こうしてイギリスから熊がいなくなりました の商品レビュー
熊が好きなのでかわいい表紙とタイトルにひかれて読んだけどまさかこんな悲しい話だと思わなかった。イギリスで熊が絶滅していると知った今、大好きなパディントンのことをどんな気持ちで見ればいいのかわかんない…。 本書はとにかくあとがきから読むとわかりやすい。訳者の方のあとがきにある「現...
熊が好きなのでかわいい表紙とタイトルにひかれて読んだけどまさかこんな悲しい話だと思わなかった。イギリスで熊が絶滅していると知った今、大好きなパディントンのことをどんな気持ちで見ればいいのかわかんない…。 本書はとにかくあとがきから読むとわかりやすい。訳者の方のあとがきにある「現在イギリスでもっとも危険な動物は出産期の雌牛」というワードがすごく皮肉だなと思った。 「精霊熊」 「罪食い熊」 「鎖につながれた熊」 「サーカスの熊」 「下水熊」 「市民熊」 「夜の熊」 「偉大なる熊」
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イギリスのどこかの時代を舞台に、あったかもしれないなかったかもしれない、熊にまつわる寓話を集めた物語。 訳者さんのあとがきを先に読んで事情を知ってから読むと、示唆に富んだ「大人のための(牙はおさめた)寓話」として愉しめますし、その方がひとつひとつの挿話やフレーズに深いものを感じられるのは確かです。それはそれとして、細やかな表現と面白い設定の熊の童話としても単純に面白く、「子供から大人まで」楽しめる短編集として素敵だなとも思いました。 作者がどこまで現実に起こったことに対しての警鐘を含めて書いたのかはわかりません。でも、昔昔から繋いできた「もうよみがえらせることのできないもの」を壊してきた人の業を、ウイットとユーモアをこめてこんなに豊かに描けるのだなあ、そしてそれを日本人である自分でもそうと認識できるんだなあ、と感じたのでした。人は言葉も住む場所も常識も違っても、根本的には同じ生き物なんだなあと。それは哀しい側面も持つのだなあ、としんみりと感じもしました。
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「12世紀には絶滅させちゃったんだけどね。絶滅させちゃったんだけど、こうやってイギリスから熊がいなくなったって思いたいんだよ。ゴメン、勝手言っちゃって。」そうだよな。俺もそう思いたいよ。どっかで幸せに元気に暮らしてるハズって。
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これは小説・寓話なのだろうか。。 イギリスの熊の歴史を知らないままで読んだからか、今のイギリスに熊がいないということも驚きだし、ところどころ熊と人間の区別がつかなかったり。。 あとがきにもあるように、あとがきを先に読むということもこの本では必要だったのかな。 熊というとどう...
これは小説・寓話なのだろうか。。 イギリスの熊の歴史を知らないままで読んだからか、今のイギリスに熊がいないということも驚きだし、ところどころ熊と人間の区別がつかなかったり。。 あとがきにもあるように、あとがきを先に読むということもこの本では必要だったのかな。 熊というとどうしても星野道夫を思い出す。
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※このレビューにはネタバレを含みます
こうしてイギリスから熊がいなくなりました…正にこの邦題通りの短編集。 この邦題が気になってこの作品を読み始めたのだけれど、読み進める内に古のイギリス人たちは何故こんなにも熊に辛く当たるのか、そのあまりの仕打ちに読んでいるこちらも辛くなる。 イギリスで野生の熊が絶滅した、という「現実」があるけれど、この作品は熊たちへの贖罪なのか。はたまた人間に対する警告なのか。 「イギリスの熊たちよ、こちらにおいで」 力強い声に導かれ、しっかりと先を見据え大海原を進むイギリスの熊たち。 イギリスで起こった数々の記憶を置き去りにし、自らの意思でイギリスを後にした熊たちの心中を察すると切ない。 秋の夜長に深く考え込ませる作品だった。 あのクリストファー・ロビンの「お友達」が主人公の、ほのぼのとした物語がイギリスのものだということもまた衝撃的。
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かつてイギリスで酷使されていた熊たち。意志を持って反撃に出た熊たちを語る。 ミック・ジャクソンの恐ろしさ、デイヴィド・ロバーツの挿絵、ゾクッとするおはなし。イギリスに熊がいないのは、王侯貴族の狩猟の果てって本当?事実は小説より…ですね。
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巻末の訳者あとがきにあるように、『本当に変な本』だったw 挿絵の可愛いんだか不細工なんだか解らないクマもなかなか素敵。
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イギリスでは早くも11世紀に野生の熊が絶滅したそうで。 その辺に触れている訳者あとがきも面白い。 寓話っぽさ・神話っぽさ・民話っぽさが入り混じる、でも奇妙なリアリティもある一冊。
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