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トリフィド時代 食人植物の恐怖 の商品レビュー

4.1

13件のお客様レビュー

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2024/06/21

読みたいと思い続けて10年くらい経ちましたが、やっと手に取る機会に巡り会えました。 1951年に書かれた作品。 トリフィドという人を襲う植物がいる世界設定。彗星群を見た人間は全員視力を失った。 破滅物が好きなので非常に楽しめました。 世界観、サバイバル要素、ヒューマンドラマ全...

読みたいと思い続けて10年くらい経ちましたが、やっと手に取る機会に巡り会えました。 1951年に書かれた作品。 トリフィドという人を襲う植物がいる世界設定。彗星群を見た人間は全員視力を失った。 破滅物が好きなので非常に楽しめました。 世界観、サバイバル要素、ヒューマンドラマ全てがバランスよくクオリティの高い秀作。

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2024/05/19

石黒正数の表紙で購入。ちょっと誤字多め。 おもしろい。私たちのいる今からほんの一歩踏み外してしまった世界、なにかが僅かに、けれどたしかにズレてしまった世界で生きる人たち。底の方に流れている、ウィンダムの哲学が好きだ。

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2024/04/07

トリフィドだけ知ってたのでモンスターパニックものだと漠然と思っていたが、実際は良質な破滅ものだった。 突然人類の大部分が盲目になるという突飛な設定だが、導入が丁寧ですんなりと入り込める。パニックに陥った盲人の行動や、秩序を回復しようとする人々の考えにリアリティがあり、トリフィドの...

トリフィドだけ知ってたのでモンスターパニックものだと漠然と思っていたが、実際は良質な破滅ものだった。 突然人類の大部分が盲目になるという突飛な設定だが、導入が丁寧ですんなりと入り込める。パニックに陥った盲人の行動や、秩序を回復しようとする人々の考えにリアリティがあり、トリフィドのことを忘れるくらい面白かった。 トリフィドの脅威が認知されるまでかなり時間がかかるのもリアルで印象的。 でも折角ステキなモンスターを生み出したんだからもうちょっとトリフィドの生態を掘り下げて欲しかったな。

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2023/09/11

1951年に書かれた文明崩壊SF。 何らかの作用で現在の文明が崩壊して、サバイバルをしなければいけないという作品は現在ドラマで、映画で、漫画で、その他諸々で掃いて捨てる程ある。 しかし、70年以上前のこの作品が現在読んでもちゃんとエンタメとしての面白さを保っているとは! 主人公の...

1951年に書かれた文明崩壊SF。 何らかの作用で現在の文明が崩壊して、サバイバルをしなければいけないという作品は現在ドラマで、映画で、漫画で、その他諸々で掃いて捨てる程ある。 しかし、70年以上前のこの作品が現在読んでもちゃんとエンタメとしての面白さを保っているとは! 主人公の心理の移り変わりや、崩壊した世界でどう生き残っていくかについて様々な考えを持ったキャラクター達。 SFギミックも突飛ではなくちゃんと納得感がある。 考えてみれば文明が後ろに進む話は、確かに時代の影響を受けにくいのかもしれない。戻るだけなのだから。

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2023/03/17

イギリスの作家「ジョン・ウィンダム」の長篇SF作品『トリフィド時代 【新訳版】 食人植物の恐怖(原題:The Day of the Triffids)』を読みました。 アンソロジー作品『NOVA 2019年春号』に続きSF作品です。 -----story-----------...

