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経営戦略原論 の商品レビュー

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14件のお客様レビュー

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2018/11/05

経営戦略学史。実務との乖離が指摘される経営学だが、事例を統合史一般化する作業には時間が必要で、実際は企業経営の環境の変化に合わせ、経営学も大いに変化している。 ここでは、戦争の戦略における予算と目的遂行から始まり、テイラーなどの大量生産技術をどのように生かすかということで、安定し...

経営戦略学史。実務との乖離が指摘される経営学だが、事例を統合史一般化する作業には時間が必要で、実際は企業経営の環境の変化に合わせ、経営学も大いに変化している。 ここでは、戦争の戦略における予算と目的遂行から始まり、テイラーなどの大量生産技術をどのように生かすかということで、安定した需要環境の中で経験曲線をどれだけ先に進めるかというBCGマトリックスが生まれた。オイルショックを経て単純な大量生産による業績拡張が難しくなってくると産業間の利益率の差異から、外部環境を詳細に分析するポーターのファイブフォーシズは生まれ、差別化/コストリーダーシップ/フォーカス戦略が誕生する。情報技術や国際化で 外部環境も大きく変化して分析が間に合わなくなってくると、内部環境にフォーカスがあたり、企業内資源の異質性・固着生に注目した資源ベースの理論が台頭してくる。また同時に企業の成長段階に合わせ、多角化をどう評価運営していくかという事業戦略を超えた全社戦略も同様に発展していく、そこでバランスとスコアカードによる自社評価がされ、人事、財務、といった機能別の戦略も同様。また実行の度合いを担保することも当然求められており、KPI管理などで対応するが、この対応は戦略と従業員の意識のアラインメントが重要である。 現在では、新興企業に対し、外部内部の詳細な分析をしている余裕はないので、はしりながら,A/Bテストのような実験をしつつ戦術の完成度を高めていく仮説思考計画法が出てきた。

Posted byブクログ

2018/07/22

理論と実践の架橋を目指したという戦略論の本。 500ページの大ボリュームで、かなり広範は内容が盛り込まれている。初めて戦略論を勉強する人より、スタンダードな戦略論のテキストをいくつか読んだことのある人の方が向いていると思う。 一方で、盛り込みすぎて散漫になっている気もするし、全体...

理論と実践の架橋を目指したという戦略論の本。 500ページの大ボリュームで、かなり広範は内容が盛り込まれている。初めて戦略論を勉強する人より、スタンダードな戦略論のテキストをいくつか読んだことのある人の方が向いていると思う。 一方で、盛り込みすぎて散漫になっている気もするし、全体を貫く統一的な視点がないようにも思う。

Posted byブクログ

2018/07/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「経営学とは、実学と社会科学(理論)という2つの側面を持つ学問であるが、この間には大きな断絶がある。」 これは従来の経営学における議論でも度々指摘されてきた事実であるが、この断絶を埋める方法について言及した書物は多くなかった。本書の目的は、この両者の橋渡しをすることであり、実務家、研究者の両者にとって示唆に富むものである。 本書の内容は、そもそも「経営学とは何か」という問いから始まり、理論としての経営学の変遷、実学としての経営学の変化、そして最後に未来の経営がどのように変化するのか、著者による主張がなされている。 個人的に本書の価値であると考えるのは、理論変遷、実学の関心の変化などを読み解く際に、それがなぜ変化したのか、当時の社会変化をもとにその変遷のプロセスまで言及されていることである。 個々のフレームワーク、理論に関して詳述している書物は多いものの、それらがどのように結びついているのかという部分まで踏み込んでいるものは少ない。この点においても、本書は何度も読み返したくなる一冊であると言える。 両者の議論をカバーするため、本書は約500ページに渡る。 やや長いという印象を受けるかもしれないが、明快な語り口で議論をされているため、冗長であるとは感じない。 特にビジネスパーソン、研究を志す学生などにとって、両者の考え方、関心、議論の変遷を理解し、自身の立場から経営に携わる際の思考の軸となるだろう。

Posted byブクログ

2018/07/01

戦略の理論と実践の橋渡しをしてくれる一冊。 さまざまな戦略フレームワークが生まれた背景と文脈を理解しながら、それぞれの活用法と限界を知れる。 また、実践においては、大企業からベンチャー、そして、グローバル展開に渡るまで、その局面におうじて使うべき考え方がまったく違うことを体系的...

戦略の理論と実践の橋渡しをしてくれる一冊。 さまざまな戦略フレームワークが生まれた背景と文脈を理解しながら、それぞれの活用法と限界を知れる。 また、実践においては、大企業からベンチャー、そして、グローバル展開に渡るまで、その局面におうじて使うべき考え方がまったく違うことを体系的に学ぶことができる。

Posted byブクログ