到達不能極 の商品レビュー
南極の凍てつく寒さと神秘性が抱える奥地にこんな話があってもいいかな~と思う。 テンポが良い文体に伏線の回収もなんだか粋。 失われた青春があの戦争中にはたくさんあった筈…だからこそのラストがとても好きです。
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いや、面白かった。なんか同じような終戦前の話って読んだことあるよなあ、これってOK?って思う部分もあるが、2018年と1945年の2つの時間軸で進んで行く話が、ムチャ面白かった。最後に当然繋がることは想定内なんだけど、それでも想定外の展開もあり、こりゃ江戸川乱歩賞受賞も当然かなっ...
いや、面白かった。なんか同じような終戦前の話って読んだことあるよなあ、これってOK?って思う部分もあるが、2018年と1945年の2つの時間軸で進んで行く話が、ムチャ面白かった。最後に当然繋がることは想定内なんだけど、それでも想定外の展開もあり、こりゃ江戸川乱歩賞受賞も当然かなって納得。読み応えありです!
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ツアー客を乗せた飛行機が、原因不明のトラブルにより、南極に不時着する「現代」と、第二次大戦中、謎の任務に乗り出すことになる、ペナンの日本海軍航空隊の「過去」を織り交ぜた展開は、オーソドックスながら、上手く絡み合っていて、楽しめました。 また、南極の歴史における実際の出来事と、上...
ツアー客を乗せた飛行機が、原因不明のトラブルにより、南極に不時着する「現代」と、第二次大戦中、謎の任務に乗り出すことになる、ペナンの日本海軍航空隊の「過去」を織り交ぜた展開は、オーソドックスながら、上手く絡み合っていて、楽しめました。 また、南極の歴史における実際の出来事と、上手く融合させたような、フィクション的解釈の要素も興味深く、南極を舞台にした新鮮さも良かったのですが、ネタバレに当たる部分の稚拙さが強く、そこだけ妙に浮いてしまっている印象を受けました。 それで、肝心のクライマックスのところが、微妙な感じになってしまったのが残念といえば残念なのですが、物語の内容自体は、まとまっていると思いますし、色々な戦闘機が登場することで、ミリタリー好きな方も楽しめるのではないかと思いました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
終戦直前のパートと現在のパートが別々に進んでる間は面白かったんだけど…いかんせん、外出し頭脳とは、あー。意識を微分…??SF的にも難ですな、ちと無理無理かも。『終戦のローレライ』、読もうっと。南極にはとっても興味が湧きました、そこはありがとー。
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舞台は南極大陸。戦時中と現代、二つの時系列で物語は進み、やがてその二つが現代でがっつり絡み合う。 南極を舞台にしたミステリーがあると知り、読んでみたくなった。 謎の根幹がSF的な展開になるのには驚いたけれど、文章は読みやすく、また先が気になってずんずんと読み進めたくなるほど、面...
舞台は南極大陸。戦時中と現代、二つの時系列で物語は進み、やがてその二つが現代でがっつり絡み合う。 南極を舞台にしたミステリーがあると知り、読んでみたくなった。 謎の根幹がSF的な展開になるのには驚いたけれど、文章は読みやすく、また先が気になってずんずんと読み進めたくなるほど、面白かった。 読後も爽やか。重すぎず、難しすぎず、テンポもあって良かった。 巻末に掲載されている江戸川乱歩賞の選評を読んだら、他の候補作もどんな作品なのか読んでみたくなった。
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現在と戦時中の話が交互に書かれており、徐々に話が繋がって全容が分かる展開は引き込まれて良かった。 ただ、ちょっと話が現実離れしているというか、ファンタジー過ぎるのが残念な感じもしたけど、夢中に読めた一冊でした。
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・「わたしを、忘れないで・・・」 ・南極で何か不穏なことが起こっている。人為か自然か、そのせいで不時着することになった南極ツアーの旅客機。 ・1945年日本の航空隊から飛び立った一式陸攻は行き先不明の任務で二人の客を乗せていた。そのうちの一人は過去編の主人公と恋愛一歩手前だった少...
