物のキャラが立っており、RPGのような雰囲気もあり面白かった。 エンタメ小説だが、今までの歴史観が偏ってたんだなと考えさせられる一冊だった。

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2020/10/15

本作の作中の時代は、平安時代の、所謂“摂関政治”が盛んになるような頃となっている。“摂関政治”なるモノは、都に天皇が在って、天皇の権威と権限を行使する朝廷が在り、朝廷の中で天皇を輔弼する最高責任者ということになる“摂政”や“関白”という地位に就く者や周辺に在る者達が幅を利かせると...

本作の作中の時代は、平安時代の、所謂“摂関政治”が盛んになるような頃となっている。“摂関政治”なるモノは、都に天皇が在って、天皇の権威と権限を行使する朝廷が在り、朝廷の中で天皇を輔弼する最高責任者ということになる“摂政”や“関白”という地位に就く者や周辺に在る者達が幅を利かせるという様子を言う訳だ。「天皇の権威」に基づく「朝廷の威光」が大前提の体制だ。 「天皇の権威」に基づく「朝廷の威光」が大前提となる体制が築かれている他方、そういうことに関しては「知らん…」とか「無関係だ…」という立場に在る人達も実は一定以上に居た。それを「服させる」ということが永く行われていたのが、日本の古代史の「一つの大きな側面」でもあった。“摂関政治”というようなモノの時代に到ると、体制の大前提になる「朝廷の威光」について「知らん…」とか「無関係だ…」という立場の人達は少な目になってきてはいたものの、それでも未だ存外に多く在った。少なくとも本作の作中世界ではそうなっている。 「朝廷の威光」に「服する」ということになったのが後発ということになる、都から離れた地域で独自に勢力を持っていた豪族の流れを汲む人達、何かの折りに日本国内に渡来した人達の末裔が集まっているような場所に在る人達、主にそういう人達が「まつろわぬ者」と称された。場合によって、異人種の血が入っていて風貌に特徴が在ること等も在って、差別を受ける事例も少なくないため、集団で密かに何処かに暮らしている場合も在る「まつろわぬ者」に関しては、様々な蔑称で呼ばれて、後世に恐るべき魔物でもあるかのように伝えられている例も在る訳だ。そしてそれらに関して、“討伐”ということが行われる。要は朝廷の貴族達の下に在る武士団が武力行使を行って、「まつろわぬ者」の一団を服属させるか滅ぼすかしてしまうのだ。“戦”である。 本作の冒頭部は、「まつろわぬ者」の一団を服属させるか滅ぼすかしてしまう戦が展開されているような頃が描かれ、その最中に生まれていたという主人公の桜暁丸(おうぎまる)が登場する。 桜暁丸(おうぎまる)は越後の豪族の子である。妻に先立たれた父だったが、或る日漂着した異人種の女性を愛し、設けてしまった子が桜暁丸(おうぎまる)だった。故に桜暁丸(おうぎまる)は異人種の血が入った少し変わった風貌の若者に育って行った。 この桜暁丸(おうぎまる)が、後世に“酒呑童子”として伝えられることになる訳で、本作は桜暁丸(おうぎまる)が大江山を本拠地とする、幾つか集まった「まつろわぬ者」の集団の頭領になって行くまでの様々な出会いや別れ、戦い、更に“酒呑童子”の通名で知られるようになってから掲げようとした理想と、同志となった人達との共闘の様という物語だ。 この桜暁丸(おうぎまる)の対極に坂田金時が在る。坂田金時は、足柄山に在った「まつろわぬ者」の一族の出である。一族が朝廷に服属した時、自身は武士として生きる道を選び、源頼光の臣となった。そして「まつろわぬ者」を“討伐”という戦に加わっている。 若き桜暁丸(おうぎまる)の冒険や成長、様々な技や武器を駆使した戦いというような活劇と、興味深い出会いや別れのロマンチックな展開と非常に愉しい本作だが、なかなかに今日的なテーマが通奏低音になっていると思う。「多様性に寛容で居られるのか?居られないのか?」というようなことだ。 どういう場所の、どういう一族に生まれて来るのか?それは誰も自身で主体的に選べるのでもない。ただ、偶々生まれて各々の人生が在る。各々の人生は各々に尊く、他者からとやかく言われる何物でもない筈だ。敢えて“敵”のように認定する必然性等無く、闘って殺し合いまでしなければならない筈が無い。 「多様性に寛容で居られる」のであれば、どういう出自の人達であろうと、様々な人達が平和に共存出来る筈だ。「多様性に寛容で居られない」となれば、「造り出す?」というようなことまでしてでも“敵”を求めて戦うことになってしまう。 こういうような通奏低音を本作では感じた。これは或いは「“主流”をすこし外れてしまって“居場所”を求める人達」というような存在が、実は存外に多いのかもしれない、そして“主流”に与することを強いるかのような“同調圧力”とでもいうようなモノに「息苦しさ?」が感じられるかもしれない「現代」を、「愉しいファンタジー」という体裁で抽象したのかもしれないと思った。 「古くから伝わる物語」を「ファンタジー小説」に組み直し、そこに「現代社会のテーマ?」を織り込んでしまっている。或いは「未来の古典」を想わせる。広く御薦めしたい作品だ。

Posted byブクログ

2020/07/08

7月-7。3.5点。 平安時代の物語、酒呑童子。半島渡来などの民族が差別されていた時代。京人対童子たちの戦いを描く。 敵・味方ともに人物が魅力的に描かれており、面白い。 戦いについてもスピード感あり、一気読みした。

Posted byブクログ