イギリスの作家「ジョン・ウィンダム」の長篇SF作品『トリフィド時代 【新訳版】 食人植物の恐怖(原題:The Day of the Triffids)』を読みました。 アンソロジー作品『NOVA 2019年春号』に続きSF作品です。 -----story------------- その夜、地球が緑色の大流星群のなかを通過し、だれもが世紀の景観を見上げた。 ところが翌朝、流星を見た者は全員が視力を失ってしまう。 世界を狂乱と混沌が襲い、いまや流星を見られなかったわずかな人々だけが文明の担い手だった。 だが折も折、植物油採取のために栽培されていた「トリフィド」という三本足の動く植物が野放しとなり、人間を襲いはじめた!  人類の生き延びる道は?  訳者あとがき=「中村徹」 ----------------------- 文明の崩壊を描いたSF作品… 1951年(昭和26年)に描かれたとは思えない、全く古臭さを感じない作品でしたね、、、 面白かった! そして、三本足で歩行する肉食植物「トリフィド」が、なんとも不気味で恐ろしくて、強烈な印象を残す作品でしたね。 ある夜、緑色の流星雨が流れ、世界中の人々がその天体ショーを目撃する… 歩行する食用植物「トリフィド」の栽培場で働いていた「ビル・メイスン」は、「トリフィド」の毒を持った鞭で目をやられて治療のために入院して目を包帯で覆っていたため、流星雨を目撃しなかった、、、 その翌日は「ビル」の包帯が取れる日であったが、朝に起きて周囲の様子が違うことに気が付いた彼は、自力で包帯を取る… 流星雨を見た人々は一人残らず視力を失ってしまい、皆、盲目となっていた。 「ビル」は、誰も目が見えず絶望に覆われたロンドンの街を歩き始める… ロンドンには、「ビル」以外にもさまざまな理由で流星雨を見なかったために目が見える人たちが、コミュニティを組んでいた、、、 その一員に加わった「ビル」は盲目となった人たちを助けていくが、目が見える人数の絶対的な少なさや都市機能の停止によって次第に盲目の人たちが重荷になり始め、この先をどうするかが議論となる。 そこへ追い討ちをかけるように、謎の疫病と「トリフィド」の脱走が発生する… 疫病で多くの仲間を失い、都市も田園も「トリフィド」に支配され始めたイギリスで、「ビル」たちはロンドンから脱出せざるを得ない羽目になる、、、 各地の生き残りを集めてイギリス国内を田園へ退却しながら、生き延びるためと「トリフィド」から世界を奪還するための戦いを始めるが、それは人類にとって圧倒的に不利な退却戦であった… ついにイギリス本土を放棄したビルたちは離島・ワイト島へ移動すると、なんとか島内の「トリフィド」を根絶し、「トリフィド」に対する反攻と文明再建のための拠点を確保するのだった。 良質の植物油が採れるため、首輪と鎖をつけた状態で大規模に栽培されていた「トリフィド」が、謎の原因により人類のほとんどが盲目となったいわゆる「トリフィドの日」以降は鎖を切断して野生化し、徐々に生き残った人類の大きな脅威となっていく展開が怖かったですねぇ… しかも、「トリフィド」は音を聴き分けることができ、「トリフィド」同士がなんらかの方法でコミュニケーションをとっている可能性のあることがわかってくる終盤以降は恐ろしさが倍増、、、 読み応えのある骨太な作品でしたね… 過去の翻訳作品では『トリフィドの日』や『怪奇植物トリフィドの侵略』というタイトルの作品もあるようです。 以下、主な登場人物です。 「ウィリアム・メイスン」  生物学者。トリフィドの研究家 「ジョゼラ・プレイトン」  女性のベストセラー作家 「スーザン」  メイスンがひろった孤児 「マイクル・ビードリー」  新しい道徳による世界をつくろうとする男 「ウィルフレッド・コーカー」  旧道徳によって世界を救おうとする男 「フローレンス・デュラント」  キリスト教に則った社会をつくろうとする女 「トレンス」  新しい封建社会をつくろうとする男

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2021/11/04

個人的に様々に思いを巡らせた本となった。ただのsf小説ではなく、盲目、視覚に障害を持った人々がどのような感情を、持つのか世界がどうなるのか。私も今はみえているが、見えなくなる可能性もある。

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2020/01/22

小学生の頃に図書館で借り、「流星を見た人たちが全員失明した世界で自分だけが目が見える」という部分だけが強烈な印象に残っていたものの、それ以外が全く記憶になかったので再読しました! 訳は私にとっては少し読みづらかったですが、それでも先が気になる気持ちが勝ちました。 廃退していく...

小学生の頃に図書館で借り、「流星を見た人たちが全員失明した世界で自分だけが目が見える」という部分だけが強烈な印象に残っていたものの、それ以外が全く記憶になかったので再読しました! 訳は私にとっては少し読みづらかったですが、それでも先が気になる気持ちが勝ちました。 廃退していく世界で、未知の脅威と戦う…というストーリーは王道だけど、王道なだけあって何年たっても色褪せないおもしろさがあります。 残された人々の色んな考え方や、謎の植物の薄気味悪さ、主人公がどうなっていくのか、わくわくドキドキ楽しみながら読みました。 便利になった世の中が突然機能しなくなる恐怖は、災害に見舞われやすい日本に生きる私たちにもひとごとではなく、いろいろと考えさせられる部分がありました。 このような状況に置かれたら、私には何ができるか、生き続けていく勇気と逞しさを少しでも身に着けていたい気持ちになりました…。

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2019/11/01

初ウィンダム。地球滅亡もの。まず訳がわたしに合っていた、良い。内容も大事だが、まずは訳だ。奇跡的に失明することがなかった主人公が新たな文明?を再建する話+それを阻止する食人植物との闘いの話——と、言ったら身も蓋もないが、人類が徐々に衰退していく様を見るのは、なんとも云えませんな…...

