トリフィド時代 食人植物の恐怖 の商品レビュー
彗星によってほとんどの人類が視力を失った後、異動する植物トリフィドの反乱がおこる、SFの古典的名作。 読むと、さまざまのゾンビもののルーツ的なテーマを感じます。すなわち、怖いのはゾンビでもなく人間だよねという。そうしたテーマの元祖がこれかどうかは知りませんが、トリフィドを狂言回...
彗星によってほとんどの人類が視力を失った後、異動する植物トリフィドの反乱がおこる、SFの古典的名作。 読むと、さまざまのゾンビもののルーツ的なテーマを感じます。すなわち、怖いのはゾンビでもなく人間だよねという。そうしたテーマの元祖がこれかどうかは知りませんが、トリフィドを狂言回しに人間が集団で生きていくための考え方をあれこれと提示させる面白さ。 とはいえ、逆に言うと様々なゾンビもの作品はこれの先を行っているわけでもあり、古典だからこその「それもう知ってる」感はやむを得ないところでした。
Posted by
ある日、主人公以外の人間の視力が失われ、三本足の動く植物トリフィドが、人類に襲いかかり……というパニックSF。 小学生のころに子供用リライト版を初めて読んでから、たぶん4、5回は読み直してるんだけど、読むたびに面白い。 あらすじは知ってるはずなのに、先が気になってページをめくる...
ある日、主人公以外の人間の視力が失われ、三本足の動く植物トリフィドが、人類に襲いかかり……というパニックSF。 小学生のころに子供用リライト版を初めて読んでから、たぶん4、5回は読み直してるんだけど、読むたびに面白い。 あらすじは知ってるはずなのに、先が気になってページをめくる手が止まらない。 70年前の作品なのに、古さを感じさせない。 再読して改めて感じたんだけど、やはりウインダムはキャラクターを描くのが上手い。 本作でも、主義主張や立場が異なる様々な人々が生き生きと描かれていて、さながら映画を見ているようだった。 (同じウインダムの「さなぎ」でも、それぞれのキャラクターの深さを感じた。) 登場時には強権的だったコーカーは、以前読んだ時には悪印象があったけど、今回読んだら少し考えが変わった。 「そうだな、いってみれば印刷屋が印刷された言葉を供給するのとまったく同じように、おれはしゃべり言葉を供給するんだ。印刷屋は、自分が印刷する言葉を一から十まで信じていなくてもかまわないわけだ。」(p243) 同じような状況のパニック小説に、サラマーゴの「白の闇」があるんだけど、そっちは現実の残酷さが際立っていて、絶対再読する気にはなれない。(あれがノーベル賞なら、ウインダムは三回くらいノーベル賞とれるよ!) 石黒さんの表紙もいいですね。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
文庫版を読了。石黒正数さんの表紙に惹かれて、購入したが暗くなりすぎず強かに生きる様は作風とも合っていたように思う。 古い作品だが、後書きでも触れていた通り近年のゾンビ物に通じる部分があり、主人公が思ったより状況に適応している事も合わせて、終末ものにも関わらず陰惨な気分にならず読み進めることが出来た。 一夜にしてこの世の全てが変わってしまうSFまたはホラー的な始まりから、家族という形の普遍的幸せを垣間見せて終わるのはこの作品が長く愛されている一つの要因のように思う
Posted by
読みたいと思い続けて10年くらい経ちましたが、やっと手に取る機会に巡り会えました。 1951年に書かれた作品。 トリフィドという人を襲う植物がいる世界設定。彗星群を見た人間は全員視力を失った。 破滅物が好きなので非常に楽しめました。 世界観、サバイバル要素、ヒューマンドラマ全...
