童の神 の商品レビュー
獏ちゃんの晴明を読んだ直後だったので、のっけから滝夜叉姫によろめく晴明が出てきてワロタ(^^;) いやしかし、面白かった!「鬼」が「まつろわぬ民」であるということは知ってたけど、これほどその視点に立って描いたお話を読んだことがあまりなかったのですごく良かったです。読みやすい文体で...
獏ちゃんの晴明を読んだ直後だったので、のっけから滝夜叉姫によろめく晴明が出てきてワロタ(^^;) いやしかし、面白かった!「鬼」が「まつろわぬ民」であるということは知ってたけど、これほどその視点に立って描いたお話を読んだことがあまりなかったのですごく良かったです。読みやすい文体でスピード感もあるし、それぞれのキャラクターも良く立ってる。特に渡辺綱はカッコよすぎる(笑) 大河ドラマで見てみたいですね。
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平安時代,差別され朝廷に刃向った者達(都人から鬼や童と言われていた)から見た闘争史.主に酒呑童子を題材にしているが安倍晴明や金太郎,渡辺綱など有名どころが綺羅星のごとく登場する.戦闘シーンは迫力があり面白い.
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
源頼光の妖怪退治譚がベースになっているけれど、その退治譚を、朝廷に虐げられてきたいわゆる「まつろわぬ民」との戦いとして描いた小説。先住民である「まつろわぬ民」たちが主役であり、その構造は、西部劇ものの変遷(白人が「悪いインディアン」を倒す勧善懲悪ものだけでなく、先住民の目線で略奪者である白人を描くものも現れるようになったことなど)も思い出させる。 全体的に文体はテンポ良く、けれどウェットな感触。主役たちの陣営に、たとえば悪人や裏切り者が全く現れないこと等は読んでいて少し物足りなさも感じた。
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まるで痛快時代劇みたいな面白い小説でした(^^) まだ30歳ちょっとの作者が こんな題材を自在に操ってモノにしていることにも感心しました。 昔話で みんながよく知っている登場人物が大勢出てきて、しかも彼らが血の通ったイキイキした配役になっていてとても興味深く読み進めます。 そうし...
まるで痛快時代劇みたいな面白い小説でした(^^) まだ30歳ちょっとの作者が こんな題材を自在に操ってモノにしていることにも感心しました。 昔話で みんながよく知っている登場人物が大勢出てきて、しかも彼らが血の通ったイキイキした配役になっていてとても興味深く読み進めます。 そうして虐げられ続けた者達をさまざま束ねて我らも京人(みやこびと)と何ら変わらない人間であると主張できる世の中にしょうと奔走するも、めでたしめでたし で終わらない! 久しぶりに血湧き肉踊る感じで読了しました 笑。
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差別によって虐げられてきた者たちに勇気を与え、戦うことを民に身をもって教えてくれた桜暁丸。例え、それが儚く散り去ったとしても自分に恥じることはしたくないものだ。力に諦めひれ伏せるのではなく、声をだして戦う。勇気がいることかもしれないが、何かを変えたくば、声に出さないと何も変わらな...
差別によって虐げられてきた者たちに勇気を与え、戦うことを民に身をもって教えてくれた桜暁丸。例え、それが儚く散り去ったとしても自分に恥じることはしたくないものだ。力に諦めひれ伏せるのではなく、声をだして戦う。勇気がいることかもしれないが、何かを変えたくば、声に出さないと何も変わらない。彼の様に強くなりたい。
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平安時代のいわゆる「まつろわぬ民」である土蜘蛛とか滝夜叉とか呼ばれた人々のお話。 「勝者が歴史を作る」とはよく言ったもので、自分がこれまで知ってるのは朝廷の有名な武将である源頼光たちがそれらを平定したくらいのものでした。どちらかというと正義の執行者が未開の部族なり物の怪なりを平定...
