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深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説 の商品レビュー

3.4

22件のお客様レビュー

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2023/07/08

昭和12年、名古屋汎太平洋平和博覧会の取材に同行した主人公は、名古屋にいた知人の姉の足が東京で見つかったと聞く。 先に読んだ次作の方が好みだったけれど十分楽しめた。パノラマ島みたいな建物の仕掛けがおもしろい。 一つ疑問だったのが”上野の美術館にあるロダンの『考える人』&quo...

昭和12年、名古屋汎太平洋平和博覧会の取材に同行した主人公は、名古屋にいた知人の姉の足が東京で見つかったと聞く。 先に読んだ次作の方が好みだったけれど十分楽しめた。パノラマ島みたいな建物の仕掛けがおもしろい。 一つ疑問だったのが”上野の美術館にあるロダンの『考える人』"という点。今の西洋美術館は戦前にはないし、昭和2年に東京府美術館で展示された時はフランスから運ばれているので、”上野にある"というのはどういうことなんだろう。

Posted byブクログ

2023/05/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

昭和シリーズ?ということで、まずこちらから。恥ずかしながら近代史がさっぱりなもので、詳しければもっと楽しめたかもだけど、それでも満州と作り、そこから日本が徐々に孤立していって太平洋戦争にまでつながるというのは分かった。さも満州が天国かのように宣伝し、地方から無学な農民たちを連れて行って、こき使って開拓させた、みたいなのは何かでも読んだことがある。しかし、当時からこのままでは満州はうまくいかない、関東軍の悪さを嘆いていた日本人はいたんだろう。それでも世事に巻き込まれていくのだ。恐ろしい時代だとは思うけど、今現在も後から見ればろくでもない時代なのかもしれない。トリック的な部分はほんと昭和当時の大掛かりな、科学的なやつみたいなのでよく分からなかった。わざと合わせたんだろうか?ジオラマ館の構造はさっぱり理解できなかったけど、ほんと売春で妹を養うなんてひどい話だ。今の風俗で稼ぐというのも似たようなものなのかもしれん。今も立ちんぼが続いているなんて、ほんといつの時代も変わらないのか。これは推理小説ではなく、時代小説なんだなぁ。

Posted byブクログ

2023/03/09

那珂一兵シリーズと云うより昭和ミステリシリーズ3部作の1作目。読むのが最後になったが、直接的な関連はないけど年齢的なものがあるので、やっぱこれから読んでおけば良かったかなと思った。すごく時代的な小説なのだが、なんか一番面白かったような気がする。戦争が・・・ 今の時代にも通じるとこ...

那珂一兵シリーズと云うより昭和ミステリシリーズ3部作の1作目。読むのが最後になったが、直接的な関連はないけど年齢的なものがあるので、やっぱこれから読んでおけば良かったかなと思った。すごく時代的な小説なのだが、なんか一番面白かったような気がする。戦争が・・・ 今の時代にも通じるところがあるから恐ろしい

Posted byブクログ

2023/02/05

辻真先さんの作品はかなり久しぶり。 思えば35年前から読んでるな。主にポテトキリコシリーズばかりで、この那珂一兵が主人公の作品は実は初めてかも。 読み始めてから知ったのだけど、この作品を起点とする昭和シリーズ3作、特に真ん中のは結構賞を獲ったみたいですね。 人を選びそうだけど、...

辻真先さんの作品はかなり久しぶり。 思えば35年前から読んでるな。主にポテトキリコシリーズばかりで、この那珂一兵が主人公の作品は実は初めてかも。 読み始めてから知ったのだけど、この作品を起点とする昭和シリーズ3作、特に真ん中のは結構賞を獲ったみたいですね。 人を選びそうだけど、辻真先さんに慣れてる私には楽しめました。あとの二作もぼちぼちと追いかけてこうと思う。

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2022/09/23

たかが殺人じゃないか、からさかのぼって読んだ。 昭和12年当時、子ども時代を過ごした著者だからこそ 描ける空気感、世界があったのだろうと思う。 一見荒唐無稽な話で、血の雨が降る描写もあるけれど、 残酷なだけでない、「理由」が描かれている。 それも、真実は関係者だけの胸にしまわれ、...

