もう「はい」としか言えない の商品レビュー
著者のエッセイ「東京の夫婦」を読了していたので この小説はノンフィクションを含んでいることがわかる。 スタイリストではなかったが、ご自身の日常がデフォルメ されていることはわかるので、読者はどこまでが 松尾スズキの実生活なのか、想像しながら読み進めるカタチになる。 でも、全てはフ...
著者のエッセイ「東京の夫婦」を読了していたので この小説はノンフィクションを含んでいることがわかる。 スタイリストではなかったが、ご自身の日常がデフォルメ されていることはわかるので、読者はどこまでが 松尾スズキの実生活なのか、想像しながら読み進めるカタチになる。 でも、全てはフィクションかもしれない。 それも含めて計算済みの設定なのだろう。 個人的には松尾スズキ氏のルーツと思われる 年少期を描いた「神様ノイローゼ」の方が面白かった。 ぜひ、その思春期〜青年期の物語も読んで見たくなった。 と、これもまた全てフィクションかもしれない。 もしくはほとんど実話かもしれない、 このように想像させるところがこの本の魅力であり面白さなのだと思った。
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序盤がすごく良かった。 何が起きるんだろうというワクワク感が最後まで持続すれば受賞したかもしれない。 自伝小説かと錯覚するほど主人公の描写が細かく松尾さんっぽくて掴まれた。 設定がすごく面白い。
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二作品が収録されている。どちらも海馬五郎が主人公。表題作の『もう「はい」としか言えない』は、浮気がバレたことから、一時間ごとに妻に写真を送るとか、毎日セックスをしなければならないとか、自由を奪われる苦痛を強いられる。そんな海馬にパリ行きの機会が訪れ、自由を味わえるようになるかと思...
二作品が収録されている。どちらも海馬五郎が主人公。表題作の『もう「はい」としか言えない』は、浮気がバレたことから、一時間ごとに妻に写真を送るとか、毎日セックスをしなければならないとか、自由を奪われる苦痛を強いられる。そんな海馬にパリ行きの機会が訪れ、自由を味わえるようになるかと思いきや、そこには不自由しかなかった。 『神様ノイローゼ』は少年時代の海馬の心の中をぶちまける。そこに精神的な自由はあったのだろうか。読んでいて苦しくなるが、どちらもどこかで共感できる作品だった。
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初っ端から面白かった。ニヤニヤしちゃうほどに。不倫がバレた海馬五郎(老人賭博も合わせてどうぞ)が妻に3つの約束を叩きつけられる。 仕事場は解約すること。今後2年間外出先からスマホで1時間おきに背景も含めた自撮りの写メを送ること。そして2年間毎日セックスをすること、丁寧に、もちろん...
初っ端から面白かった。ニヤニヤしちゃうほどに。不倫がバレた海馬五郎(老人賭博も合わせてどうぞ)が妻に3つの約束を叩きつけられる。 仕事場は解約すること。今後2年間外出先からスマホで1時間おきに背景も含めた自撮りの写メを送ること。そして2年間毎日セックスをすること、丁寧に、もちろん私とね。 半年経ち海馬はフランスの賞を受賞する。飛行機が嫌いで海外が怖い海馬だが妻とのセックスから逃げたい一心でフランスに行く…という話なんだけど、この奥さん最高だわ。 表題作以外にもう一本ありますがこちらも主人公は海馬です。いつか芥川賞受賞してほしい気もするけどこの手の作風だと難しいかな。
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現実的な話のようでシュールな話。 聖くんのキャラ好きだなー。笑 表題作は個人的に前半が好きでした。 2つ目の、神様ノイローゼも面白かった。 もー自意識捨てて笑っていこー涙
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芥川賞候補作を含む中編集。 候補作の「もう「はい」としかいえない」は冒頭の不倫の事実を妻から突き付けられるリアリティさからいきなり非現実的でシュールな海外での体験する落差が面白いです。 純文学的なテーマは死についてということなのでしょうが、母と穴についてのエピソードだけが浮いていたので、狙ったのかもしれないと思いました。 もう一つの「神様ノイローゼ」の方は肩の力を抜いて読める青春小説でした。
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授賞は逃したが、芥川賞というよりは直木賞っぽい(よくわかってないが)。 序盤の印象からするともっと破綻した結末かと思った。 神様ノイローゼは自分もそうだったなーと懐かしく感じた。 【図書館・初読・7月19日読了】
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最初、くせのない文章に「これが芥川賞候補か」と思いつつ、「これは松尾さんの本なのか?」と思いつつ、読んだ。 でもやっぱり、最後の最後に松尾さんの本だ、と思った。 もう一つ収められていた「神様ノイローゼ」のほうが断然読みやすかったけど、表題作はなるほど、芥川賞候補なのだしな。 松尾...
最初、くせのない文章に「これが芥川賞候補か」と思いつつ、「これは松尾さんの本なのか?」と思いつつ、読んだ。 でもやっぱり、最後の最後に松尾さんの本だ、と思った。 もう一つ収められていた「神様ノイローゼ」のほうが断然読みやすかったけど、表題作はなるほど、芥川賞候補なのだしな。 松尾さんは生とか死を、本当はどう思っているのだろう。アートな死、なんて笑っちゃうのかもしれないけど、一生懸命な生、もきっと笑っちゃうんじゃないかと思えてならない。
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