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悪の猿 の商品レビュー

4.1

32件のお客様レビュー

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2018/10/13

 いやあ、面白かった。抜群に面白いサイコミステリ。でも、599ページのボリュームなので、なかなか読み終えることができず、時間がかかってしまった。それでも、全てがストンと頭に入ってくるので、前のページを読み返したりせずに済んだ。翻訳ものは名前を忘れたり、内容が複雑だったりして必ずと...

 いやあ、面白かった。抜群に面白いサイコミステリ。でも、599ページのボリュームなので、なかなか読み終えることができず、時間がかかってしまった。それでも、全てがストンと頭に入ってくるので、前のページを読み返したりせずに済んだ。翻訳ものは名前を忘れたり、内容が複雑だったりして必ずと言っていいほど読み返すハメになる私なのだが。  ポーター刑事の元に一本の電話がある。交通事故が起こり、被害者が亡くなったとの知らせだ。そこで疑問。殺人課のポーターになぜ?それは、被害者がポーターが長年追っていた連続殺人犯の四猿だったからだ。  四猿とは、「見ざる」「聞かざる」「言わざる」に「悪事をしざる」を足したもの。四猿は、まず被害者家族に被害者の耳を送り付け、次に目、その次に舌を、最後には被害者が遺体で発見される。被害者に共通しているのは、その家族が何らかの悪事を働いているということ。  本当にこの遺体は四猿なのか。監視カメラでは、四猿らしき人物がバスに飛び込む姿が映っていた。そして四猿が身に着けていたいくつかのヒントを頼りにポーターが調査に乗り出す。遺品は切り落とした耳の入った白い箱に日記帳。安物のスーツに不釣り合いな高価な靴(2センチ大きい)。そして75セントの小銭にクリーニング屋の引換券。  以後、ポーターと同僚刑事のクレア、それから今回の被害者のエモリー。そして、日記の中の少年時代の四猿。4つの視点から物語が語られていく。 ポーター目線では、犯人を追い詰めていく緊迫感が。クレア目線は、事件を追うもう一つの刑事目線。それから、エモリーの目線は、犯人に監禁され、真っ暗闇で味わう恐怖と不安を。そして、日記では、四猿の特異な少年時代の体験が。それぞれ興味深く綴られていく。 特に、日記が面白い。青い体験のような感じで始まった日記は、全く違う形を整えていく。やがては四猿が四猿たる所以が、また、今回の事件を起こす動機が見えてくる。 読んでいる間中、続きが気になってしょうがなかった。これでデビュー2作目とは恐れ入るばかり。綿密に練られた構成にあまりにグロいシーン。そしてラストがまた秀逸。サイコミステリはこうでなきゃって思えるラスト。これから読む人が羨ましい。

Posted byブクログ

2018/08/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

何といっても犯人の邪悪さ、狂気と不気味さ、恐怖に圧倒されてしまう。そして作中に出てくる日記の内容の異常さ。読むことすら嫌になるような描写がたくさんあるのに読むことをやめられない。抜群に面白い。犯人の造形と同様に警察側の造形もよくて魅力的。時間との戦い、先の見えない捜査、焦りと絶望感。次々展開されていく猟奇的な事件。こんな物語は読みたくないけど読んでしまうし一気読みの面白さ。

Posted byブクログ