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信長の原理 の商品レビュー

4.2

101件のお客様レビュー

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    40

  2. 4つ

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  3. 3つ

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    2

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2019/01/24

信長が理解した、人はどうやって働くのかの原理。松永は理解しその世界では共存できないと悟り、羽柴は恐れつつ自分からは逃れられず、明智は誰より鋭く賢くなのにその原理が理解できず。ぐいぐいと読めました。

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2019/01/25

垣根涼介は大好きな作家、特に「君たちに明日はない」シリーズが良い。 しかし今作は垣根涼介の小説にしてはいまいち。 光秀の原理と比べても格段に説得力に欠ける。 蟻の2割は怠け者であるが、その2割だけにするとその中の2割だけがやはり怠け者になる。逆に怠け者の2割を除いたら、残った8割...

垣根涼介は大好きな作家、特に「君たちに明日はない」シリーズが良い。 しかし今作は垣根涼介の小説にしてはいまいち。 光秀の原理と比べても格段に説得力に欠ける。 蟻の2割は怠け者であるが、その2割だけにするとその中の2割だけがやはり怠け者になる。逆に怠け者の2割を除いたら、残った8割の中でやはり2割が怠ける。 これは有名な話だが、この小説ではこれを拡大解釈して、2割が信長を裏切ることになってしまう。意味不明である。

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2019/01/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

著者名を伏せられて読んだとしても、ああこれは垣根涼介だな、と直ちに分かる文体をこのレヴェルで確立しているのは凄い。 明智光秀の興亡を描いた「光秀の定理」とまさに同時代を、今度は信長を主人公に据えて構築した物語ということになるが、やはり誰しもが概況ぐらいは知っている史実が題材なのでまず読みやすい。 「光秀の定理」と異なり、物語の核を担う架空の登場人物が出てこない分、これはフィクションではなくてすべて本当にあった出来事なのではないか、と勘違いしてしまうほどリアルに仕上げられている。 稀なる異才を備えながらも誤解されやすく、そして爆発的な暴力性と残忍さを併せ持った織田信長や、それに付き従う武将たちの人物像が輪郭鮮やかに浮かび上がってくるよう。 読者たる我々は、本能寺の変という、信長と光秀を巡る物語の結末を知っているわけで、そこに至らんと破滅に向かって着実にカウントダウンを続けるかのような展開に息詰まるというか胸がチクチクと痛むというか。 現代のエンターテインメントらしく、最終盤、光秀が謀反を起こさざるを得ない状況に追い込まれてしまうくだりには、本書のパッケージになっている主題に絡む、ちょっとした仕掛けも施されていて、さすが。 おそらく垣根涼介氏は明智光秀のことが大好きなんだろう。 時代小説1作目の主人公に選んだこともそうだが、本書の特に後半を読み進めていくとそう感じる。 読了後、もう一度「光秀の定理」を読んでみたくなった。

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2019/01/15

これはすごく面白い本でした。小学校の時に読んだ「ドリトル先生航海記」、中学時代に読んだ「星の王子さま」以来の傑作です! 信長を書いた本は多いだろうけど、このような切り口があるのかと感心しました。信長と言う人は社会学者でもあり心理学者でもあったのだろうと感じました。その一方でこの...

これはすごく面白い本でした。小学校の時に読んだ「ドリトル先生航海記」、中学時代に読んだ「星の王子さま」以来の傑作です! 信長を書いた本は多いだろうけど、このような切り口があるのかと感心しました。信長と言う人は社会学者でもあり心理学者でもあったのだろうと感じました。その一方でこの作品がスポットライトを当てるのは、組織論であったり人事論だったりします。そのまま現代に通用するかどうかは別としても、本質はここにありと感じました。パレートの法則を利用しながら、この本はどのビジネス本よりも示唆的で問題提起の多い作品になっていて、信長に新しい光を当てた感じがします。 少なくとも経営に携わる方には必読の書では?って言うか、読まなければ一生の損(笑)とまで思わせる作品でした。直木賞受賞や本屋大賞のノミネートはあるでしょうか?

Posted byブクログ

2019/01/14

織田信長については過去、小説、映画、舞台、大河ドラマといった様々な形で作品が発表されてきました。 本作もその例に漏れず、信長の一代記を600ページ近くにわたってどーんと描いた渾身の作品になります。 もはや過去作で描きつくされただろうと思われている信長像を新たな視点で提示するのは...

