文系と理系はなぜ分かれたのか の商品レビュー
文系・理系という二分法自体に悪はない。 それは過去からあった、そして諸外国でも分類の仕方や数が違うだけで分類されているものであって「わかりやすくするための括り」としては問題ないと思う。 もちろん学問自体が他分野を跨ぐものがあるので、一概には言えないが、それはあらゆる分類にも言える...
文系・理系という二分法自体に悪はない。 それは過去からあった、そして諸外国でも分類の仕方や数が違うだけで分類されているものであって「わかりやすくするための括り」としては問題ないと思う。 もちろん学問自体が他分野を跨ぐものがあるので、一概には言えないが、それはあらゆる分類にも言えることではないだろうか。 問題はそれを取り巻く環境だ。社会、政治的思想、人々の思惑、ヒエラルキー、教育の仕方、横の繋がり…文系・理系の隔たりを作っているのは間違いなく環境であり、それをどう改善していくべきかなのだろう。
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タイトルを見て気になり読んでみました。 高校生の時に1年生の終わりには、文系に進むのか、理系に進むのかの選択を迫られる。 国語とか社会より数学や理科を勉強をしている方が楽しかったから理系を選択。 数学の教員になりたいという思いもあったので。 この本では世界ではどうなのか、日本で...
タイトルを見て気になり読んでみました。 高校生の時に1年生の終わりには、文系に進むのか、理系に進むのかの選択を迫られる。 国語とか社会より数学や理科を勉強をしている方が楽しかったから理系を選択。 数学の教員になりたいという思いもあったので。 この本では世界ではどうなのか、日本ではいつから文理選択が行わられるようになったのかを触れている。 産業界、ジェンダーではどうなのかも触れている。 1度読んだだけでは理解は自分には難しった…
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
たかが進路、されど進路。 高校生で自分の進路に迷った方に勧めたい。そもそもなぜ文系と理系は分かれているのか。その歴史を知ると、その社会の都合で分かれたのだと思ってしまう。反対に、文理融合とか総合系というのが新しくもないのだと。 社会の構造は、その社会が望む姿で現れてくる。受験や就職の形、ジェンダー役割から、文理が分かれているのが今の日本なら、今後は変わる可能性も感じるし、変わらないかもという不安もある。 私はよく、大学は自分の学びたいことを学びに行くべき、と言っている自覚がある。しかし、女性に理系の進路を勧めない、また社会系の選択も少ない、という問題は意識していたが、男性が人文系の進路を選択しづらいことへの意識が抜けていたのを反省。自分は文系・理系というより職業に結びつく進路選択をして、それを自分の学びたいことと信じていたが、そもそも大学で学ぶことが職業に直結する実学とそうでもない方、という価値判断から自由になっていないと感じた。それが100%悪いことではないと思うが、あまりそれだけに価値を置かないようにしたい。
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普段はサクサク読める新書ばかり手に取っていたので、久々に読むのに難儀した新書だった。 結局のところ分かれた理由は、日本が明治に大学を設立した際に、「実学(技術系)」と「その他」に分けたから…という解釈であっているだろうか?諸外国の大学はそもそもそんな分け方はしていなかったのに...
普段はサクサク読める新書ばかり手に取っていたので、久々に読むのに難儀した新書だった。 結局のところ分かれた理由は、日本が明治に大学を設立した際に、「実学(技術系)」と「その他」に分けたから…という解釈であっているだろうか?諸外国の大学はそもそもそんな分け方はしていなかったのに、いつしか文系・理系が逆輸入されていった、というのは興味深い。 「文系不要論」が話題になったのは日本では2015年のころだったか。しかし世界では、文系理系を融合した「学際化」への論争が数十年前からなされており、文系軽視への危機感からリベラルアーツの重要性を説かれていた。そんな世界潮流の中で文系理系がどうのこうのと言っている日本は後れを取っているようだ。 そんな折、今年(2019年)はAI研究者で「特定短時間勤務有期雇用教職員」の一連の発言が炎上した。文系を切り捨てると、こういうことだと示す事例であった。日本の「学際化」はもはや手遅れの状態ではないか…と暗澹たる気持ちになる。
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文系不要論や国立大学から人文系をなくすなどの議論に違和感(怒り)を覚えていたので、手に取ったとも言える本。いわゆるSTEMを偏重する風潮もどうかと思ってきました。一方で、経済学を専攻して者として、数学を基準に文理を分ける不毛さも感じてきた。 文理の区分けには一定の合理性があると理...
