戦時の音楽 の商品レビュー
文学ラジオ空飛び猫たち第80回紹介本 https://spotifyanchor-web.app.link/e/u22WgBgYhwb 同じ作家の、違う面が見れるのが短編集のいいところだが、その幅が広いのに、うまく言えないが通底しているテーマが、まとまりを見せていて、読み終えたあ...
文学ラジオ空飛び猫たち第80回紹介本 https://spotifyanchor-web.app.link/e/u22WgBgYhwb 同じ作家の、違う面が見れるのが短編集のいいところだが、その幅が広いのに、うまく言えないが通底しているテーマが、まとまりを見せていて、読み終えたあと迫ってくる。タイトルと絡むけれど、それとは違う、人間がどうしても抱えてしまう感情を描いている気がする。その感情がうまい言葉で括れなくて、だからこそ、短編集にひとつのまとまりを持たせることができている気がした。
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17編の短編集. 薬指を失ったバイオリニストや像を失った象使い,ピアノから出てきた小さなバッハ,アホウ鳥を撃ってしまったり突然十字架がデコレーションされて行ったり,,,なんらかの象徴とも言えるキッカケで人生が変わるその徴.そういう運命的なものを短編の中にグッと凝縮させて描いている...
17編の短編集. 薬指を失ったバイオリニストや像を失った象使い,ピアノから出てきた小さなバッハ,アホウ鳥を撃ってしまったり突然十字架がデコレーションされて行ったり,,,なんらかの象徴とも言えるキッカケで人生が変わるその徴.そういう運命的なものを短編の中にグッと凝縮させて描いている.不条理なことも多く,つまりはそれが人生なのかもしれない.
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
面白かったです。17の掌編ですが数ページのものから数十ページに及ぶものまで、献辞に「ついに、ジョンに捧げる」 とあるように13年もの間の作品が収められています。 かなり想像力を要する作品が多くて読むのに苦労したけど 、読後はしっかり読んだなぁ…と満腹感がありました。 お気に入りは、歌う女たち、これ以上ひどい思い、 十一月のストーリー、リトルフォークの奇跡の数年間、 爆破犯について私たちの知るすべて、陳述、 惜しまれつつ世を去った人々のは博物館。
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こんなまとまりの短編集ははじめてかもしれない。 ばらばらの寄せ集めではなく、 ひとつのテーマに固執しているわけでもない、 やんわりと、うまく言い表せないなにかでつながっている。 これは戦争と音楽と罪悪感と芸術についてのはなしだ。 戦争や過ちや間違い、罪悪感のコールタールみたいな...
こんなまとまりの短編集ははじめてかもしれない。 ばらばらの寄せ集めではなく、 ひとつのテーマに固執しているわけでもない、 やんわりと、うまく言い表せないなにかでつながっている。 これは戦争と音楽と罪悪感と芸術についてのはなしだ。 戦争や過ちや間違い、罪悪感のコールタールみたいな地面から、芸術があればほんのすこし浮いていられる。 そんなふうに生きたひとを覗き込むみたいな短編集。 チャップマンの話しが一番好き。 象を亡くした象使いや、天啓を受けるアメリカ人の少年、ピアノから出てくる小さなバッハに、大学教授のふりをするシェフ。家の前でバイクの事故が起きてしまったチェリスト。アホウドリを殺してしまった英文科教師。 一族の過去。(もっと妙なことが実際には起きていた。もっと単純なことが、実際には起きなかった。)
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面白いのもあれば、ピンとこないのもあり、の短編集。 ずば抜けて良いのはやっぱり『赤を背景とした恋人たち』(ウェブで無料公開されている) ベートーベンと同居することになるというファンタジーと、現代女性の現実的な悩みや哀しみが、自分好みの重すぎないタッチで描かれていて気持ちいい。 『...
面白いのもあれば、ピンとこないのもあり、の短編集。 ずば抜けて良いのはやっぱり『赤を背景とした恋人たち』(ウェブで無料公開されている) ベートーベンと同居することになるというファンタジーと、現代女性の現実的な悩みや哀しみが、自分好みの重すぎないタッチで描かれていて気持ちいい。 『十一月のストーリー』『爆破犯について私たちの知るすべて』あたりも好き。
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