1,800円以上の注文で送料無料

絶滅できない動物たち の商品レビュー

3.9

19件のお客様レビュー

  1. 5つ

    6

  2. 4つ

    5

  3. 3つ

    3

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2023/04/21

動物を生かす事も絶滅させる事も人間のただのエゴ。 そもそも頼まれていない。読み物として面白かった。 しかし、仕事に活用は出来ない本なので、次回からこのジャンルは図書館でレンタルする。

Posted byブクログ

2022/11/26

たしかに、絶滅した種をDNAから復元することは、果たして自然保護なのか…?? 自然とは、絶滅とは… うーん、向き合わなくてはいけない問題だ…

Posted byブクログ

2022/05/28

人間による種の保存という行為について、生態系の維持に必要なものなのか、人間の独善的な行為なのかという2つの見方ができると知った。絶滅危惧からの復活という目的で、絶滅の恐れのある種を動物園や研究施設で管理することは、人間から見れば未来に繋がる大切な工程のひとつであると思われるし、管...

人間による種の保存という行為について、生態系の維持に必要なものなのか、人間の独善的な行為なのかという2つの見方ができると知った。絶滅危惧からの復活という目的で、絶滅の恐れのある種を動物園や研究施設で管理することは、人間から見れば未来に繋がる大切な工程のひとつであると思われるし、管理される側の動物は自由に活動できない状況になってしまう。 日本の事例では、兵庫県のコウノトリや佐渡島のトキが挙げられる。中国から個体を輸入し人工授精後に自然界に放流した結果、現在でも一定数が生息し、絶命危惧度が緩和された。確かに日本の原風景の再現には貢献できたかもしれないが、トキらが絶滅した後、その土地で新たに形成された生態系を脅かす存在にもなり得る。今後個体数が増加していき自然界に問題が顕然した場合には、人間の独善的な行為と指摘されてもおかしくない。 本書の終盤ではオブジェクト指向存在論に触れている。人間からの一方的な自然や種の解釈を行うだけではなく、双方向的な理解を模索する必要があると学んだ。地球に生命が誕生して30億年以上が経過したが、その間、ある種が繁栄・進化したら他のある種が衰退・絶滅に追いやられるという事例は汲めども尽きなかった。現代は人間が繁栄する種であり、その余波で他の種が衰退していると考えられる。以上を踏まえ、他の種にとっての人間の存在意義を考え続け、人間による種の保存行為の是非を検討する必要があると感じる。

Posted byブクログ

2021/12/12

「絶滅を防ぐことは良いこと」と思っていた自分の考え方を広げてくれた一冊。 インパクトでいえば今年読んだ本の中では一番かもしれない。 まずタイトルにやられた。なんてキャッチーなタイトル。 本書に出てくるのは絶滅「できない」というよりは「させてもらえない」動物たちだなと思った。 仮に...

「絶滅を防ぐことは良いこと」と思っていた自分の考え方を広げてくれた一冊。 インパクトでいえば今年読んだ本の中では一番かもしれない。 まずタイトルにやられた。なんてキャッチーなタイトル。 本書に出てくるのは絶滅「できない」というよりは「させてもらえない」動物たちだなと思った。 仮に動物たちと意志を通わせることができたとして、人間が行っている取り組みに対して、何を感じているのかと思いを馳せた。 人類が地球環境に与えている影響の大きさを知ることができた。 しかし、それすらも地球にとっては些細なことなのかもしれないなとも思った。 そもそも人類が生態系に干渉すること自体がおこがましいのでは?とすら思った。 ハイパーオブジェクトという概念をもっと掘り下げて理解したい。

Posted byブクログ

2021/05/31

絶滅を危惧される種を保護することが、本当に種の継続に繋がってるんだっけ?という問題提起を意識できるようになってよかったかなっていう。この手の翻訳物は本当に無駄なセンテンスが多くて読みづらい。気の利いた風の言い回しとか、バッサリ切ってしまえばもっと読みやすくて意図も通じるのにと毎回...

絶滅を危惧される種を保護することが、本当に種の継続に繋がってるんだっけ?という問題提起を意識できるようになってよかったかなっていう。この手の翻訳物は本当に無駄なセンテンスが多くて読みづらい。気の利いた風の言い回しとか、バッサリ切ってしまえばもっと読みやすくて意図も通じるのにと毎回思うけど。

Posted byブクログ

2021/05/30

保護して生かしておけば絶滅を免れているかというとそんなことはなくて、保護環境下で生活様式が変わって何世代か経つと自然環境下とは違う進化をしてしまう。保護する意味を考えさせられる。

Posted byブクログ

2021/01/24

今までは、種を絶滅から守る?いいんじゃない?程度にしか思っていなかった。 だが必ずしも全てが正しいというわけではないようだ。 人工的な環境下でしか生きられない動物は、自然に生きていると言えるのか。 人間の手によって育てられた動物は鳴き方すらも忘れてしまう。 DNAより復活させら...

今までは、種を絶滅から守る?いいんじゃない?程度にしか思っていなかった。 だが必ずしも全てが正しいというわけではないようだ。 人工的な環境下でしか生きられない動物は、自然に生きていると言えるのか。 人間の手によって育てられた動物は鳴き方すらも忘れてしまう。 DNAより復活させられた動物は、果たして絶滅前の動物と同じ種で括っても良いのか。 人間の都合で絶滅に追い込んでおいて、今度は復活だなんて勝手すぎる。とは思うが今までこういう話題にはあまり関心を持っていなかったので何も言えない。

Posted byブクログ

2021/01/01

種の絶滅とはなんぞや、種の保護とはなんぞや、自然保護とはなんぞや。環境保護と貧困対策の優先順位はどうあるべきか。DNAさえ保管すれば良いのか、種の遺伝的多様性を維持するために、やっていいことと悪いことの線引きはどこにあるべきか。どこまでが保護すべき遺伝的グループだと言えるのか?e...

