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啼かない鳥は空に溺れる の商品レビュー

3.4

34件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    12

  3. 3つ

    13

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

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2023/02/19

娘の結婚を機に、歪みがさらに浮き彫りになる2組の母娘の関係が交互に描かれてゆきます。 愛情を求めても幼い頃から母親に暴言を吐かれ拒否されてきた千遥と、過干渉な母親の善意を装った重たい思いに絡めとられそうな亜沙子。 まったく逆の関係性ではあるけれど、千遥も亜沙子も母親に自分の人...

娘の結婚を機に、歪みがさらに浮き彫りになる2組の母娘の関係が交互に描かれてゆきます。 愛情を求めても幼い頃から母親に暴言を吐かれ拒否されてきた千遥と、過干渉な母親の善意を装った重たい思いに絡めとられそうな亜沙子。 まったく逆の関係性ではあるけれど、千遥も亜沙子も母親に自分の人生を支配されてきたと思っていて、でも顔色を伺いながら自分の気持ちより母親を優先しているのは娘自身で、共依存の関係性にあります。 最後、亜沙子の母親のブログ(母娘がどんなに仲がよいかを虚実を混ぜて発信している)の言葉にも恐ろしさをかんじたけれど、千遥の母親の言葉が、もし記憶の残像としてではなく現在の言葉としたらと思うとゾッとしました。

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2023/01/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読み終わりがなんとも言えない気持ちになった… 亜沙子側が後半ギクシャクしていく中で、千遥は後半あ〜よかった、少し希望が出てきたと思ったら母の最後の言葉…。 亜沙子は亜沙子でまさか弘太郎とどうにかなろうとするなんて。 読者側としては千遥を知ってしまっているからだとは思うけど、これもなんとも言えない気持ちになったし素直に応援出来なかったな。 面白くて読み進めてしまったけど、自分の中でまとめきれずモヤっとしてしまった。

Posted byブクログ

2022/11/17

女がそうさせるのか、愛情がそうさせるのか 母と娘は似ているのに似ていない 唯川恵さんの本が大好きなので買いました。唯川さんの本にも介護という言葉が出るようになったのか。時代を感じる。 ひたすらキラキラ女子の女同士のドロドロ恋愛が多かった作家さんですが、昨今のキーワードを上手く拾...

女がそうさせるのか、愛情がそうさせるのか 母と娘は似ているのに似ていない 唯川恵さんの本が大好きなので買いました。唯川さんの本にも介護という言葉が出るようになったのか。時代を感じる。 ひたすらキラキラ女子の女同士のドロドロ恋愛が多かった作家さんですが、昨今のキーワードを上手く拾ってらっしゃるのかなと思いました。面白かったです。一気に読みました。 さて、母と娘がキーワードのこの本です。読んでいて既視感を感じる方も多いのかな。親ガチャに失敗した女2人。幸せと言われるはずの結婚話が逆に怖い。 読んでいて、幸せになって欲しい、でも普通に終わるはずないよねと思っていたら案の定でした。 唯川恵さんの本はやはり良いです。

Posted byブクログ

2022/10/04

幼いころから酷い言葉を母から投げられて 冷たくあしらわれてきた「千遥」 女手1つで育てられて母との関係は良好だったが だんだんと束縛が強くなる「亜沙子」 千遥は故郷を離れて愛人の高級マンションに住む そこに転がりこむ別の男が有名会社に就職プロポーズ 母をギャフンと言わせるチャ...

幼いころから酷い言葉を母から投げられて 冷たくあしらわれてきた「千遥」 女手1つで育てられて母との関係は良好だったが だんだんと束縛が強くなる「亜沙子」 千遥は故郷を離れて愛人の高級マンションに住む そこに転がりこむ別の男が有名会社に就職プロポーズ 母をギャフンと言わせるチャンスがきた 亜沙子は母にすすめられた男と結婚の予定が その男には変な性癖があることが分かった 結婚に揺れていた時に 千遥の母は倒れ、亜沙子の母は手首を切る 一言で言うと2人の毒親っぷりが怖い ちょっとしたホラー でも読んでしまう 千遥にも亜沙子にもこれから真っ直ぐ強く生きて欲しい

Posted byブクログ

2022/03/13

要素要素はほとんどデータベースみたいなものでオチも安っぽいホラー感は否めないんだけどいわゆる毒親コンテンツが昨今はネットに溢れかえっているからそう感じるのかもしれない、当事者はしんどいだろうな

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2022/03/02

千遥の境遇に度々共感しながら読んでいたから、最後らへんで千遥がお母さんとの関係を修復しつつあったこと、千遥自身がなによりそれを喜んでいることが私にとっても嬉しかったのに、最後の最後、千遥母のセリフが恐ろしすぎて鳥肌立った…。 千遥が不憫でならない。じゃあ離れれば良いじゃんって思う...

