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夜の側に立つ の商品レビュー

3.6

29件のお客様レビュー

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2023/11/07

22年間の年月を行きつ戻りつ描いているのですが、分かりやすく読みやすかった。。青春のほろ苦さや後悔など描いていくのかと思いきや、それだけではなかったですね。夜の側に立つ。そうして動ける時には動き、得るべきものは得られるように…。何だか最後苦しかったです。

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2023/09/18

小野寺さんの文章は、かなり好き。静かな感じは村上春樹を思い出させるけど、ダルくない。不思議なバランス。日常の、ありきたりの中にある「それは、違うかもしれない」を描くのがすごくうまい。生きることは汚れていくこと。傷つかずに欲しいものを手に入れることはできないこと。自分のなかのアグレ...

小野寺さんの文章は、かなり好き。静かな感じは村上春樹を思い出させるけど、ダルくない。不思議なバランス。日常の、ありきたりの中にある「それは、違うかもしれない」を描くのがすごくうまい。生きることは汚れていくこと。傷つかずに欲しいものを手に入れることはできないこと。自分のなかのアグレッションを引き受けながら、他者と折り合いをつけていくこと。そういう境目。良かった。私はかなり好き。

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2023/03/17

小野寺作品にしては生々しいと言うか、ちょっといつもとは違う感じ。 でも、嫌いでは無い。 高校の同級生五人の18歳から40歳まで。 時間軸がバラバラな構成だが、読みづらさは感じなかった。 この五人のバンドの音を聴いてみたいな。

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2023/02/12

榊、昌子、壮介、君香、そして主人公の了治、高校3年生の時のバンドメンバー、5人が織りなす10代~40代までの物語。 年代順ではなく4つの時間軸を行き来して描かれた変わった構成だが、登場人物がさほど多くないので違和感なく読み進める事が出来る。 はたから見れば容姿端麗で何でも器用...

榊、昌子、壮介、君香、そして主人公の了治、高校3年生の時のバンドメンバー、5人が織りなす10代~40代までの物語。 年代順ではなく4つの時間軸を行き来して描かれた変わった構成だが、登場人物がさほど多くないので違和感なく読み進める事が出来る。 はたから見れば容姿端麗で何でも器用にこなし誰もが羨む壮介だが、内に潜む攻撃的な面が不気味だ。 人間誰しも、外で見せる自分とは別に心の中には秘密や闇の部分を多かれ少なかれ抱えていると思う。 本作では登場人物達の「秘密」の部分がかなり深い闇を持つ。 ラストに向かい怖さは更に増す。

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2022/07/01

あぁ、これは良い。 私好みのダメ男だ。 愛すべきダメ男。 目立ってダメな所はないのだけど きっとこの主人公の男性を苦手と思う読書家さんたちは多いんではないかと。 私は男性の謎を覗いたみたいで 何だかドキドキした。 私にとって男性はきっと永遠に謎の生き物なんだろう。 カッコよくて...

あぁ、これは良い。 私好みのダメ男だ。 愛すべきダメ男。 目立ってダメな所はないのだけど きっとこの主人公の男性を苦手と思う読書家さんたちは多いんではないかと。 私は男性の謎を覗いたみたいで 何だかドキドキした。 私にとって男性はきっと永遠に謎の生き物なんだろう。 カッコよくて情けなくて、なんて愛おしい。

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2022/05/14

最初に友人の死が描かれるので、それがキーなのだと思いましたが、う~~んそう来ましたか。また随分狭い所に落としたものです。そこはなかなか上手い。 しかし。。。 結果的に事故だとしても、きっかけは意図だったわけで、私なら呵責は感じると思います。ですから私的にはこのエンディングは有り得...

最初に友人の死が描かれるので、それがキーなのだと思いましたが、う~~んそう来ましたか。また随分狭い所に落としたものです。そこはなかなか上手い。 しかし。。。 結果的に事故だとしても、きっかけは意図だったわけで、私なら呵責は感じると思います。ですから私的にはこのエンディングは有り得ない。なので、ちょっと後味が悪い。 高校で組んだバンドの男女5人のメンバーの22年を描いた物語。主人公がバンドのリーダーとは言えもっとも平凡な男子高校生というのは如何にも小野寺さんです。しかし本来中編レベルの内容にゴタゴタ付属品をつけて長編化して居るように感じます。例えば隣家の奥さんとのエピソードは非常に印象的ですが、必須では無い気がします。

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2022/02/13

初めて読んだ小野寺さんの本。少しずつ読み進めるつもりが一日で読み切れるほど、夢中になった。自他ともに認める平凡な人生を歩みそうな主人公なのに、あらゆるアクシデントにより生き方や考え方が変化していくところに現実を感じた。どんなに近くても本音は本人にしか分からない。

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2021/11/06

今までとは違った雰囲気の内容、秘密を持ってる君、ずっと好きだった君、どこかコンプレックスを持ってる君、妬んでもいたのかな、そんな内容に感じました。君は助けられたんだよ、と私なりに解釈。今回ほのぼのとは言えないけど小野寺ワールドに引き込まれてしまう。

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2021/10/25

小野寺くんの作品としては生々しい本です。彼に男女の生々しさは似合わないような気がしてしまうのは、こちらの勝手な印象なのですが・・・。 大人になった同級生2人が酔ってボートに乗って転覆、一人が死に、一人が生き残るという刺激的な始まりです。 彼らが少年から大人になるまでを行きつ戻りつ...

小野寺くんの作品としては生々しい本です。彼に男女の生々しさは似合わないような気がしてしまうのは、こちらの勝手な印象なのですが・・・。 大人になった同級生2人が酔ってボートに乗って転覆、一人が死に、一人が生き残るという刺激的な始まりです。 彼らが少年から大人になるまでを行きつ戻りつしながら、過去が段々と肉付けされて行きます。高校3年に皆でバンドを組んで学園祭で演奏した事がとても大きい出来事で、それを軸に彼らの物語が動いています。 主人公の引っ込み思案は小野寺君特有の話の流れですが、今回は一番分けわからないと思ったし、都合よくも感じてしまい、何を言いたい本だったのかちょっと分からなかった。 面白くないわけではないですが。

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2024/04/08

 高校時代の親友が湖で遂げた不慮の死。その真相が、青春期から現在までの描写を通して少しずつ明かされていくミステリー。            * * * * *  いつもの小野寺ワールド作品だと思ったけれど、まったく違っていました。  時系列を崩しつつ、物語の収束に向けて少しず...

 高校時代の親友が湖で遂げた不慮の死。その真相が、青春期から現在までの描写を通して少しずつ明かされていくミステリー。            * * * * *  いつもの小野寺ワールド作品だと思ったけれど、まったく違っていました。  時系列を崩しつつ、物語の収束に向けて少しずつ不穏な空気を醸し出していくライフミステリーでした。  主人公も他作品と比べ異色です。  出遅れる男・野本了治。  高校でも目立たず、部活には入っていない。親友がいるわけでもない。シャイで平凡な男。ここまでは他作品と共通なのですが……。  ラストも出色の出来栄えで、とてもおもしろかった。ただ個人的には後味がよくなかったので☆4つにしました。

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