読みたいと思い続けて10年くらい経ちましたが、やっと手に取る機会に巡り会えました。 1951年に書かれた作品。 トリフィドという人を襲う植物がいる世界設定。彗星群を見た人間は全員視力を失った。 破滅物が好きなので非常に楽しめました。 世界観、サバイバル要素、ヒューマンドラマ全てがバランスよくクオリティの高い秀作。
Posted by
石黒正数の表紙で購入。ちょっと誤字多め。 おもしろい。私たちのいる今からほんの一歩踏み外してしまった世界、なにかが僅かに、けれどたしかにズレてしまった世界で生きる人たち。底の方に流れている、ウィンダムの哲学が好きだ。
Posted by
トリフィドだけ知ってたのでモンスターパニックものだと漠然と思っていたが、実際は良質な破滅ものだった。 突然人類の大部分が盲目になるという突飛な設定だが、導入が丁寧ですんなりと入り込める。パニックに陥った盲人の行動や、秩序を回復しようとする人々の考えにリアリティがあり、トリフィドの...
トリフィドだけ知ってたのでモンスターパニックものだと漠然と思っていたが、実際は良質な破滅ものだった。 突然人類の大部分が盲目になるという突飛な設定だが、導入が丁寧ですんなりと入り込める。パニックに陥った盲人の行動や、秩序を回復しようとする人々の考えにリアリティがあり、トリフィドのことを忘れるくらい面白かった。 トリフィドの脅威が認知されるまでかなり時間がかかるのもリアルで印象的。 でも折角ステキなモンスターを生み出したんだからもうちょっとトリフィドの生態を掘り下げて欲しかったな。
Posted by
1951年に書かれた文明崩壊SF。 何らかの作用で現在の文明が崩壊して、サバイバルをしなければいけないという作品は現在ドラマで、映画で、漫画で、その他諸々で掃いて捨てる程ある。 しかし、70年以上前のこの作品が現在読んでもちゃんとエンタメとしての面白さを保っているとは! 主人公の...
1951年に書かれた文明崩壊SF。 何らかの作用で現在の文明が崩壊して、サバイバルをしなければいけないという作品は現在ドラマで、映画で、漫画で、その他諸々で掃いて捨てる程ある。 しかし、70年以上前のこの作品が現在読んでもちゃんとエンタメとしての面白さを保っているとは! 主人公の心理の移り変わりや、崩壊した世界でどう生き残っていくかについて様々な考えを持ったキャラクター達。 SFギミックも突飛ではなくちゃんと納得感がある。 考えてみれば文明が後ろに進む話は、確かに時代の影響を受けにくいのかもしれない。戻るだけなのだから。
Posted by
イギリスの作家「ジョン・ウィンダム」の長篇SF作品『トリフィド時代 【新訳版】 食人植物の恐怖(原題:The Day of the Triffids)』を読みました。 アンソロジー作品『NOVA 2019年春号』に続きSF作品です。 -----story-----------...
イギリスの作家「ジョン・ウィンダム」の長篇SF作品『トリフィド時代 【新訳版】 食人植物の恐怖(原題:The Day of the Triffids)』を読みました。 アンソロジー作品『NOVA 2019年春号』に続きSF作品です。 -----story------------- その夜、地球が緑色の大流星群のなかを通過し、だれもが世紀の景観を見上げた。 ところが翌朝、流星を見た者は全員が視力を失ってしまう。 世界を狂乱と混沌が襲い、いまや流星を見られなかったわずかな人々だけが文明の担い手だった。 だが折も折、植物油採取のために栽培されていた「トリフィド」という三本足の動く植物が野放しとなり、人間を襲いはじめた! 人類の生き延びる道は? 訳者あとがき=「中村徹」 ----------------------- 文明の崩壊を描いたSF作品… 1951年(昭和26年)に描かれたとは思えない、全く古臭さを感じない作品でしたね、、、 面白かった! そして、三本足で歩行する肉食植物「トリフィド」が、なんとも不気味で恐ろしくて、強烈な印象を残す作品でしたね。 