千遥の境遇に度々共感しながら読んでいたから、最後らへんで千遥がお母さんとの関係を修復しつつあったこと、千遥自身がなによりそれを喜んでいることが私にとっても嬉しかったのに、最後の最後、千遥母のセリフが恐ろしすぎて鳥肌立った…。 千遥が不憫でならない。じゃあ離れれば良いじゃんって思う人もたくさんいるんだろうけどそうじゃない。子供にとって親は、たとえ大嫌いでも心の奥底では大好き、愛してほしい、認めてほしい。だから表面上では憎くて憎くて忘れたくても、愛されることを求めて離れられないんだよな、少しでも認めてくれたらそれまでの恨みがどうでもよくなるくらき嬉しいんだよな。千遥には幸せになってほしい… どうして千遥の母がこうなってしまったのか、何十年も前に姑との不仲が原因で精神的に病んでいたという話があったけど、正確な原因はわからず。家族の記憶と千遥の記憶が異なるのもすごく共感できた。家族って一番近いから言わなくても伝わるよねって思うけど他人だからそんなことない。近すぎて言いたくても言えないこともある。母との関係に悩む一娘として、心に残った小説だった。

Posted byブクログ

2022/02/13

こ、こわかった… 「母と娘とは、身体のどこも繫がっていないシャム双生児なのかもしれない」 大好きなのに大嫌い。 大切だけれど憎たらしい。 愛されたいけど鬱陶しい。 母と娘が持つ不安定な感情の描き方にぞっとしつつも、先の展開が気になって気になって、物語に入り込んでしまった。 ...

こ、こわかった… 「母と娘とは、身体のどこも繫がっていないシャム双生児なのかもしれない」 大好きなのに大嫌い。 大切だけれど憎たらしい。 愛されたいけど鬱陶しい。 母と娘が持つ不安定な感情の描き方にぞっとしつつも、先の展開が気になって気になって、物語に入り込んでしまった。 こんな毒親にはならないようにしよう。と、肝に誓った。。

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2022/01/02

いや何ちょっと待って、しんどい… * 千遥と亜沙子、東京で暮らす2人の女性が、それぞれの結婚を機にそれぞれの母親と向き合っていくお話。 32歳の千遥は、幼い頃から母に疎まれ虐げられて生きてきた。地元ではそれなりに名のある家庭。跡取りである弟といつも差をつけられ、大学生にな...

いや何ちょっと待って、しんどい… * 千遥と亜沙子、東京で暮らす2人の女性が、それぞれの結婚を機にそれぞれの母親と向き合っていくお話。 32歳の千遥は、幼い頃から母に疎まれ虐げられて生きてきた。地元ではそれなりに名のある家庭。跡取りである弟といつも差をつけられ、大学生になって独立してからも、母の影をいつも気にしながら生きている。自分はちゃんと母に認められるような生き方をしているか。 27歳の亜沙子は、中学の時に父を亡くして以来、母親と2人暮らし。「亜沙ちゃんだけが生きがい」という母親を大切に思いながらも、どこかで鬱陶しさを感じている。 どちらも必要だったのは、母親と自分は別々の人間である、とお互いが認識すること。 * 普通に結婚が決まって普通に母親と和解していい感じに再構築していくストーリーかと思ったら、なんか母娘も結婚相手もその周りも波瀾万丈すぎて最後までドキドキした。 中林さん良い奴じゃん、、と思ったけどそういうことか、とか。 功太郎なんか不憫だけど人のこと言えないよな、とか。 千遥の地元の友達とカラオケにいくシーン、よかったけどきっとあれが続くとそれはそれでしんどいんだろうな、とか。 人間は欲張りだな。 ラスト、亜沙子はまだ希望が持てる終わり方だったと思うけど(突拍子はないけど)、千遥のあれはただのホラーじゃないか? どん底に突き落とされた。あれでもまだ頑張って再構築しようとするんだろうか。母娘のしがらみってそうまでしないと抜け出せないものなんだろうか。 あんなこと言われたら、もう知らない、私は私よ、って飛び出してしまいそうだけれど。 私は私よ、と言えるだけの主体性がこれまでの千遥の人生の中で作られてこなかったのかもしれないな、とは少し思った。

Posted byブクログ

2021/11/10

◾︎母と娘であっても互いに別の人間としてそれぞれの人生を生きること。 依存されるのも依存するのも良くないなあ。 ◾︎終盤の「泣けば許されると思うな」の恐怖

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2021/10/21

読んでいてスッキリはしないのに最後まで読んでしまった。毒母巷にたくさんいると思う。それに耐える娘も。それでも母に愛されたいと思うのは何なのだろう。前進できた亜沙子に拍手を送りたい。母は全く変わらなそうだけれど。千遥も人間関係を再構築できるようになったとき自然と乗り切れる様になると...

読んでいてスッキリはしないのに最後まで読んでしまった。毒母巷にたくさんいると思う。それに耐える娘も。それでも母に愛されたいと思うのは何なのだろう。前進できた亜沙子に拍手を送りたい。母は全く変わらなそうだけれど。千遥も人間関係を再構築できるようになったとき自然と乗り切れる様になると思う。それにしても最後の母の絞り出した一言は狂気的だった。亜沙子と功太郎が上手く行きますように。

Posted byブクログ