地球星人 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
小学5年生の笹本奈月には、勤務先でクラッシュボンバー笹本とよばれている母。中学校で、クロマニョン人といわれている姉がいる。 塾の先生の伊賀崎には『お勉強』といわれ、いたずらされる。 奈月は、お盆休みにだけ、長野で逢える同い年の従兄の由宇と結婚している。 だけど、二人で、生きのびて、ポハピピンポボピア星に宇宙船に乗って帰る前に、塾の先生に殺されそうになる。 「私、もしかしたら殺されるかもしれないの。だから死ぬ前に、由宇と結婚したいの。子供の約束じゃなくて、本当の結婚がしたいの」 悲痛な奈月の叫びを由宇は受け入れる。 「家を出たときから、もう戻らずに死ぬことを決めていた」 このお話は、前半の二人の別れから、中ほどの奈月とすっかり人が変わってしまった由宇との再会までは、普通のお話しとして読めました。 ただ、後半の奈月と由宇、奈月の元夫の離婚式のあたりから別な話になり、何の話なのかわからなくなりました。 前半の二人のストーリーはとてもせつなく、どうなるのかと思っただけに、私は特に由宇の変化の仕方が残念でした。 結婚誓約書の 『なにがあっても生きのびること』 この誓いが、離婚式のあとも守られたのは、よくわかりました。 地球星人には未来がないということでしょうか。
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これぞ小説!ぶっとんでいて素晴らしい。分かりやすさや人気取りからは遠いところにあるラスト。小説ってこうであってほしい。見知らぬ世界にぐいぐい手をひっぱっていってほしい。
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こんな小説がこの世に存在して良いのか、という、もはや困惑に近い感情を読後に抱いた。 彼女らポハピピンポボピア星人が地球に来てはいけなかったように、この小説ももしかすると、地球上に生まれてはいけなかったのではないだろうか。 これはポハピピンポボピア星人が地球に到達して、地球星人と...
こんな小説がこの世に存在して良いのか、という、もはや困惑に近い感情を読後に抱いた。 彼女らポハピピンポボピア星人が地球に来てはいけなかったように、この小説ももしかすると、地球上に生まれてはいけなかったのではないだろうか。 これはポハピピンポボピア星人が地球に到達して、地球星人とファーストコンタクトを取るまでの物語なのだと思う。 斯くして、地球(しかも日本)に、ポハピピンポボピア星人が降り立って、彼女らが地球星人を侵食し始めたことが明るみに出された。 さて、これからこの世界を覆い尽くすのは、どちらなのか。
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ぐいぐい引き込まれて読み進んでいけるけど、ラストは正直気持ちが悪い。辛い。 常識とは、当然の価値観とは何だろう。 窮屈なニンゲンしか出てこない。世界が、窮屈だからか。
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本というのは、何ページか読んでいくと、良くも悪くもそのストーリーの骨格というか、ラストまでの落としどころみたいなものが想像できる。 しかし、この本はラストに向かうに従って全く分からなくなっていく。想像を超えるというか想像していたことがバカバカしくなる。 まあ面白いとか面白くな...
本というのは、何ページか読んでいくと、良くも悪くもそのストーリーの骨格というか、ラストまでの落としどころみたいなものが想像できる。 しかし、この本はラストに向かうに従って全く分からなくなっていく。想像を超えるというか想像していたことがバカバカしくなる。 まあ面白いとか面白くないとかというレベルではない。 でも僕らが共有していると思い込んでいる工場という価値観は、もしかすると本当に単なる地球人の幻想なのかもねという疑いが自分の中で芽生えないようにしないと、えらいことになりそうなので、さっさと忘れることにする。 それにしても、誰かから「仲良し」しなさいとか言われたら叫び出したくなるかもしれん。 あー恐かった。
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自分の価値観というものが、もしも脳に詰まっているのだとしたら、両手で頭を掴んでガンガンと揺さぶられたのではないかという衝撃。 地球星人たちに違和感を抱き続けても、逃げることも離れることも解け込むこともできずに「生き延びること」を選択してしまったのが彼らの悲劇で幸福だったのだろう...
自分の価値観というものが、もしも脳に詰まっているのだとしたら、両手で頭を掴んでガンガンと揺さぶられたのではないかという衝撃。 地球星人たちに違和感を抱き続けても、逃げることも離れることも解け込むこともできずに「生き延びること」を選択してしまったのが彼らの悲劇で幸福だったのだろうか。 わたしはまだ地球星人でいたいのか果たしてどっちだ。
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好きだと思うから読んでみてって同僚から借りた本。うん、好きだわ。全員の気持ちが少しずつ理解できる。あ、塾講師は別で。 お盆の親戚、いとこ達、とてもよくわかるリアルな情景から大人になって現実との比較?みたいな話しかと思ったら、題名が地球星人だもんね 宇宙のレベルの話だった
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村田沙耶香さん、新作「地球星人」(2018.8)、久しぶりです。村田沙耶香さんの作品、「コンビニ人間」(芥川賞)は、わかりやすかったです。「星が吸う水」「ハコブネ」「タダイマトビラ」「殺人出産」「消滅世界」は、記憶が薄れてはいますが、わかりにくい作品だったと思います。この「地球星...
村田沙耶香さん、新作「地球星人」(2018.8)、久しぶりです。村田沙耶香さんの作品、「コンビニ人間」(芥川賞)は、わかりやすかったです。「星が吸う水」「ハコブネ」「タダイマトビラ」「殺人出産」「消滅世界」は、記憶が薄れてはいますが、わかりにくい作品だったと思います。この「地球星人」、わかりにくかったです。意味不明です。
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村田沙耶香の作品は、読んだ後にこの世の全てを疑いたくなる。 読後感は最悪だけど、ちょっと世界が読む前と変わって見えるから、読んでよかったのだと思う。
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地球人なんて、ポハピピンポボピア星人が 作り上げた幻想なんじゃないかな…。 何があってもいきのびること。恋人と誓った 魔法少女は、世界=人間工場と対峙する!
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