初ウィンダム。地球滅亡もの。まず訳がわたしに合っていた、良い。内容も大事だが、まずは訳だ。奇跡的に失明することがなかった主人公が新たな文明?を再建する話+それを阻止する食人植物との闘いの話——と、言ったら身も蓋もないが、人類が徐々に衰退していく様を見るのは、なんとも云えませんな…。私だったら真っ先に頭に拳銃を突きつけます——。星四つ。解説にあった『呪われた村』は読みたいと思った(^^ 地球外生命体が何らかの方法で地球人を妊娠させ、謎めいた子を産ませる——という。な、なんて魅力的な設定なんだ!!!

Posted byブクログ

2019/09/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

昨今は宇宙開発が流行っておりまして、各国挙っていろんなモノを 打ち上げておりますが、衛星にやべえもん積んで、 バカスカ飛ばすのはよくないと思いました。 時代が進む中で、昔の知識や技術って蔑ろにされがちだけど、 こういう状況に陥ったときに本当に必要になってくるんだなあ…。 自分の身に同じことが降り掛かってきたとしたら、 たぶん道端でのたれ死にます。

Posted byブクログ

2019/08/30

破滅SF、古典中の古典。 子供の頃にジュブナイルで読んだ記憶がありますが、大人になって新訳で読んで、こんなにエレガントな作品だったんだー、と改めて評価いたしました。 緑色の流星群が地球を覆い、その一大イベントに大多数の人々が酔いしれていたその夜、ウィリアム・メイスンはトリフィド...

破滅SF、古典中の古典。 子供の頃にジュブナイルで読んだ記憶がありますが、大人になって新訳で読んで、こんなにエレガントな作品だったんだー、と改めて評価いたしました。 緑色の流星群が地球を覆い、その一大イベントに大多数の人々が酔いしれていたその夜、ウィリアム・メイスンはトリフィドに襲われた目の治療のために流星群を目にすることが出来なかった。その翌朝、視力を回復したウィリアムが目にしたものは、失明して右往左往する大群衆の姿。緑色の流星群を観測した人々は、漏れなく失明していたのだった。 視力を持つ限られた者の一人として、思いがけない使命を課せられたウィリアムの前に立ちはだかる影。それは、良質な油を取るために人為的に生み出された植物・トリフィドの群れ。腐肉を糧にし、自ら動くことが出来るトリフィドにとって、動きの鈍い人間は格好のエサになるのだった。生き残った人々を守りつつ、トリフィドに立ち向かうウィリアムの命運は・・・!? 1951年発表作品。SFとしては極めてオーソドックスで手垢がついていると言っても過言ではない、「破滅SF」というジャンル作品です。 が、21世紀の今になって読んでも、全く古びていないこの端正さ。一番の要素は、主人公のウィリアムが極めて知的で自制的な、語弊を恐れずに言えば近代的な価値観を体現したキャラクターだから、という点に尽きると思います。 自分がおかれた立場を把握したウィリアムは、一時は投げやりな態度を取ったりしますが、自らを省みて反省すべきところは反省しつつ、最善の策を模索し続けます。そんな理性的な彼が時々エモーショナルな態度を取ってしまうのは、愛するジョゼラを守るため。誰もが共感できる、シンプルにして普遍的な価値観が提示されます。 タイトルにもなっているトリフィドは、この先の困難を示す要素の一つに過ぎません。作品のテーマは、状況を粛々と受け入れつつ立ち直ろうとする人間社会です。破滅SFとしては、「奇麗過ぎる」のかもしれません。それでも、この極めて前向きなラストシーンは、SF史に残る名作だと思います。この先も古びない作品です。 子供の頃に読んだ印象と、これだけ変わるもんなんだなー。 これだからSF読みは止められませんよ!

Posted byブクログ