文系不要論や国立大学から人文系をなくすなどの議論に違和感(怒り)を覚えていたので、手に取ったとも言える本。いわゆるSTEMを偏重する風潮もどうかと思ってきました。一方で、経済学を専攻して者として、数学を基準に文理を分ける不毛さも感じてきた。 文理の区分けには一定の合理性があると理解できるが、それが絶対ではないこともわかってくる。ルネッサンス期のように一人があらゆる学問も統合的に学ぶことはもはや不可能で、キーワードは「学際」になってくるのだと思う。 https://amzn.to/2PY627o
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「文系不要論」などのように、話題になり、聞くことも多い問題です。しかし、そもそも文系と理系とは何なのかを、きちんと答えようとすれば、意外とできないことに気づきます。その境目が曖昧な部分もあるからです。そこで、本書では、古来から学問がどのように分類されてきたのか、日本での独自の歴史...
「文系不要論」などのように、話題になり、聞くことも多い問題です。しかし、そもそも文系と理系とは何なのかを、きちんと答えようとすれば、意外とできないことに気づきます。その境目が曖昧な部分もあるからです。そこで、本書では、古来から学問がどのように分類されてきたのか、日本での独自の歴史的な分類の経緯など、まず歴史的な視点から始められています。西欧と日本の、文系理系の認識の微妙な違いを知ることができます。 また産業界と学問の結びつき方が、どのような影響を与えたのか。そして世の中の偏見が個人に与えている影響をジェンダーという問題から書かれています。 文系・理系という問題にまつわる鳥瞰図を得ることができる内容になっています。この区分けの問題点にまつわる、今日の姿も少し紹介されています。
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未開拓の分野にチャレンジした意義ある著作だそうですが、なんか違和感があって読みにくい。たとえば昔の大学における文系理系を説くのになぜ現代人の視点から述べるのか?以前はこうでした、その後変遷して今に至ります、と淡々と言えば説得力があるのに…
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文系とは何か、理系とは何か。そもそもそんな風に二分できるものなのか。理系に男性が多いのはなぜか。17世紀ヨーロッパや、近世以降の日本を振り返り考える本。 素晴らしい労作。一冊に情報がパンパンに入ってる。 面白いなと思ったのは、「抗生物質の効き目を説明せよ」というようなあらかじ...
文系とは何か、理系とは何か。そもそもそんな風に二分できるものなのか。理系に男性が多いのはなぜか。17世紀ヨーロッパや、近世以降の日本を振り返り考える本。 素晴らしい労作。一冊に情報がパンパンに入ってる。 面白いなと思ったのは、「抗生物質の効き目を説明せよ」というようなあらかじめ知ってる知識を応用したり数学的な定式を現象に当てはめるような問題は男子が得意。ある病気について観察した文書から原因を解明するような、現象から科学的な問題を見つける場合、女子の方が得意だというもの。そうなのかー。 理系=男性、文系=女性の傾向の原因は、生まれつき、生活環境など様々因子が関わっていて何が原因かハッキリとは分からないらしい。
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新書大賞2019第2位受賞作! 当然としか思わず、改めて問われれば旨く返答できない問題をわかりやすく説く 一冊!
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あの人は文系だから。私は理系だから。日常的に使われる、文理の二項。 しかし時代を遡った書籍をあたると、文理が分かたれていないとしか思えない記述や思想に出会う。 なぜ、いつ、文理は分かれていったのか。 新書にも関わらず丁寧に参考文献まで明示された本書は、文理の分かれ目の探求にとど...
あの人は文系だから。私は理系だから。日常的に使われる、文理の二項。 しかし時代を遡った書籍をあたると、文理が分かたれていないとしか思えない記述や思想に出会う。 なぜ、いつ、文理は分かれていったのか。 新書にも関わらず丁寧に参考文献まで明示された本書は、文理の分かれ目の探求にとどまらず それが構造的に分化していくものであること、 社会通念、特にジェンダーや政治と不可分に絡みあっているがゆえに複雑さを増していることなどが語られる。 学際的な活動が増えてきているにも関わらず分断は依然としてよこたわっているという事実を突きつけられ、いろいろと考えさせられる一冊。 新書でこのヘビー級の読後感はなかなか得難い。
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