たかが殺人じゃないか、からさかのぼって読んだ。 昭和12年当時、子ども時代を過ごした著者だからこそ 描ける空気感、世界があったのだろうと思う。 一見荒唐無稽な話で、血の雨が降る描写もあるけれど、 残酷なだけでない、「理由」が描かれている。 それも、真実は関係者だけの胸にしまわれ、開戦、終戦を迎える…。 次は昭和ミステリシリーズ第三弾「馬鹿みたいな話!」を読もう。

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2022/01/16

ちょっと難しいのか、想像しにくくて、 頭に入ってこなかった・・・ でも、ちゃんと理解できれば凄く面白い小説のように思えます。

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2021/12/20

『たかが殺人じゃないか』の時も思ったけど、作者はこの昭和の戦前、戦中の日を書き残したかったのではないか。原題に対して警鐘を鳴らしたいのではないか。それをミステリという形をとって送り出したのではないだろうか。謎解きよりも、作者が綴る当時の世相・情景・空気感を読むことを楽しんだ。一つ...

『たかが殺人じゃないか』の時も思ったけど、作者はこの昭和の戦前、戦中の日を書き残したかったのではないか。原題に対して警鐘を鳴らしたいのではないか。それをミステリという形をとって送り出したのではないだろうか。謎解きよりも、作者が綴る当時の世相・情景・空気感を読むことを楽しんだ。一つ悔いたのは出版順に読みべきだったということ。こちらを先に読んでいたら『たかが...』での那可一兵、別宮操にもっと驚愕しただろう。 もう文庫本になってしまっているので遅いが、登場人物名は冒頭の一覧でルビ付きにして欲しかった。語尾のカタカナ表記はやっぱり苦手。そして『たかが...』同様当節使われなくなった熟語のオンパレードで、1ページで10回くらい辞書を引いたことも(堀江敏幸の著作をよりも辞書を引く回数が多かった)。

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2021/06/02

銀座で似顔絵描きをしている漫画家志望の那珂一平はある日新聞記者の降旗瑠璃子経由で挿絵を依頼され、名古屋汎太平洋平和博覧会の取材に同行して名古屋へやって来た。新聞社社長にそもそも声をかけてきた取材の元凶宗像伯爵の案内で博覧会を堪能している間に知り合いの少女の目の前に名古屋にいるはず...

銀座で似顔絵描きをしている漫画家志望の那珂一平はある日新聞記者の降旗瑠璃子経由で挿絵を依頼され、名古屋汎太平洋平和博覧会の取材に同行して名古屋へやって来た。新聞社社長にそもそも声をかけてきた取材の元凶宗像伯爵の案内で博覧会を堪能している間に知り合いの少女の目の前に名古屋にいるはずの彼女の姉の足だけが降ってくるという猟奇事件が銀座で起きる。姉の生死は?真相は?都市を股にかけたトリックを楽しむというよりは乱歩のパノラマ島を彷彿とさせるエログロ要素漂う探偵小説感と戦争に向かっていくきな臭さが不穏な都市の描写、時代に絡まるホワイダニットの方に天秤が傾いている印象。伏線回収も丁寧で読み応えあるけど人を選びそうな雰囲気。そしてやはり「たかが殺人じゃないか」の先に読むんだった…。

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2021/05/29

「たかが殺人じゃないか」を読む前に一作目読んでおくか、と思って読んだら…これ、一作目じゃないじゃん。どうりで登場人物がいきなりで、話の入りがきっついと思ったよ。どうも、「怪盗天空に消ゆ」が那珂一兵の一作目みたいなんだよね。ミステリー大賞取った本の解説とかwikiとか、もうちょっと...

「たかが殺人じゃないか」を読む前に一作目読んでおくか、と思って読んだら…これ、一作目じゃないじゃん。どうりで登場人物がいきなりで、話の入りがきっついと思ったよ。どうも、「怪盗天空に消ゆ」が那珂一兵の一作目みたいなんだよね。ミステリー大賞取った本の解説とかwikiとか、もうちょっと誰か正しく書いといて欲しかったョ。 この本自体は昭和のエログロや戦争の雰囲気があり、謎も昔っぽくて、登場人物がわかってきた後半からは結構楽しかったです。後半にも仁科刑事という、誰やコイツみたいな人現れるけどね。

Posted byブクログ

2021/05/20

大ベテランが放つ昭和シリーズ。若き画家の一兵が鋭い推理で謎を解く。 徳川の世がまだそう遠くない。一方で、日本独自のモダンが開花した昭和12年の名古屋。これでもかというぐらい細かな街の描写が読み所。そして、軍人、アジア、西洋、エログロ。多彩な可能性があった(はず)の時代の空気を 総...

大ベテランが放つ昭和シリーズ。若き画家の一兵が鋭い推理で謎を解く。 徳川の世がまだそう遠くない。一方で、日本独自のモダンが開花した昭和12年の名古屋。これでもかというぐらい細かな街の描写が読み所。そして、軍人、アジア、西洋、エログロ。多彩な可能性があった(はず)の時代の空気を 総天然色で描くパノラマ。しかし、それを舞台に動きだす本格推理となると、やや無理がある印象も否めない。

Posted byブクログ