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こうしてイギリスから熊がいなくなりました
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
発売年月日 | 2018/08/10 |
JAN | 9784488010829 |
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こうしてイギリスから熊がいなくなりました
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商品レビュー
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18件のお客様レビュー
もうこの世界観がたまらなく好き。 出会えてよかったと思える1冊でした。 ピーターラビットやバディントンを生んだ国のお話なんですが、皮肉の中にペーソスが盛られていて叙事詩のように響きます。 粗いタッチで描く挿絵も魅力的でした。 本編を読む前に訳者のあとがきから読むと歴史的背景もわ...
もうこの世界観がたまらなく好き。 出会えてよかったと思える1冊でした。 ピーターラビットやバディントンを生んだ国のお話なんですが、皮肉の中にペーソスが盛られていて叙事詩のように響きます。 粗いタッチで描く挿絵も魅力的でした。 本編を読む前に訳者のあとがきから読むと歴史的背景もわかってきます。 イギリスでは11世紀に乱獲により熊が絶滅していたとかそれどころか、スポーツとしての狩りが流行して固有種の動物は絶滅してるようです。 また、自然林が国土の2%しか現存してない実情から見ても深刻な問題なんですよね。 そんなことを前提に読んでみるとこの寓話は心に響いてきました。 食物連鎖の頂点にある熊が暮らしていける環境は、自然が豊かにあることが条件だってわかってくるんです。 同じ島国の日本なんですが森林率からゆうと世界屈指の森林大国。町中に出没するとニュースで騒がれたりもしますが、熊が森林の生態系を支える重要な役目も果たしていることから「森の守護神」と称されることもあります。 私の体験では、山で熊に5回程あったことがあるのですが幸い危害にあったことはないです。10mの至近距離で遭遇したこともありますけどその時はフリーズしてしまいましたが、沢のほうへと降りて行ってくれました。 ある時は夢中で何か食べてる熊を見つけて、しばらく観察してたこともあります。(腰が抜けて動けなかった) 熊って近眼らしく私に気づかなかったようでした。(風下にいたこともあって) 驚かさない程度に人の気配を感じてくれた熊は藪の中に去っていきました。 臭いには敏感らしく犬よりも臭覚優れているとかで、人の気配を察すると何処か行っちゃうんです。 ただ出会い頭に会っちゃうと熊もビックリするみたいで攻撃してきたりあるようなので、いそうな場所では熊鈴付けて歩いてるんですけどね。 おっかなビックリなんですけど、 共存できる環境が残されているとゆうことは素晴らしいことだって感じます。
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『真夜中は埋葬とどこか似ており、まるで重い岩のように、どの家にもゆっくりとのしかかっていった。そうして過去を覆い隠し、未来を遮ってしまうのだ。希望も目標も、すごすごと立ち去ってしまった。そして、そうしたものが消えている間、世界はぐるりと様変わりするのである』―『Ⅰ精霊能』 唐突...
『真夜中は埋葬とどこか似ており、まるで重い岩のように、どの家にもゆっくりとのしかかっていった。そうして過去を覆い隠し、未来を遮ってしまうのだ。希望も目標も、すごすごと立ち去ってしまった。そして、そうしたものが消えている間、世界はぐるりと様変わりするのである』―『Ⅰ精霊能』 唐突だが、ヒトの業[ごう]の深さ、ということを思う。もちろん他人事とは言い切れない後ろ暗さを感じながら。人が醜さに如何に惹かれていたかをこれでもかと証拠立てて示したエーコの文章を最近読んだこともあり、ミック・ジャクソンの「こうしてイギリスから熊がいなくなりました」の中で書き連ねられるヒトの欲深さ、醜悪さ、残忍さのようなものを単純ににやりと笑って読み飛ばすことが出来ず、着地点を見失った気分になってしまう。呻吟した挙句、例えば「香水」の著者でもあるパトリック・ジュースキントの「ゾマーさんのこと」を思い起こさせる、と言ってみると、ようやく、何か腑に落ちるような気になる。 とはいえ、この本の中で展開するのはどちらかと言えば寓話的な物語。短い九つの章からなる頁数も多くない本で語られるのは、如何に熊がイギリス人によって酷い目に遭わされてきたかを、熊を擬人的に扱うのみならず知性を持った存在として昔話風に(ただし文明批判めいた口調で)語る物語。デイヴィッド・ロバーツによる挿絵もブラックながらもユーモラスなタッチで、「絵本」という雰囲気さえ漂う本書だが、ジャクソンの筆致は文明人ぶっている我々が如何に酷いことをし続けてきたかをそこはかとなく皮肉っていて、一皮むけば今でもそういう本性は変わっていないのだということを意識させる。軽い気持ちで読むと後からしっぺ返しを喰らうかも知れない。 こういう本を読むと、物語の正しい使われ方、とでも言うような妙なことを考えてしまうのだが、どことなくミヒャエル・エンデの「モモ」と通じる思想を感じもするジャクソンの文章に、倫理めいた調子はない。しかし、余程露悪的な性格の持ち主でない限り、イギリスから駆逐されてしまった熊に託された様々な差別の隠喩を読み取ってしまうのが自然なことだろう。ただ、それに気付いたからと言って、それを反証的に取り上げて多様性だの共存だのという言葉で自らの立場を守るべく語ってみても余り意味はない。ヒトにはそういう一面があるのだということを自覚する以外の教訓はないのだ。それは決して過去の非文明人がしたことではなくて、文明人を名乗る自分たちの未来における評価でもあるのだ、と心しておかねばならないこと。短いけれど響く人には響く本だと思う。
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『10の奇妙な物語』に続いて2つ目のミック作品 相変わらず不思議でおかしいくてどこか切ないお話たちでした あとがきに書かれている英国と熊(も含めた野生動物)の関係を読むと また最初から読み返したくなります デイヴィッド・ロバーツによる挿絵も秀逸ですので 物語とあわせて楽しめると思...
『10の奇妙な物語』に続いて2つ目のミック作品 相変わらず不思議でおかしいくてどこか切ないお話たちでした あとがきに書かれている英国と熊(も含めた野生動物)の関係を読むと また最初から読み返したくなります デイヴィッド・ロバーツによる挿絵も秀逸ですので 物語とあわせて楽しめると思います
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