・「わたしを、忘れないで・・・」 ・南極で何か不穏なことが起こっている。人為か自然か、そのせいで不時着することになった南極ツアーの旅客機。 ・1945年日本の航空隊から飛び立った一式陸攻は行き先不明の任務で二人の客を乗せていた。そのうちの一人は過去編の主人公と恋愛一歩手前だった少女。おそらくこれが始まりの物語で現代編で解決するのだろう。 ・SFではないのだろうけど、SF成分の部分があまりにもチープで若干白けてしまったが基本的には面白くかつ読みやすくわりとあっさり読み終えることができた。 ・半分くらい読んだところでかつてやったゲーム、セガ・サターン版「EVE burst error」を思い出した。ので最初に置いたセリフが浮かんできた。今回の作品はあれほど切なくはないが。 ・「到達不能極」とは各大陸で最も海から遠い場所のことらしい。南極のそれは他よりも到達が過酷ではある。
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南極を舞台に2018年2月、1945年1月、1958年8月の出来事が交錯する壮大な物語だ.望月拓海がツアーコンダクターを勤める南極大陸周遊旅行で突然通信障害が起こり緊急着陸する.南極観測隊の昭和基地から南極大陸内部のドームふじ基地を目指して雪上車で移動中の伊吹や衣笠は、前方に見え...
南極を舞台に2018年2月、1945年1月、1958年8月の出来事が交錯する壮大な物語だ.望月拓海がツアーコンダクターを勤める南極大陸周遊旅行で突然通信障害が起こり緊急着陸する.南極観測隊の昭和基地から南極大陸内部のドームふじ基地を目指して雪上車で移動中の伊吹や衣笠は、前方に見えてきたクレパスの調査にドローンを飛ばすが通信回線不良で回収不能となる.第二次世界大戦末期、ペナン島からドイツ人2名を南極の基地に送り届ける星野信之らが登場して、役者が揃う.星野はロッテ嬢と僅かな接触がある.到達不能極基地と名付けられた場所でドイツは不老不死の研究を続行していたが、完成のためにロッテ嬢と父親の博士が不可欠な存在だった.魂の保管という形で生命を維持するという研究でロッテ嬢が試験台になる.ドイツ本国の方針変更で研究は頓挫するが、魂は残存した.戦後アメリカがその秘密を手に入れよう何度もアタックするが、その度に飛行機墜落が起きる.拓海が乗っているチャーター機に米国軍人のベイカーがおり、拓海の大叔父星野信之もいた.この二人が某基地の秘密を解明する重要人物となる.信之とロッテ嬢の魂との交流が良い感じだった.話が大きく展開していく後半は一気に読んだが、非常に楽しめた.
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平成30年度江戸川乱歩賞受賞作品です。 戦時中に建造された南極の軍事基地を巡って、米国や ロシアが暗躍するサスペンスミステリーです。 SF的要素も含まれていて、乱歩賞もこういう作品が 選ばれるようになったのか、という素直な感想を 抱きました。 選考者の書評を読むと、小説として...
平成30年度江戸川乱歩賞受賞作品です。 戦時中に建造された南極の軍事基地を巡って、米国や ロシアが暗躍するサスペンスミステリーです。 SF的要素も含まれていて、乱歩賞もこういう作品が 選ばれるようになったのか、という素直な感想を 抱きました。 選考者の書評を読むと、小説としての質の高さが 買われての受賞らしく、SF的要素は「B級」と コキおろされていました。 いいアイデアと思いますけどね。
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乱歩賞ぽくないけど、乱歩っぽいかも ミステリというより、冒険とSFの狭間のような しかも、令和でも平成でも なく昭和な 令和のちっちゃい画面感でない冒険に おじさんは心躍りました
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