ある夜、緑色の流星雨が流れ、世界中の人々がその天体ショーを目撃する… 歩行する食用植物「トリフィド」の栽培場で働いていた「ビル・メイスン」は、「トリフィド」の毒を持った鞭で目をやられて治療のために入院して目を包帯で覆っていたため、流星雨を目撃しなかった、、、 その翌日は「ビル」の包帯が取れる日であったが、朝に起きて周囲の様子が違うことに気が付いた彼は、自力で包帯を取る… 流星雨を見た人々は一人残らず視力を失ってしまい、皆、盲目となっていた。 「ビル」は、誰も目が見えず絶望に覆われたロンドンの街を歩き始める… ロンドンには、「ビル」以外にもさまざまな理由で流星雨を見なかったために目が見える人たちが、コミュニティを組んでいた、、、 その一員に加わった「ビル」は盲目となった人たちを助けていくが、目が見える人数の絶対的な少なさや都市機能の停止によって次第に盲目の人たちが重荷になり始め、この先をどうするかが議論となる。 そこへ追い討ちをかけるように、謎の疫病と「トリフィド」の脱走が発生する… 疫病で多くの仲間を失い、都市も田園も「トリフィド」に支配され始めたイギリスで、「ビル」たちはロンドンから脱出せざるを得ない羽目になる、、、 各地の生き残りを集めてイギリス国内を田園へ退却しながら、生き延びるためと「トリフィド」から世界を奪還するための戦いを始めるが、それは人類にとって圧倒的に不利な退却戦であった… ついにイギリス本土を放棄したビルたちは離島・ワイト島へ移動すると、なんとか島内の「トリフィド」を根絶し、「トリフィド」に対する反攻と文明再建のための拠点を確保するのだった。 良質の植物油が採れるため、首輪と鎖をつけた状態で大規模に栽培されていた「トリフィド」が、謎の原因により人類のほとんどが盲目となったいわゆる「トリフィドの日」以降は鎖を切断して野生化し、徐々に生き残った人類の大きな脅威となっていく展開が怖かったですねぇ… しかも、「トリフィド」は音を聴き分けることができ、「トリフィド」同士がなんらかの方法でコミュニケーションをとっている可能性のあることがわかってくる終盤以降は恐ろしさが倍増、、、 読み応えのある骨太な作品でしたね… 過去の翻訳作品では『トリフィドの日』や『怪奇植物トリフィドの侵略』というタイトルの作品もあるようです。 以下、主な登場人物です。 「ウィリアム・メイスン」 生物学者。トリフィドの研究家 「ジョゼラ・プレイトン」 女性のベストセラー作家 「スーザン」 メイスンがひろった孤児 「マイクル・ビードリー」 新しい道徳による世界をつくろうとする男 「ウィルフレッド・コーカー」 旧道徳によって世界を救おうとする男 「フローレンス・デュラント」 キリスト教に則った社会をつくろうとする女 「トレンス」 新しい封建社会をつくろうとする男
Posted by
個人的に様々に思いを巡らせた本となった。ただのsf小説ではなく、盲目、視覚に障害を持った人々がどのような感情を、持つのか世界がどうなるのか。私も今はみえているが、見えなくなる可能性もある。
Posted by
小学生の頃に図書館で借り、「流星を見た人たちが全員失明した世界で自分だけが目が見える」という部分だけが強烈な印象に残っていたものの、それ以外が全く記憶になかったので再読しました! 訳は私にとっては少し読みづらかったですが、それでも先が気になる気持ちが勝ちました。 廃退していく...
小学生の頃に図書館で借り、「流星を見た人たちが全員失明した世界で自分だけが目が見える」という部分だけが強烈な印象に残っていたものの、それ以外が全く記憶になかったので再読しました! 訳は私にとっては少し読みづらかったですが、それでも先が気になる気持ちが勝ちました。 廃退していく世界で、未知の脅威と戦う…というストーリーは王道だけど、王道なだけあって何年たっても色褪せないおもしろさがあります。 残された人々の色んな考え方や、謎の植物の薄気味悪さ、主人公がどうなっていくのか、わくわくドキドキ楽しみながら読みました。 便利になった世の中が突然機能しなくなる恐怖は、災害に見舞われやすい日本に生きる私たちにもひとごとではなく、いろいろと考えさせられる部分がありました。 このような状況に置かれたら、私には何ができるか、生き続けていく勇気と逞しさを少しでも身に着けていたい気持ちになりました…。
Posted by
- 1
- 2