種の絶滅とはなんぞや、種の保護とはなんぞや、自然保護とはなんぞや。環境保護と貧困対策の優先順位はどうあるべきか。DNAさえ保管すれば良いのか、種の遺伝的多様性を維持するために、やっていいことと悪いことの線引きはどこにあるべきか。どこまでが保護すべき遺伝的グループだと言えるのか?etc.etc. 人類の支配を企む人や組織は、これらの問いへの答えを用意しなければならないのか、大変だなw

Posted byブクログ

2020/11/02

保全、脱絶滅、種の復活。 保全と脱絶滅の違いなど、種に対する考え方も多様だということを知って驚いた。絶滅するものを止めることは純粋に「良いこと」「やるべきこと」なのではなく、いろいろな視点に立って考えるべき内容なのだとはじめて理解した。 オブジェクトに関する記述は、西洋的なア...

保全、脱絶滅、種の復活。 保全と脱絶滅の違いなど、種に対する考え方も多様だということを知って驚いた。絶滅するものを止めることは純粋に「良いこと」「やるべきこと」なのではなく、いろいろな視点に立って考えるべき内容なのだとはじめて理解した。 オブジェクトに関する記述は、西洋的なアプローチから東洋的なアプローチに向かっているように感じた。

Posted byブクログ

2020/10/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「絶滅できない」というタイトルに興味を覚えて読んでみた。 自分がこうした問題の存在について初めて考えたのは、鮭の人工孵化のニュースだったと思う。 遡上してくる鮭を捕まえて捌き卵を取り出し、人の手で受精させて卵を育て、稚魚を川に放流する。 卵を産みに帰ってきた鮭をわざわざ捕獲するのが幼心に疑問だった。 確かにある意味で尊厳死の問題にも似ている。 人が手を加えた時点でそれは『自然』では無いのではないか。 『自然』についての考え方は、多分日本人はまた少し異なるだろうと思う。 世界は人類の為に創造されたという感覚が無いし、 八百万の神という考えがあるだけに自然=神という感覚の方が強いだろう。 人が保護した動物は、その動物そのものなのだろうか。 動物園で飼育される虎は、確かに種としては虎なのかもしれないが 環境リッチメントが行われているだけで、本来であれば備わっている狩りの能力なども失われ 餌を待つだけの虎は本来の虎の姿とは異なるのではないか。 それでも虎を保護することが、『自然』を守ることに本当につながるのだろうか。 セレンゲティが設立されマサイ族は立ち退きになり立ち入り禁止になったが サファリツアーの会社はこの地域を利用できることに違和感がある。 自然保護主義者は自然が人間にとって大いに価値があるときしか 自然保護を要求しない。 欧米の白人専門家は欧米諸国で何世代にもわたって行われてきたことを 発展途上国に禁止を求める場合が珍しくない。 この辺りも頷けるところだ。たとえば捕鯨は日本でも関わりのあることで、 獲って油を絞っただけで死骸はそのまま捨てていた米国が 肉も髭も骨もすべて余すことなく利用してきた日本人の捕鯨を批難する。 自分も動物愛護活動をしているので、 動物なんかより人をまず保護しろよと文句を言われるのは実体験としてある。 蛙を保護して繁殖させるため飼育下に移したことで ストップしていたダム建設工事が実施され 結局生態系全体の調和を破壊することになったというのは 皮肉である。 繁殖の為に交雑させた種は本来の種ではなく それは保護に該当するのか。 近親交配を巧みに避けることで、遺伝的多様性は低くともやってこれた種もいる。 絶滅とはなにをさすのか、人はどこまで手を出すことが義務なのか可能なのか。 倫理やクローンの問題にもつながっていく。 管理と干渉はどの程度まで許されるのか。 環境から切り離された遺伝子に意味はあるのか。 保護し人工で育てられて野生に戻された鳥は、 鳴き方を含めすべて一から覚え直す必要がある。 命が生きるのはただ遺伝子と命だけではなく環境も重要なファクターである。 進化とはなにか。絶滅を防ぐことが必ずしも正解なのか。 冷凍保存されている細胞から絶滅した種の復活をさせることは 自然保護になるのだろうか。 復活させられるなら絶滅させてもいいのか? リョコウバトは人間のせいで絶滅してしまったのだから 人の手で復活させようとうのは正しいことのように思えるが 元は害鳥であったことも考えねばならない。 単純に復活させれば良いというものでもないし、 オビオバトの遺伝子を操作してリョコウバトにすることが 「リョコウバトの復活」になりうるのか。 2200万年の進化を果たしてDNAから読み取れるのか。 自然保護というと良いことと考えてしまいがちだが 何事もそれ一辺倒ではなく、 あるがままにしておくのが自然ならば、人のせいで絶滅したり絶滅できなかったりする種がいいるのは 不自然なのではないだろうか。 人がどこまで手を出してよいのか。本当に難しい問題だ。 容易に答えは出せないが、保護=良いことと思考停止するのではなく それぞれが考えていかなければいけない。 現代の生き方が客観的に見て優れているという 自分たちの頑なな信念がわたしたちに偏見を抱かせる という言葉も共感した。 20世紀はじめは自然は女性を受け入れない、極端な自然環境は女性にはきついと考えられており 1838年まで北極圏に女性が足を踏み入れたことがないというのは知らなかったので驚いた。 この自然問題は、実は男女の問題にも波及するように思った。 自然の消滅で私たちが実際に失うものは謙虚さ。 これも確かにそのとおりだと思った。 日本人は比較的、自然に対しては謙虚な民族だとは思うが 傲慢にならずにいたいものだ。

Posted byブクログ