平安時代のいわゆる「まつろわぬ民」である土蜘蛛とか滝夜叉とか呼ばれた人々のお話。 「勝者が歴史を作る」とはよく言ったもので、自分がこれまで知ってるのは朝廷の有名な武将である源頼光たちがそれらを平定したくらいのものでした。どちらかというと正義の執行者が未開の部族なり物の怪なりを平定して平和をもたらした的な。でも違う側面からというのもなかなかに興味深いお話でした。 でもまあ、とは言うものの、童といわれるそれらが平定されたとか酒呑童子が大江山で討たれたとかいう出来事はそもそも知られているお話なので最後がどうなるのかがわかってしまってるのが・・・・主人公勢のバッドエンドが予め決まっている物語というか・・・
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平安時代の、京人(みやこびと)から蔑まれながら恐れられていた人達による戦いの物語。 決して好んで戦った訳ではないが、そうするより他なかった。 登場人物画がみな丁寧に描かれて、魅力的なキャラクターが次々と出てくる。 ラストは京人と和睦が叶えば、と思ったけど難しく、非常に残念。
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平安時代、人として扱われることのなかった者達が、己の居場所を求め、皆が手をたずさえて生きられる世を熱望し、戦う物語。 「人であることに違いなし」分かってくれる人もいたけれど、その人数はあまりに少なく頼りない。 そんな中、保昌・保輔兄弟は希望の光だったように感じます。 面白いです!...
平安時代、人として扱われることのなかった者達が、己の居場所を求め、皆が手をたずさえて生きられる世を熱望し、戦う物語。 「人であることに違いなし」分かってくれる人もいたけれど、その人数はあまりに少なく頼りない。 そんな中、保昌・保輔兄弟は希望の光だったように感じます。 面白いです!時代小説がお好きな方にはおススメです。
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酒呑童子伝説を題材とした小説。 歴史は権力側から語られることが多いが、相対する側から見える景色は全く異なるという好例。
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時は、京への遷都から175年。 左大臣・源高明とその従者・藤原千晴を中心とした一派は、長きに渡って続く虐げられし者達との憎しみの連鎖に終止符を打つべくクーデターを画策する。 計画には、後の天文博士・安倍晴明や彼と情を交わしていた盗賊団・滝夜叉の女棟梁・皐月、大江山の鬼の頭・虎節、...
時は、京への遷都から175年。 左大臣・源高明とその従者・藤原千晴を中心とした一派は、長きに渡って続く虐げられし者達との憎しみの連鎖に終止符を打つべくクーデターを画策する。 計画には、後の天文博士・安倍晴明や彼と情を交わしていた盗賊団・滝夜叉の女棟梁・皐月、大江山の鬼の頭・虎節、土蜘蛛の頭領・国栖など、錚々たる面々が名を連ねたが、洛中随一の武官・源満仲とその嫡子・頼光の裏切りにより、計画は瓦解し膨大な犠牲者を出す。後の「安和の変」である。 その6年後、 まさに有史以来未曾有の天変(皆既日食)の日、越後の豪族で郡司を務める山家重房の元に嫡子・桜暁丸が誕生する。 その生母は、海より流れ着いた異形の女だった。 やがて、重房が朝廷の理不尽な圧政に憤り、密かに民を護って来た事が露見し、ついには朝廷との戦となりほろぼされるが、重房と、師匠・蓮茂の計らいで一人桜暁丸は生き延びる。 やがて、検非違使らを狙う兇賊・花天狗となり恐れられるが、ある時貴族専門に襲う義賊・袴垂(藤原保輔)に窮地を救われ、その後行動を共にし兄と慕う様になる。 保輔の死を期に逃亡する最中、土蜘蛛の棟梁・毱人と知り合った事から畝火・滝夜叉・粛慎らを巻き込み、大きな戦いの渦に巻き込まれて行く。 ◯蓮茂・・近江土着・百足の技の達人。桜暁丸の師匠 ◯袴垂(藤原保輔)・・貴族でもありながら童との平和を望む。洛中を騒がせる義賊。夜雀の技を桜暁丸に伝授。桜暁丸の心の兄。 ◯皐月・・平将門の娘、滝夜叉の頭領。安倍晴明との間に如月という娘を産む。 ◯葉月・・皐月の孫娘。美しく、武術に長ける。後に桜暁丸の妻となる。 ◯虎節・虎前・・大江山の粛慎(みしはせ・鬼)の頭領父子。虎前は戦いを嫌うが桜暁丸に巻き込まれる。 ◯毱人・・畝火の頭領。京から追われていた桜暁丸を匿い17年に渡って面倒を見る。第二の兄、 ◯欽賀・星哉・・毱人の息子達。桜暁丸の片腕となる ◯渡辺綱・・頼光の配下、四天王と呼ばれる達人の中でも抜きん出ている。 ◯卜部季武・・四天王の一人。 ◯碓井貞光・・同上 ◯坂田金時・・四天王の一人だが、出自はむしろ桜暁丸達に近い。本名・金太郎
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