織田信長については過去、小説、映画、舞台、大河ドラマといった様々な形で作品が発表されてきました。 本作もその例に漏れず、信長の一代記を600ページ近くにわたってどーんと描いた渾身の作品になります。 もはや過去作で描きつくされただろうと思われている信長像を新たな視点で提示するのは、プロの作家でも困難な作業だということは素人の私でも感じるところではありますが、本作では有名な「働きアリの法則」を周囲の武将たちに当てはめるという手法によって、高いハードルを見事にクリアしています。 その一点だけでも称賛に値しますが、加えて本作はとっても読みやすかったです。今回の候補作の中では一番かも。 その理由は恐らく、事件の背景や登場人物の心情などがかなり細かく、そして分かりやすく丁寧に描かれており、自分の中の「知識」としてあった歴史とうまくシンクロしたためではないかと想像します。 ただ、やっぱり有名どころを題材にしていることもあってか、前作『室町無頼』にあったような荒々しさや破天荒さは抑え目な印象で、トータルで見ると前作のほうが物語としての躍動感はあったかなあという気もしました。

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2019/01/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

★2019年1月12日読了『信長の原理』垣根涼介著 評価B+ 小説のテーマは、実は「なぜ明智光秀は本能寺の変を起こしたのか」である。 その事件までには、織田信長を中心に、その優秀な文官、武官の思いが交錯する。 この小説では、光秀の謀反は、子飼いの部下でも、有用で無くなれば命さえを奪ってしまう信長の冷酷さに恐れを抱いたからという説プラス将来の敵となる徳川家康を殺害せよという信長の汚い謀殺命令に自分の未来を見たからという新説が面白い。 信長の原理とは、人が生きていく上で、最もやりきれなく、そして始末に負えないことは、その生が、本来は無意味なものだということに、皆どこかで気づいていることだ。そして、信長が裏切られても何度も許した松永弾正は、この虚無感すなわち人も虫けらも同じという無常観を共有しており、損得を超えて、信長を助けた希有の男が松永弾正だったからである。 また、人は、蜂や蟻と同様によく働くもの1、普通が3、怠ける者1であるということに気がついた信長は、そのことに納得がいかず、少数精鋭に鍛える部下達が次第に輝きを失って常に2割の人間しか使えない点に激しいいらだちを覚えていた。

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2019/01/06

垣根涼介さんの「信長の原理」を読むきっかけは司馬遼太郎さんの「花神」をよみ「軍事の天才は1000年に1人か2人、大村益次郎、織田信長…」のような言葉が並び面白そうだなと手に取りました。 結論から言えば最高でした。織田信長の周りの人間模様を「働きアリの法則」から考察していきます。...

垣根涼介さんの「信長の原理」を読むきっかけは司馬遼太郎さんの「花神」をよみ「軍事の天才は1000年に1人か2人、大村益次郎、織田信長…」のような言葉が並び面白そうだなと手に取りました。 結論から言えば最高でした。織田信長の周りの人間模様を「働きアリの法則」から考察していきます。「人間余裕がないとダメだよ」とよく耳にする言葉ですがそれを軍事に天才の物語に合わせて展開されます。 幕末から維新の大きな転換期にもこの信長の行動を元にした反省と行動があったのではないかとも考えたりと楽しい読書体験にもなりました。 しかしながら、ラストの「神や仏などはおらぬ」と考えていた自分を知り自分で考えて行動する信長が「働きアリの法則」に並ぶ「生きとし生きる者」に対する大きな気づきを得ます。その気づきは全てを包み込むようなまさに「原理」となって現れます。 歴史小説ファンにとって科学的根拠のある法則と交えて展開される内容に読み応え抜群の1冊となりました。

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2019/01/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

光秀の定理が面白かったので、期待して読んだ。期待を裏切らない面白さだった。信長その人の、表に出にくいであろう本質についての深読みも面白かった。そして家老たちの個性を一人一人浮き彫りにする書きっぷりも頼もしかった。 なにより光秀と信長の、長と家臣としての相性のよさが丁寧に描かれていて、のちの本能寺の変への伏線が張られていくところはドキドキとして、ときには切ない気持ちにさせられた。 アリについてのエピソードは確かに興味深かったけれど、歯車がゆっくりと噛み合わなくなっていく場面のほうがずっと読ませるな、と思った。転げ落ちるように、信長を討たざるをえなくなる展開は本当にぞくぞくとした。 そして印象に残ったのは「信長も光秀も理屈に囚われすぎる」という秀吉の言葉。確かに理に走りすぎずに、うまく現実に利用できる箇所だけを利用しつくした秀吉が、結果的に日本をまとめたのだから。次は、この秀吉が主人公になるのだろうか。楽しみだ。

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2018/12/24

直木賞候補。 蟻の法則に始まり、佐久間父子追放の理由、光秀謀反の理由等、筋も通っており非常に興味深かった。 この世は、「天道」によって、巡っている。

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2018/12/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

原理はわかったけど、前作のようになぜそうなるか解説してくれよ(笑) 信長の合理的だけど、あまりの暴君ぶりに、「こーいう上司いるわー」とか「自分もゲームだったらこうしてるけど人間相手にはできんなー」とか考えさせられた。

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